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阪神選手名鑑2022

今年も、阪神の全選手を背番号順に紹介していきたいと思います。主観多めにはなりますが、よければぜひ、今季の阪神を見る際に活用してください。

00 山本泰寛

宿敵・巨人から移籍してきて2年目を迎える内野手。巨人出身らしい走攻守の質の高さが持ち味。特に、難しい体勢からでもしっかりと安定した送球をできる点が強みで、守備固めとしての起用が多い。打撃も悪くはなく、粘り強さが売りだが、ポイントを後ろに置きすぎて当てるだけの打撃をしてしまうことが多いのが難点。打撃のレベルを引き上げられれば、貴重な右打ちの二遊間として、ライバルの多い競争にも勝てる力はある。

0 木浪聖也

ポジションを奪われ、再度挑戦者の立場から始まる4年目の内野手。広角に長打を放つことができる点は他のライバルにない強み。一方で確実性の低さが難点だったが、昨年終盤は逆方向を意識した打撃で成長を見せた。内野の守備もレベルは高く、打撃次第で二遊間のポジション再奪取も十分ありうる。綺麗な顔からはギャップのある泥臭いガッツあふれる気持ちを出したプレーにも注目。

2 梅野隆太郎

昨年は五輪で金メダルを獲得し、オフにはFA権を行使せずに残留を表明した虎の正捕手。本来はそれなりに打てる部類の捕手であるが、昨年終盤に大きく数字を落としてしまい、スタメン落ちする悔しい日々が続いた。今季こそはその悔しさをバネに、チームを優勝へと導きたい。昨年は打てていた時期も含めて逆方向への打撃が目立ったが、個人的には、引っ張った強い打球を打てることが本来の強みのように感じる。

3 大山悠輔

2年連続で20本塁打をクリアしている虎の4番打者。高い能力を持つが、持ち味の一つである逆方向への本塁打を本拠地甲子園だと封じられてしまうために、他球団の主軸と比べると弱く見えがち。その点では、最も甲子園に苦しめられている打者とも言える。外角の変化球にうまく合わせたり内外野をこなしたりと器用さも大きな武器。大山が4番から外れるような状態になるとチームがうまく回らなくなるので、阪神の命運を握る存在である。

4 熊谷敬宥

俊足を武器とするイケメン内野手。出場機会を増やすために外野に挑戦した結果、昨年は出場数が大きく増えた。外野の守りは不慣れなところがあったが、早く慣れるために志願して二軍の試合に参加するなど、貪欲な姿勢で一軍に食らいついた。内野手としても守りのセンスは高いが、ライバルが多くなかなか一軍で守る機会に恵まれていない。右打ちの内野手は少ないため、打撃次第では一軍で内野を守ることもできるだろう。

5 近本光司

矢野阪神における絶対的レギュラー。回転がすさまじく速い足で広大な甲子園のフィールドを駆け回り、小柄ながら丸太のような腕と左投左打特有の利き腕による強い押し込みで強く鋭い打球を飛ばす。毎年開幕直後は絶不調に陥るもその後は打ちまくる様子から、特性「スロースタート」を持つ伝説ポケモン「レジギガス」にたとえられ、近本本人もレジギガスのぬいぐるみをかわいがっている。しかし、今季こそはスロースタート脱却が目標だ。目指すはチームを勝たせるポイントゲッター。

7 糸井嘉男

チーム最年長、今年41歳を迎える大ベテラン。昨年はレギュラーから外れ、代打として一打に賭ける難しさを味わった。そんな中でも、一人で室内にこもって打ち込み、後輩から代打としての生き方を学び、誰よりも優勝への思いを語るなど、高みを目指し続ける超人。代打を務める以上、終盤に出てくる各球団の速球派リリーバーと対戦することになるので、それにアジャストする打撃を再度作り上げたい。

8 佐藤輝明

昨年はルーキーながら24本塁打をマークした怪物。後半は膝の故障や体力不足もあって絶不調に陥ったが、それでも持てる能力は示した。高めも低めも、内も外も、直球も変化球も、あらゆる球をスタンドのどこにでも打ち込める天性の長距離砲だが、その反面空振りも誰よりも多い。振り上げるスイングをする都合上、低めの方が合いやすいと思うので、なんとか高めを追いすぎる点は改善したい。佐藤くらいになると、バットを振らないことすら恐怖感を与える。守備は三塁も外野も、豪快かつ器用にこなす。

