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エゴを抑える技術

時代は変わり、今は自分で自分についての記事を書き、それを様々な媒体(blog, facebook, note等)に載せることができ、有料販売すら出来る時代になった。

ジャーナリズムとは、従来は客観的な場であり訓練を受けたプロの記者のみが記事を書くのが通例であったが、今は素人である私達であってもここ日本では自由に思う事を書き記すことができる。

TwitterやInstagram, facebookを覗けば、"エゴ"の主張だらけである。

他人に認められたい、すごいと言われたい、この承認欲求を人は止める事が出来ない。そんな時代だからこそ、自分の"エゴ"と上手に付き合いたい。自分の"エゴ"のために振り回される事なく、有意義な人生を送りたい。そんな人のための一冊が本書だ。

著者ライアン・ホリデイは、19歳で大学中退後、マーケティングディレクター、作家、有名ミュージシャンのアドバイザーとして活躍している人物。数多くの失敗と成功体験を積んでおり、豊富な歴史上の事例を交えた本書の言葉は、どれもとても説得力がある。

"Ego is enemy." (エゴは敵だ)
"The obstacle is the way."(障害こそが道である)

そんな言葉を体に刻んでいる人物である。

人は、成功を手に入れエゴが成長するようになると、それは自信や才能と呼べる程度を超え、"行き過ぎた優越感や思い上がりとなる。自尊心が傲慢さにかわり、自己主張が頑固さに変わり、自信が無謀さに変わる" 成功と上手に付き合うのも一苦労なのだ。

"エゴを取り除けば、残るのは現実しかない。エゴの代わりとなるものは、もちろん謙虚さである。それも、岩のように強固な謙虚さとそれから自信である。エゴと言うものは不安定で脆いが、この種の自信はちょっとやそっとのことでは揺るがない。自信は努力によって勝ち取るもので、エゴは知らぬ間に忍び寄ってくる自画自賛の強がりだ。前者は君を守り、後者は君を惑わせる。良薬と毒薬の違いだ。"

著者は沈黙の重要性についても語る。

「くだらない無駄話は、実のある話を先取りしてしまう。頭の中にある考えを軽率に口にすると、行動に移す力が弱まってしまう。」(哲学者キルケゴール)

"エゴに取り憑かれた者は名誉を得ないと気持ちが満たされない。一方自信に満ちた人というのは外部の賞賛など求めず、黙々と目の前の仕事に集中することができる。"

成功と失敗とうまく付き合いたいと思う。

"どれだけ成功を収めても強欲になっていい権利もなければ、他の人を犠牲にして自分の利益を追求する権利もない。"

"正気を保つ事、欲や妄想に取り憑かれない事、常に謙虚である事、目的意識を忘れない事、自分の周りの大きな世界と繋がる事だ。"

"自分ではなく目的に意識を向ける。"

"己の内なる基準に忠実に従う。ゲーテが看破したように、「重大な失敗とは、己を実際よりも偉いと思う事、己を真の価値より低くく見積る事」である"

"エゴを抱えた私達はどう生きればいいのか?しっかりと"仕事"をこなせば十分だ。結果には必要以上に拘らなくてもいい。己の基準を満たせば、誇りと自信で満たされる。"

"夢を叶えるためには、大きく考えつつも小さく行動し、小さく生きる必要がある。行動と学習を重視し、賞賛と地位には背を向けるため、華やかな道のりとはならない。むしろ地道に一歩ずつ前進し、時間をかけて学びながら成長していくのである"

実に重い言葉たちである。

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