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明治の唱歌を合唱ソフトに唄って貰う32

明治十四年(1881)小学唱歌集 初編
第三十二 五常の歌

国立国会図書館アーカイヴより

五常の歌
一,
 野辺(のべ)のくさきも。雨露(あめつゆ)の。
 めぐみにそだつ。さまみれば。
 仁(じん)てふものは。よのなかの。
 ひとのこゝろの。命(いのち)なり。
二,
 飛騨(ひだ)の工(たくみ)が。うつ墨(すみ)に。
 曲(まがり)もなほる。さまみれば。
 義(ぎ)といふものは。世(よ)の中(なか)の。
 人(ひと)のこゝろの。條理(すぢめ)なり。
三,
 威様(よそほひ)ほかに。あらはれて。
 謹慎(つゝしみ)みてる。さまみれば。
 禮(れい)てふものは。世(よ)の中(なか)の。
 ひとのこゝろの。掟(おきて)なり。
四,
 神(かみ)の隠(かく)せる。秘事(ひめごと)も。
 さとり得(え)らるゝ。さまみれば。
 智(ち)といふものは。世(よ)の中(なか)の。
 人(ひと)のこゝろの。宝(たから)なり。
五,
 月日(つきひ)と共(とも)に。あめつちの。
 循環(めぐり)たがはぬ。さまみれば。
 信(しん)てふものは。世(よ)の中(なか)の。
 人(ひと)のこゝろの。守(まも)りなり。

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