9 髙山俊

1年目に新人王を獲得するも、なかなか定着できないまま早7年目。卓越したバットコントロールを持つが、それ故に厳しい球に手を出して凡退する場面も多い。打撃フォームも定まらず、少しすればまた違った打ち方をしているということも珍しくない。外野手の争いとなるとかなり厳しいが、左の代打だけで見ると糸井あたりしかいないため、打撃勝負にさえ勝てれば、再び一軍も見えてくる。

12 坂本誠志郎

チームメイトによる投票の結果、新キャプテンへの就任が決定。高校、大学、プロとあらゆる舞台でキャプテンを務めるキャプテンシーの塊である。3か国語を操る明晰な頭脳とチームを常に盛り上げる視野の広さを生かし、キャッチャーとして勝利に導く。ライバルの梅野とは捕手としての特徴に違いがあり、この2人をいかに使い分けていくかは優勝への一つのカギとなるだろう。打撃面では、パンチ力とバントの上手さが武器。

13 岩崎優

低く沈み込むフォームから伸びるストレートが最大の武器の左腕。どんな時も表情を変えずに投げ込み、登板後のコメントも定型化されている。左打者にはストレートとスライダー、右打者にはストレートとチェンジアップで攻めるのが基本スタイルだが、カットボールなどの中間の速さの球を投げても面白いかもしれない。スアレスが抜け、若手が揃うブルペンにおいて、今季はより一層存在感が強まる。

14 チェン・ウェイン

投手陣最年長、台湾出身のベテラン左腕。中日にいた約10年前は快速球を武器としていたが、現在はコーナーに球を決め打たせるスタイルにモデルチェンジしている。昨年は肩を痛めたため、状態に不安は残るが、投げられるのであれば中継ぎとして起用するのも面白いのではないだろうか。かつての輝きを知るものとしては、もう一度一軍で活躍する姿が見たい。ちなみに、通訳なしでもやり取り可能なレベルに日本語を話せる。

15 西純矢

昨年プロ初勝利を挙げ、さらなる飛躍を目指す高卒3年目右腕。プロ入り後はフォームを試行錯誤している時間が長く、まだ持てる力を発揮できていない感が強い。体の開きの早さが課題であり、それが被打率の高さやコントロールのバラつきに繋がってしまっている。逆に、そこさえ改善できれば、急成長する可能性も十二分にある。野球ゲーム「プロスピ」は相当な腕前だ。

16 西勇輝

低めにシュート、スライダー、チェンジアップを集める丁寧な投球が持ち味の右腕。過去10年で8度の規定投球回到達を果たしており、先発ローテの一角として欠かせない投手である。昨年は肘の故障や勤続疲労などの関係か、ストレート系統の走りが悪く、阪神移籍後ではワーストの成績となってしまったが、まだまだ老け込むような歳ではない。速球の威力を取り戻すことができれば、おのずと成績は回復するだろう。

17 岩貞祐太

セットアッパーを任されるはずだった昨年は、期待に応えることができなかった。スライダーのコントロールが甘く痛打されるシーンが目立ち、打たれだすと止まらないという課題も露呈。しかし、左腕から繰り出されるストレートは150km/h近くを計測し、縦横の変化球も操るなど、持てる能力そのものは高い。良い悪いを毎年繰り返す傾向にあり、今年は良い方の周期だ。

18 馬場皐輔

時折バランスを崩すほどの力を込めたフォームで球を投げ込むリリーフ右腕。しかしストレートの被打率は高く、真の持ち味はコースに決まるカットボール、スプリット、カーブといった変化球である。変化球を低めに決めるスタイルでゴロや三振を取ることができ、それ故ランナーを置いた場面のリリーフとして起用されることが多い。ストレートは速さこそあれど毎年あまり良くないので、いっそ変化球の割合をもっと増やして勝負してもいいのかもしれない。

