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鳴尾浜戦力分析(投手版)

野手版はこちら。成績は9/28時点。
まずはチーム投手成績から見ていきましょう。

チーム投手成績
・防御率3.69(4位)
・被本塁打32(最下位)
・与四球228(最下位)
・奪三振率7.27(3位)

本拠地が狭い鳴尾浜なのもあって被本塁打は多くなっています。ソフトバンクが異常に強い投手陣なのもありますが、阪神はリーグで見ると真ん中からやや下レベルです。

次に、細かく見ていきます。

テンプレート
名前 登板数 投球回 防御率 被本 奪三振率/WHIP K/BB

成績はそのポジションでのもの。要するに、先発成績と中継ぎ成績は分けています。

①先発右腕

中田 7試合 30.1回 防3.86 1本 6.23/1.42/1.11
高野 5試合 22.0回 防4.91 1本 5.73/1.91/0.82
藤浪 4試合 22.0回 防0.41 0本 11.86/0.91/2.90
齋藤 4試合 19.0回 防0.47 0本 10.89/1.00/3.40
西純 4試合 15.2回 防2.87 1本 5.74/1.40/1.11
小野 4試合 11.0回 防13.09 2本 4.09/3.00/0.36
牧 3試合 12.1回 防7.30 2本 1.46/1.78/0.50
才木 2試合 11.0回 防2.45 1本 9.00/1.45/2.75
望月 1試合 *5.0回 防0.00 0本 5.40/1.00/3.00
ガンケル1試合 *5.0回 防0.00 0本 3.60/0.20/――
馬場 1試合 *3.0回 防0.00 0本 6.00/1.00/1.00
秋山 1試合 *2.0回 防4.50 0本 9.00/1.00/――

開幕からほぼローテで回っているのは中田のみ。リリーフから転向の高野、齋藤が先発登板数上位になるレベルの薄さです。際立つのは藤浪齋藤の成績の良さ。一軍で通用するポテンシャルは十二分に持っていると言っていいでしょう。またルーキーの西純もなかなかの好成績を収めており、今後に期待が持てます。今季中の一軍登板も見えているレベルです。
一方で気になるのが小野の成績。牧は人が足りていないため最近無理やり先発させられている形なので仕方ない部分もありますが、小野は制球難が悪化しており、時間がかかりそうです。才木も3週間登板がないのが気になります。
望月ガンケル馬場らはリリーフとして一軍に定着しており、二軍の先発からは抜けています。特に望月や馬場は去年まで二軍で先発の柱として回っていた選手なので、彼らが抜けたことは二軍にとっては痛手でした。

②先発左腕

横山 8試合 38.1回 防3.29 4本 2.82/1.25/0.92
岩田 6試合 26.0回 防2.77 0本 8.65/1.23/4.00
呂 2試合 13.0回 防1.38 1本 7.62/1.00/2.75
及川 2試合 *9.1回 防8.68 3本 3.86/1.93/4.00
川原 2試合 *5.0回 防7.20 0本 5.40/2.40/0.75
高橋 1試合 *5.0回 防3.60 0本 5.40/1.20/――

育成の横山とベテランの岩田が主に投げているという人材難。他は一軍経験なしの若手ばかり。
横山は今季好調だったものの前回の登板で5回9失点と大爆発し、成績が悪化してしまいました。全体を通してみると奪三振率が低く、支配的な投球で抑えているとはいえない状態です。岩田はほぼ文句なし。はかつては先発していたものの成績が芳しくないため中継ぎに転向、その中継ぎで結果を残して先発復帰となり、そこから好投を続けています。一軍の外国人枠次第では先発もありそうです。ルーキーの及川は打たれてこそいますが、制球力には改善が見られるため、今後楽しみな存在です。
全体として人材不足が甚だしいので、ドラフトで先発左腕の獲得は重要かと思われます。

