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スタートアップ

 自分は船舶業界や鉄道業界で働いている。欧州製の機器を日本に輸入し、日本の造船会社や鉄道車両メーカーに販売するのが主な仕事だ。欧州メーカーの日本販売代理店として活動するケースが多い。スタートアップという言葉とは少し違うのかもしれないが、業界の大きな規制改革の波があり、その大きな波に乗りかけているデンマークのメーカーの日本市場における販売代理店権を持っている。私が2年前に探してきて商権を獲ってきた会社なので、とても思い入れを持って仕事をしている。

 2010年に設立されて、多額の資金を投じたそのメーカーは大きく花開く時を迎えようとしている。昨年までは単年度のキャッシュフローは赤字であったが、今年度の売上は10億円以上、来年度は20億円以上を見込んでいる。当初5名足らずだった従業員数は、今では20名を超えるまでになった。

 約3か月に1回の割合でデンマークの本社兼工場を訪問しているが、50歳前後の社長(デンマーク人)に会う度に刺激をもらう事が多い。今は、年の半分以上をヨーロッパ、アメリカ、中国、シンガポール、日本と飛び回っている。昼夜問わず土日もメールで仕事をこなし、レスは早くて的確、人としてもユーモアがあり、尊敬出来る人柄だ。

 組織を急激に大きくしていくのには、様々な苦労が伴っているようだ。組織のカルチャーに合わない従業員の退職や、急激に拡張しているがゆえに車内のルールや仕事の進め方は属人的な部分もあり、何人かのMBA取得者のマリンエンジニアが去っていったと聞いている。10億円の増資も行い、メーカーとして次のステージに向かおうとしている。日本市場を担当する者としてこの機会に巡り合えている幸運に感謝するとともに、必ずしや成功させたいと思っている。

 事業の採算を取って組織を回していく、なかば起業のようなものだと自分は位置づけている。どのタイミングでどう自分の人生の舵を切ろうか。いろいろなことを毎日思う。出来る事をひとつずつ試していこうと思う。


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