19 藤浪晋太郎

言わずと知れた剛速球投手。一時の絶不調は抜け、イニング数を上回る奪三振数を数えるようになったが、一方で四球数もイニング数に迫るほど与えてしまっており、そこが最大の課題となっている。追い込んだ際の決め球スプリットは被打率も0割台と圧倒的だが、どうやって追い込むかが問題。変化球でカウントが取れないために150km/hを優に超える速球も狙い打たれているのが現状であり、やはりカウントを整えられる変化球を身につけることは避けられない。

20 森木大智

土佐が生んだ新世代の剛腕ドラ1。軽々とスピンの利いた150km/hを投げ込み、変化球の精度も高い。まずは二軍で先輩の西純矢の1年目の成績を超えたい。研究熱心な性格もプロ向きとして評価が高い。高校時代にはたどり着けなかった甲子園にプロとして立つ。

21 秋山拓巳

188㎝、102㎏のプロとしても大柄な体から、プロの中でも遅いストレートを制球良くコーナーに投げ込む。大柄なため手足も長く、それを活かしてより打者の近くでリリースするため、140km/hに満たないストレートでも数々の打者が差し込まれる。奪った見逃し三振も数多の投手をさしおいて上位である。昨年、自身初となる2年連続の二桁勝利を達成し、親交の深いATSUSHIから登場曲を作成してもらうこととなった。

24 メル・ロハス・ジュニア

韓国リーグで3割40本の圧倒的な成績を残してやってきた大砲だったが、昨年は来日遅れに加え日本野球への対応にも苦しみ、満足のいく成績を残せなかった。両打ちであり、両打席で広角に本塁打を放つことができる長打力を持つ。しかし、右打席ではストレートに、そして両打席ともでスライダーの対応に苦戦した。コンパクトかつシンプルな打撃フォームであり、日本野球の攻め方にさえ対応できれば、本来の力を発揮できるだろう。

25 江越大賀

高い身体能力を持ち、それを活かし守備や走塁で活躍する外野手。一方で打席では、当たれば飛ぶものの当たる確率が極端に低く、三振の多さが喫緊の課題である。昨年終盤は二軍監督より変化球にしぶとくついていくことの重要性を説かれ、オフにはパリーグの本塁打王であるオリックスの杉本と自主トレを敢行。その結果、ヘッドの使い方を意識した新たな打撃フォームを手に入れた。まずは3年ぶりに一軍でHランプを灯したい。

26 北條史也

打撃センスが武器の内野手。しかし、安定感がなく、なかなか一軍定着に至っていない。本来は天性の内角捌きがウリの選手だと思うが、長距離打者ではないためいやらしさを求めた結果、打つポイントが近くなりすぎて持ち味が消えてしまっているような気がして個人的には気がかりだ。肩の故障を繰り返しており、守備で勝負するのは厳しいため、やはり持ち味のバットで勝負したい。右打ちの二遊間では最も打力はある。

27 伊藤将司

1年目から二桁勝利を達成した、テンポよくコーナーに球を投げ込む先発左腕。最大の持ち味は、打者の左右問わずインコースに投げ切ることができる点。それによって打者のストライクゾーンを広げさせ、優位に投球を展開する。また、ほぼ同じ球速で曲がりが対になるカットボールとツーシームを操ることができ、打者の芯を外してゴロアウトを積み重ねる。今季は、昨年わずかに届かなかった規定投球回を目指す。変人を思わせるエピソードには事欠かない。

28 鈴木勇斗

まるでメジャーリーガーのクレイトン・カーショーを思わせるような独特なフォームと速球、そしてカーブが持ち味の新人左腕。大学時代は制球に苦しむ場面があったが、アマチュア時代に同様の課題を抱えていた左腕の髙橋や及川をスカウトした吉野スカウトの一押し選手であり、期待が持てる。髪型が独特であり、早くもいじられキャラが定着か。