③右腕中継ぎ

福永 22試合 24.1回 防2.59 0本 6.29/1.56/1.13
谷川 21試合 22.0回 防4.09 0本 6.95/1.64/2.43
浜地 19試合 20.0回 防2.25 2本 8.10/1.35/4.50
尾仲 17試合 15.2回 防5.74 2本 4.60/1.21/4.00
小林 14試合 14.0回 防4.50 1本 8.36/1.36/2.60
桑原 13試合 13.0回 防5.54 1本 11.08/1.46/4.00
牧 12試合 15.0回 防4.20 0本 8.40/1.73/1.28
齋藤 10試合 11.1回 防7.94 1本 12.71/1.59/2.29
エド *9試合 *8.2回 防0.00 0本 10.38/0.81/3.33
高野 *7試合 11.2回 防10.03 5本 4.63/2.31/0.75
小川 *5試合 *6.0回 防1.50 0本 9.00/0.67/3.00
小野 *5試合 *7.0回 防5.14 1本 9.00/2.29/0.88
伊藤 *4試合 *3.2回 防7.36 0本 2.45/2.45/0.33
西純 *3試合 *6.0回 防0.00 0本 9.00/1.33/2.00
才木 *3試合 *5.0回 防5.40 0本 10.80/1.00/――
望月 *3試合 *4.2回 防5.79 0本 7.71/1.50/2.00
守屋 *3試合 *3.0回 防0.00 0本 9.00/1.00/3.00
藤川 *1試合 *1.0回 防0.00 0本 9.00/1.00/――

数は多い右腕中継ぎ。シーズン序盤は谷川が抑えとして起用されていましたが、途中で浜地に移り、最近は尾仲が抑えになっていました。
特に浜地の成績が良く、来年にも覚醒の可能性を感じさせます。一方で谷川尾仲は昨年より成績が悪化しており、苦しい1年となっています。今季途中に加入してきた小林もライバル。小林は数は多かれどイマイチぱっとしない右腕中継ぎに刺激を与える存在になれるでしょうか。福永は防御率こそ悪くないものの内容はあまり良くなく、一軍に呼ばれにくい原因となっているかもしれません。
齋藤の中継ぎでの成績を見ると、先発転向は大正解。一方、先発では厳しい成績だったも中継ぎではある程度通用しています。
今オフは藤川が引退しますが、それに加えてさらにこの中から整理対象になる選手が多い場合4人ほどいるかもしれません。今後の生き残り争いにも注目です。

④左腕中継ぎ

石井 17試合 17.0回 防1.06 0本 5.29/1.12/1.43
呂 10試合 16.0回 防1.69 0本 9.00/1.32/2.00
横山 *5試合 *8.2回 防3.13 1本 10.38/1.62/1.67
及川 *3試合 *7.0回 防3.86 2本 5.14/0.71/4.00
高橋 *3試合 *4.0回 防0.00 0本 13.50/0.50/6.00
岩田 *2試合 *4.0回 防4.50 0本 9.00/1.50/4.00
能見 *2試合 *2.0回 防0.00 0本 13.50/1.00/――
岩崎 *1試合 *1.0回 防0.00 0本 18.00/0.00/――
島本 *1試合 *1.0回 防18.00 0本 18.00/4.00/1.00

めちゃくちゃ人材不足。石井以外全員が現在先発か一軍か怪我人。
石井は2年連続で中継ぎ左腕としてフル回転。三振奪取能力こそ高くはありませんが、防御率は素晴らしいものとなっています。中継ぎ左腕が足りないチーム状況を鑑みれば、支配下登録に最も近い選手でしょう。は先述の通り中継ぎで好投を続けて先発に復帰しました。及川は中継ぎでは既にある程度通用しています。島本は早く帰ってきてください。
先発もそうですが、中継ぎも左腕はかなり足りていないので、ドラフトなりなんなりで補強は必須です。

まとめ

野手ほどではないですが、投手もなかなかに厳しいです。ただ、野手との違いは各所に期待できる若手が存在していることです。一方で、安定して二軍でローテを守り、一軍に空きがあればすぐに投げられるというような投手は中田、岩田の両ベテランくらいしかいません。そのため、補強としては即戦力投手の方が重要度が高いでしょうか。特に左腕が欲しいですね。中継ぎ右腕に関してはトレードやドラフト下位からでもそれなりに使える選手を集めて来れているので、無理して中位までに指名しなくて良さそうです。
投手を育てることには定評のある阪神なので、また新たな"魔改造"にも期待したいですね。

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