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阪神ドラフト指名振り返り2021

今年もドラフト会議お疲れ様でした。早速ですが、今回のドラフト指名を振り返りたいと思います。僕は各選手がどのような意図で指名され、どのような役割を期待されているかという視点から書きたいと思っています。指名された選手の詳しい情報については、他の方を参考にしてもらえれば幸いです。

1位 森木大智(モリキ・ダイチ)

経歴:高知高
年齢:18歳
投打:右投右打

高校BIG3の一角。阪神は2年前の西純、及川以来高卒投手を指名しておらず、満を持しての高卒1位入札となった。阪神の先発には打たせて取る技巧派タイプが多く、力強い速球で打者を押し込むエース投手の台頭が待たれる。また、昨年ファームでイニングを多く投げていた投手が退団し、1年目から二軍である程度投げることが期待できる1位レベルで高卒投手を指名したとも考えられる。

2位 鈴木勇斗(スズキ・ユウト)

経歴:鹿屋中央高→創価大
年齢:21歳
投打:左投左打

最速152km/hの速球派先発左腕。今季の阪神は髙橋やチェンが長らく故障離脱しており、先発左腕はルーキーの伊藤に頼りきりになっていた。そのような事情もあって先発左腕は最優先課題であり、2位で左腕を指名。技巧派の伊藤とはまた違った速球派の鈴木をチョイスした。

3位 桐敷拓馬(キリシキ・タクマ)

経歴:本庄東高→新潟医療福祉大
年齢:22歳
投打:左投左打

最速150km/h左腕。2年時には1試合18奪三振を記録した。今季は先発だけでなくリリーフも左腕が不足。特に岩貞の不振は大きく影響した。そのため、安定した投球で先発だけでなくリリーフも可能と評価されている即戦力投手を指名したと考えられる。2位3位と連続で大卒左腕は攻めた選択だが、それほど左腕がチームの課題であることを示している。

4位 前川右京(マエガワ・ウキョウ)

経歴:智辯学園高
年齢:18歳
投打:左投左打

甲子園でも活躍したスラッガー。左投左打で、浜風に負けない押し込む打撃に期待がかかる。阪神には左のスラッガーとして佐藤がいるが、年齢は5つ離れており、佐藤は内野もできるため競合はしにくいと考えられる。2つ上の右の大砲井上と争う選手となるだろう。

5位 岡留英貴(オカドメ・ヒデタカ)

経歴:沖縄尚学高→亜細亜大
年齢:21歳
投打:右投右打

右の速球派サイドスロー。今季の阪神はリリーフが課題で、特に8回9回より前を投げるリリーフで苦心した。右のリリーフでもサイドスローは守屋くらいで、その守屋も故障明けで今季はあまり稼働できなかったこともあり、タイプの被るライバルは少ない。数いる右の速球派リリーフにハッパをかけつつ即戦力で差別化も図れる投手の指名となった。

6位 豊田寛(トヨダ・ヒロシ)

経歴:東海大相模高→国際武道大→日立製作所
年齢:24歳
投打:右投右打

甲子園でアーチをかけたこともある右のパワーヒッター。今季はシーズン終盤にサンズと佐藤が失速したことで両翼の攻撃力が課題に。また、それをカバーするべき人材も不足し、ファームの外野手は髙山と江越がレギュラー化していた。そういった攻撃力不足、中堅の不甲斐なさにハッパをかけ、また人材不足を解消するために即戦力の外野手を指名したと考えられる。二軍のレギュラーを奪いつつ、一軍のサブとなれるかどうか。

7位 中川勇斗(ナカガワ・ハヤト)

経歴:京都国際高
年齢:17歳
投打:右投右打

フレーミングと肩に定評のある高卒捕手。今オフは梅野のFAによる去就問題があり、万が一移籍となっても捕手不足に陥らないよう、予め捕手の枚数を補充。ファームの捕手は榮枝が予想以上の実力を発揮し、長坂がサブとして控えているため、まずはじっくり育成していくと考えられる。

育成1位 伊藤稜(イトウ・リョウ)

経歴:中京大中京高→中京大
年齢:21歳
投打:左投左打

特徴的なフォームをした最速150km/h左腕。荒削りな面があり、まずは時間をかけて育成すると考えられる。今ドラフトでは徹底的に左腕を指名し、昨年育成指名した岩田将と合わせた4人で来季の左腕事情の立て直しを図る。

まとめ

今年もチームの弱点を徹底的に補充するドラフトとなった。近年の阪神はこの傾向が強く、特に2018年ドラフトで2人センターを外した後に近本を指名したことなどが例として挙げられる。また、同じく近年の傾向として、甲子園で活躍した選手を指名することも挙げられる。本拠地を甲子園に置くチームとあって、甲子園で活躍した逸材はぜひとも迎え入れたいという姿勢が窺える。
全体として、今季ファームで多くイニングを投げていた投手が複数退団したこともあって、来年即稼働できる投手の補強が目立った。また、中谷トレード放出もあって数の減っていた外野手も2人獲得。一方、毎年多く指名してきたことで人数が渋滞している内野手は今季は指名しなかった。ここは来季また指名が予想されるポイントとなるだろう。
新たにタテジマに袖を通す8名の選手を歓迎し、彼らの大成を願いたい。

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