29 髙橋遥人

ポテンシャルの高さは球界屈指の左腕。ストレート、スライダー、ツーシーム、カットボールと主に投じる球種は全てデータ上でも球界トップレベル。しかし、毎年故障で投げられない期間が長いという重大な弱点がある。そのため、髙橋がどれだけ投げられるかはチームの順位に大きく関わる。投げる球の凄まじさとは対照的に、性格は穏やかであり、話すことが苦手である。マウンドに立っている時よりも試合後のヒーローインタビューの方がピンチであることもしばしば。

30 佐藤蓮

大卒2年目の剛腕。150km/h前後の速球と鋭く曲がるカーブ、フォークが特徴。まだまだ粗削りな面が強く、特にストレートはストライクゾーンに来る確率が低い。しかし、他の投手よりも速く鋭いカーブは強力な武器で、チームメイトも口を揃えてそのポテンシャルを評価している。ストレートを制御できるようになれば、一軍の守護神まで狙えるような素材だ。

31 ジェフリー・マルテ

バットを担ぐようにして構え、そこから振り下ろす一撃で痛烈な打球を放つ外国人打者。阪神の歴史上でも数の少ない外国人として在籍4年目を迎えるマルテは、年々日本の野球に対応しており、際どい球を見極める選球眼や巧みな変化球打ちは数多の日本人をも凌駕する。ホームランを放った後のパフォーマンス「ラパンパラ」は大人気で、球場全体を一つにする。真面目で陽気なドミニカンが、自らと同じ4年目を迎える指揮官を胴上げへと導く。

32 井上広大

2019年の夏の甲子園決勝でホームランを放ったスラッガー。広角に打球をかち上げる生まれ持っての長距離砲だが、その分三振の多さなど粗削りな部分も目立つ。元来膝に故障を抱えており、プロ入り後も何度か故障離脱するなど、まずは一年間戦い抜くことも課題の一つだ。好調時は低めの難しい変化球も下半身で粘ってすくい上げるような手の付けられない打棒を発揮する。

33 糸原健斗

安定した打撃技術が光るヒットメーカー。相手のエースや守護神など、皆が嫌がるような相手を得意とする。広角に打ち分ける技術と粘り強さ、求められた仕事を高確率で遂行する打撃は首脳陣からの信頼も厚い。セカンドの守備は得意としておらず、勝ち試合の終盤は守備固めを出されるのがお約束。ライバルは増え続けているので、昨年を上回る活躍を期待したい。ちなみに、いい場面で仕事をすると、思わずニヤケ顔になってしまうのもお約束である。

34 二保旭

昨年途中にソフトバンクからトレードで移籍してきた技巧派右腕。長身から多彩な変化球を投げ下ろす投球スタイルで先発、中継ぎ問わず投げることができ、チームにとって必要不可欠な便利屋投手である。球の力がないわけではないのだが、少し威力が落ちてくると捕まってしまう傾向にあるので、その辺りの見極めが求められる。球界のエース格へ成長したオリックスの山本に複数回投げ勝つなど、エースキラーでもある。顔がどことなく、ポケモンの「フクスロー」に似ている。

36 浜地真澄

昨年二軍で守護神を務めるまでに成長した若手右腕。球速を以前より向上させたストレートは、スピンが利いて浮き上がるかのような軌道を描く。コントロールもそれなりにまとまっており、変化球も多数操る器用さを持つが、まだ甘く行って痛打という場面も目立つ。ゴリ押しが利くほどの力強さはないので、変化球含めたコントロールをさらに磨いて勝負したい。

37 及川雅貴

真似するのも難しそうな特徴的なフォームで快速球を投げ込む若手左腕。高卒2年目だった昨年は救世主的な形で一軍に定着し、一時は勝ちパターンにまで登りつめた。左腕から繰り出される150km/hのストレートと鋭く落ちるツーシーム、不意をつくようなスライダーが勝負球。一軍に名を刻んだものの、制球にはまだまだ課題があり、それを克服しながら今度は先発としての一軍定着を目指す。

38 小幡竜平

高い身体能力が武器の若手内野手。素早い足捌きと長身を活かして、抜けそうな際どい打球も掴み取る守備が最大の武器。深い守備位置からでも送球できる肩の強さは数多のライバルにも優る。細身故に打撃に弱点があるが、入団以降二軍では年々成長を見せており、強く振るという意識も持ち合わせているため、あとは実践するのみ。余談だが、なぜか一時期、龍谷大学の食堂メニュー「若鶏の醤油揚げ」に彼の名がつけられていた。

