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満塁で打者ガンケルの意図

8/12(水)のvs横浜DeNA戦の7回表、2点リードの2アウト満塁で矢野監督はガンケルをそのまま打席に送った。この采配の意図を考える。

1.今季のリリーフの脆弱性

最大の理由はこれであろう。ちなみにあの時点で残りにいた投手は
・馬場皐輔 15試合 1勝0敗5H 防御率2.03
・スアレス 17試合 0勝0敗4H6S 防御率1.62
・藤川球児 11試合 1勝3敗1H2S 防御率7.20
・望月惇志 9試合 0勝0敗 防御率1.46
・小川一平 14試合 0勝0敗 防御率7.62
・尾仲祐哉 1試合 0勝0敗 防御率0.00

以上の6人とガンケルである。この7人でリードを守るとき、一番可能性が高いと考えたのが7回にガンケルを続投、9回にスアレスを投げさせ、間の8回を残りの5人から誰かに任せる作戦である。この5人を見ていくと、馬場は連投中、望月はプロ入り後ホールド記録なし、藤川はココ最近失点続き、小川は敗戦処理、尾仲は先日上がってきたばかりの投手である。もしガンケルをイニング跨ぎさせなかった場合、この5人のうち2人以上を使うかもしくは誰か1人がイニング跨ぎをすることになる。代打を出した上で彼ら5人に任せるか、代打を出さない代わりにガンケルにもう1イニング任せるかで比較した結果、後者を選択したということだ。(結果的に8回はチーム今季初となる3連投を解禁し馬場を投入、0に抑えた。)

2.残りの代打陣

この時点で残っていた控え野手は
・坂本誠志郎(右) 打率.000
・原口文仁(右) 打率.150
・北條史也(右) 打率.154
・熊谷敬宥(右) 打率.333
・髙山俊(左) 打率.095
・糸井嘉男(左) 打率.233
・福留孝介(左) 打率.195
・江越大賀(右) 打率.000

そして相手投手は剛腕左腕のエスコバーである。ガンケルを打席に迎えた時点で既に2点リードしており、この代打陣を出してさらにリードを広げられる確率と上述のリリーフ陣の事情を考えた時、ガンケルをそのまま行かせて2点リードのまま7回を守る選択肢は当然考えられるだろう。

3.打線の巡り

7回の裏、DeNA打線は3番の宮崎から始まり佐野、中井、倉本と続く巡りであった。いずれも打率3割を超えるような打者であり、DeNA打線の中では強力な並びである。この並びを任せられるリリーフということを考えても、やはりガンケルが一番抑えられる可能性が高いだろう。
また、ガンケルで終わっているため、次の回の阪神の攻撃は当たっている近本からの巡りである。つまり、次の回以降でも追加点のチャンスはまだあると考えることもできたわけである。

結論

ガンケル代打なし続投の選択は「代打起用でリードを2点以上に広げられる確率&ガンケル以外の中継ぎで7回を凌げる確率」<「代打を使わない代わりに2点リードをガンケルが守ってくれる確率」と判断したものと考えられる。

余談

ガンケルは昨年、マイナーリーグで10打数5安打の打率5割を記録している。

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