39 榮枝裕貴

強肩を活かした守りと研究熱心な性格、そしてパンチのある打撃で次世代の正捕手候補筆頭と目される若手捕手。1年目だった昨年は、夏場に故障から復帰すると、最大18連勝をマークした二軍の正捕手となり、大逆転優勝へと導いた。昨年は二度の肋骨骨折があり、負担の大きい捕手というポジションを守りきるために体力強化も必須だ。

40 尾仲祐哉

DeNAから人的補償として移籍してきて早5年目のリリーフ右腕。カットボール、スライダーといった曲がり球の扱いに長け、それらを活かした奪三振能力で二軍では火消し役を任された。その一方で、ストレートの速さや質に弱点があり、1点を争う一軍のリリーフとしては一発長打の怖さが消せない点から、これまでは主戦場を二軍としてしまっている。相手のインサイドへの制球力を高めるなど、得意のスライダーを活かす形を見つけたい。

41 村上頌樹

ルーキーイヤーの昨年、いきなり二軍で三冠に輝いた希望溢れる右腕。驚くようなスピードボールこそないが、糸を引くようなストレートと多彩な球種でコーナーを突く投球は、中日の右腕エース柳裕也を彷彿とさせる。相手を圧倒するような球は持っていないので、一軍に定着するためには、相手が嫌がるような武器を何か一つでも身につけたい。

42 カイル・ケラー

平均でも150km/hを超えてくる速球が武器の新外国人投手。そのストレートの威力と鋭いカーブを駆使して三振を数多く奪う投球スタイルで、新守護神として期待されている。基本的なコントロールは悪くないが、ストレートとカーブしか持ち合わせていないため、粘り負けすることが多いという課題がある。阪神のリリーフ候補として獲得されたこれまでの新外国人投手と比較すると推定年俸が高く、それほど期待が高い裏付けでもある。

43 守屋功輝

やや腕を下げて球を投じるリリーフ右腕。2019年には一軍の中継ぎを支える投球を見せたが、近年は故障に苦しむ。かつてと比較すると平均球速が約5km/hほど低下しており、その点が復活を阻んでいる。相手のインサイドを果敢に突く投球とフォークの精度には定評があり、復活が待ち望まれている。

44 ラウル・アルカンタラ

韓国リーグで20勝を挙げ、日本にやってきた外国人投手。昨年は先発、中継ぎとしてまずまずの投球を見せた。軽々と150km/h超えの球を投げ、コントロールも非常にまとまっているが、それ故にストライクを集めすぎて打たれてしまう傾向にあった。3つまで使えるボールのカウントをより上手く利用できれば、もっと活躍できるポテンシャルはあるだろう。プロ野球選手としては珍しいFILA製のグラブを使用する。

45 遠藤成

鋼のような肉体でがむしゃらにプレーする若手内野手。まだ自身の体を上手く扱えておらず、打つポイントや守りの動きが不安定である。二軍でも現状冴えた数字は残せていないが、心と体の強さは本物であり、技術を掴めれば大きく飛躍する可能性を秘めている。まずはバットで存在をアピールし、ポジション争いに割り込みたい。

47 桐敷拓馬

ドラフト3位で加入した新人左腕。ドラフトでの指名直後の登板で完全試合を記録するなど、ただならぬ雰囲気を感じさせる。コントロールに優れており、強靭な下半身から小気味よく球を投じる。かつてピッチャーゴロの打球がグラブに挟まってしまって送球が間に合わずに痛い失点をしてしまったという経験があり、そこからグラブに拘るようになった。

48 齋藤友貴哉

粘りのあるフォームから速球を投じるリリーフ右腕。ストレートも変化球もとにかく速く、打者が恐怖を覚えるようなピッチングをする。制球力に課題があり、時々相手ではなく自分との戦いをしてしまうのが一軍定着に至らぬ要因。それでも年々少しずつ制球力はついてきており、あと一皮まで来ている。年齢的に若くはないため、そろそろ脱皮したいところ。

49 ジョー・ガンケル

いかにも優しそうな顔から腕を伸ばしコーナーに球を決める外国人右腕。元々は全くMLBにも上がれずマイナー暮らしで、オフには教師をやるなどして生計を立てていた選手だったが、コントロールの良さが阪神のスカウトの目に留まり来日した。テンポが良く打たせて取る投球が持ち味だが、スタミナには課題があり、100球未満で降板することがほとんどである。それ故に翌日が休みでリリーフを使いやすい日曜日の登板が多い。

50 青柳晃洋

誰にも似ていない個性的なフォームを持つ先発投手。元々は球の強さ以外のほぼ全てが課題であったが、制球力、スタミナ、変化球、守備、打撃とあらゆるものを努力で克服し、先発の柱の1人にまで登りつめた。昨年は登板したその日その場所に半分近い確率で雨を降らし、記録にある中では既に球団歴代最多の雨天中止を呼び込んだという、伝説の雨男でもある。また、球界屈指のマンガ好きでもあるなど、フォーム以外も個性的。

51 中野拓夢

ドラフト6位という指名順から、1年で数多のライバルを蹴散らし、盗塁王まで登りつめた若手内野手。波が少なく安定した打撃とその俊足、そして足を活かしたスピード感溢れるショートの守備は、西武の源田壮亮を思わせる。インサイドの球を苦にしておらず、体の回転で対応する打撃ができ、パンチ力も伸ばせそうな雰囲気がある。山形出身だが、幼い頃から阪神ファンであった。

52 アーロン・ウィルカーソン

コントロールの良さが目立つ新外国人投手。綺麗なストレートとカーブ、スライダー、チェンジアップといったオーソドックスな球種を持ち、これらをコーナーに決めていく投球スタイル。球のスピードはあまりなく、基本的には困った時に起用して確実に仕事を果たしてほしいという使い方になるだろう。実は打撃もけっこういいらしい。

53 島田海吏

昨年二軍で急成長を見せ、後半は一軍でも居場所を掴みかけた外野手。体は小柄でバットも極端に短く持つが、スイングはコンパクトかつ力強く、放たれる打球も鋭い。また、足の速さにも定評があり、ベンチスタートでも代打、代走、守備固めなどあらゆる起用に応えられる便利さを持つ。打撃力をさらに向上させ、一軍での居場所を確固たるものとしたい。

54 加治屋蓮

かつて一軍でもセットアッパーを務めた経験を買われ昨年阪神に加入したが、一軍では期待に応えられなかった。ストレートは勝負球として使用するには怖いが、カットボール、カーブ、スプリットといった変化球のレベルは高い。ストレートを見せ球に変化球で勝負する形を作ることができれば、再び一軍で輝けるだろう。

55 陽川尚将

逆方向にも長打を放つことができる長打力が魅力の中堅選手。本来は内野手であったが、出場機会を増やすために外野も守るようになり、器用にこなしている。その他にもバントや走塁なども器用にこなすため、あだ名こそ「ゴリラ」だがあまりゴリラっぽくはない。なんならバナナもそこまで好きではない。

56 小林慶祐

長身から角度をつけて投げ下ろす投球スタイルが持ち味のリリーバー。その投げ方も相まって、フォークのキレは安定して良い。したがって活躍のカギは、そのフォークを活かすためのストレートにある。昨年序盤はストレートの力強さがあり成績を残したが、故障してからは少し威力が落ちてしまっていた。今年は再びストレートの力強さを取り戻せるか。

57 長坂拳弥

守備力に定評のあるキャッチャー。主に二軍暮らしだが、いざという時には一軍に昇格する。毎年二軍での打撃成績はあまり良くなく、そこまで打撃の得意な選手というわけではないのだが、なぜか毎年最初だけめちゃくちゃ打つ。一軍で2年連続シーズン初打席初本塁打という地味な偉業も成し遂げた。ある意味、逆近本である。

58 前川右京

奈良の名門・智辯学園からドラフト4位で加入した左打ちのスラッガー。強い体幹が生み出す構えただけで迫力のある打撃フォームと速いスイングで、相手に恐怖を与える。高校の先輩にあたる巨人の4番・岡本に負けないような選手になりたい。

59 藤田健斗

フットワークを活かした守備に定評のある若手捕手。しかし、ここまではプロの壁にぶち当たり、二軍でも攻守とも納得できる結果を出すことができていない。まずは守備力を高め、二軍で信頼して試合に出してもらえるような捕手を目指したい。打撃面では柔らかくシャープなスイングが特徴。

61 豊田寛

逆方向にも大きな打球を放つことのできる右打ち外野手。足も速く、守備面でも期待ができる。一軍レベルの速球にしっかりとついていくことができれば、数字は自ずと付いてくるだろう。ライバルは佐藤輝や小野寺、島田らとなり、とにかくバットでの勝負となる。チームは打てる外野手を必要としており、即戦力として期待だ。

62 植田海

チーム一の俊足を持つ代走の切り札。あとアウト1つで試合が終わるような痺れる場面でも躊躇なくスタートを切って盗塁を決める度胸と技術を持ち、ベンチからの信頼は非常に厚い。内野手としての動きも良く、捕ってから送球するまでのスピードは誰よりも速い。球界全体でもこのレベルの控え選手はなかなか見当たらないレベルで、接戦における存在感は相当大きい。

63 板山祐太郎

内外野をこなすユーティリティプレイヤー。二軍では内野、一軍では外野を守ることが多い。球際に強く、気迫で打球をもぎ取る。打撃面に関しては、パンチ力があるもののやや粗い傾向が抜けきらず、それが災いして植田や熊谷ら足を使えるタイプのユーティリティプレイヤーに一軍枠を奪われがちである。矢野監督からの期待は大きく、矢野政権ラストイヤーに覚悟を持って臨みたい。

64 岡留英貴

腕を下げた変則のフォームから繰り出すストレートが武器の新人右腕。主にリリーフとして期待されており、独特な投げ方でライバルとの差別化を図る。変化球はスライダーなどを武器としているが、右打者を確実に抑えるため、対になるインサイドへのツーシームなどを磨きたい。相手に嫌がられる投手を目指す。

65 湯浅京己

テンポよくストレートを投げ込む若手右腕。長らく腰の故障等に苦しんできたが、昨年ようやく復帰し、ポテンシャルの片鱗を見せた。叩きつけるような投球フォームであり、フォーク等の落ちる系統の球に磨きをかけたい。ストレートは抜群の威力を誇るため、変化球次第では一軍の勝ちパターンに食い込める素材だ。

66 小川一平

勝ちパターンの座を狙う若手リリーバー。昨年は先発に挑戦して変化球や制球力を高め、中継ぎに戻ってその成果を発揮した。威力十分のストレートにカウントを取る変化球、勝負球となる落ちる球を揃えており、投球のレベルに関しては勝ちパターンに最も近い若手だと言える。あだ名はもちろん「一平ちゃん」一択。

67 髙寺望夢

打撃が魅力の若手内野手。シンプルな構えから素早くバットを出し、的確に球を捉える。昨秋の教育リーグでは打率5割超えをマークするなど、打撃の素質は本物だ。守備走塁はまだまだ足りない部分もあるが、一軍定着に至るまでは予想を超える早さになるかもしれない。自分が見る限り、いつ見ても硬そうな表情をしている気がする。

68 中川勇斗

甲子園にも出場していた高卒新人捕手。高校生では見たことがないレベルに高度なフレーミング技術を持っており、ここからいかにしてプロレベルのブロッキング技術と組み合わせていくかに注目。まずは二軍の公式戦に出られるよう、練習を重ねていきたい。ちなみに、ドラフト同期の鈴木も名前は「勇斗」だが、そちらは「ユウト」でこちらは「ハヤト」である。

69 石井大智

度胸満点に投げ込む若手右腕。昨年はプロの壁にぶち当たり、一軍に生き残ることができなかった。しかし、威力ある真っ直ぐとシンカー、カットボールやカーブなどを操り、二軍では結果を残した。また、その内容も良く、今季のリリーフにおけるブレイク候補筆頭である。プロ野球選手では唯一の高専に5年間通った経歴を持つ選手でもある。

94 原口文仁

コンパクトに振りぬく打撃で幾度となく期待に応えてきた好打者。守備面の不安などから代打としての起用が多く、これまで代打として放ってきたヒットの数は現役ではトップクラス。今季は出場機会を増やすため、これまで拘ってきたキャッチャーから内外野に転向する。難しいとされる代打稼業でヒットを重ねる実力があるのだから、最低限守れることを示してスタメンを勝ち取ることができれば、数字はついてくるはずだ。近年は正月恒例の番組企画「リアル野球BAN」のレギュラーメンバーとなっている。

95 片山雄哉

チーム唯一に左打ち捕手。打力に定評があるのだが、毎年好調の期間が短く、年間の成績では低く収まってしまう。ライバルが増加しており、二軍でもなかなか安定した出場機会を得ることができていないが、少ないチャンスでなんとかアピールして今季こそは一軍デビューを果たしたい。

97 小野寺暖

打力が武器の若手外野手。昨年は二軍でしっかりと結果を残して支配下契約を勝ち取り、何度も一軍に呼ばれたが、その度に壁にはじき返されてしまった。しかし、球を呼び込んで広角に打ち分ける技術を持っており、打率と長打力を両立させる才能を感じさせる打撃をしているため、課題を克服できれば貴重な一軍戦力になれそうだ。ライバルは多いが、昨年優勝争いの中試合に起用されたその経験を活かしたい。

98 小野泰己

力感のないフォームから悠々と150km/hを超えるスピードボールを投げ込む右腕。その才能に監督も期待しているが、コントロールへの不安が解消されず、不安定な投球が続いてしまっている。昨年よりもずっと重くなったその背番号は、後がない証だ。今年こそはポジションをつかみ取りたい。

120 島本浩也

小柄な体から投じられるスピードボールで打者を差し込むサウスポー。2019年には一軍で63試合に登板したが、2020年の秋にトミージョン手術を受け、リハビリの日々が続く。ストレート、フォーク、スライダーといった球のクオリティーが高く、復活を待ち望むファンは多い。今季中の一軍登板を目指す。

121 才木浩人

地元兵庫出身の若手右腕。長身から投げ下ろす角度のあるストレートとフォークのコンビネーションで打者を翻弄する。トミージョン手術を受けた影響で長らく一軍登板から遠ざかっているが、復活の時は近い。

122 岩田将貴

横手から投じる変則左腕。アマ時代の故障の影響で昨年は出遅れたが、二軍で対左打者を中心にしっかりと結果を残した。左打者が思わず腰を引いてしまうような投球をすることができ、特に左のワンポイントリリーフとしての期待が高い。

124 望月惇志

速球が持ち味の右腕。昨年はフォームを崩してしまい、一年を通して不安定な投球をしてしまった。今季は原点のストレートを活かした投球を磨き、支配下復帰と一軍登板を目指す。かつては一軍で数多く登板した経験もあり、実力に疑いはない。

125 伊藤稜

テイクバックの小さなフォームから速球を投げ込む新人左腕。スライダーも特徴的であり、その評価は高い。まずは支配下契約を勝ち取り、そして一軍に欠かせない投手を目指す。

126 牧丈一郎

支配下契約を目指す若手右腕。以前は課題が多く持ち味が見えてこない投球をしてしまっていたが、昨年途中に制球力を向上させたことでストライクゾーンで勝負できるようになり、小さく動くボールで打たせる投球を展開できるようになった。今季はさらに安定感を求めていきたい。

127 川原陸

キレのあるボールが武器の若手左腕。入団以降故障続きとなっており、二軍でも満足に投げられない時期が続いてしまっている。まずは故障をしっかりと治して登板し、首脳陣にアピールしたい。

128 渡邉雄大

今季ソフトバンクより加入した変則左腕。大きく鋭く曲がるスライダーが最大の武器で、二軍レベルの打者は全く寄せ付けない。一軍での実績は乏しいが、そのすさまじい二軍成績から期待は高い。独立リーグにいた期間が長く、育成6位でプロの門を叩いた苦労人である。年齢的に若くはないので、とにかくアピールして居場所を確保したい。









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