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明治の唱歌を合唱ソフトに唄って貰う539

六 広島大学教科書ライブラリー 發兌 大日本圖書株式會社
(M.26.9.14印刷M26.9.17発行)
巻之六下
6-b18


*歌詞と譜面で齟齬あり、[]内が譜面
軍艦
作曲 山田源一郎
作歌 鳥山啓


守(まも)るも攻(せ)むるもくろがねの 浮(うか)べる城(しろ)ぞたのみ
なる うかべる此城日(このしろひ)の本(もと)の 皇國乃四方(みくにのよも)を守(まも)るべし
真金(まがね)のその船日(ふねひ)の本(もと)に[の]
仇(あだ)なすくにを攻(せ)めよかし

石炭(いはき)のけぶりはわたつみの 龍(たつ)かとばかり靡(なび)く
なり 弾丸(たま)うつ響(ひびき)はいかづちの 聲(こゑ)かとばかりとよむなり
萬里(ばんり)の波濤(はとう)をのりこえて
みくにの光(ひか)りかゞやかせ

軍艦
此曲は、「ト」調三拍子にして、専ら活潑を旨としたるものなれば、練習上、其注意あるべし。
又、比類の曲に在りては、其拍子、短縮し易きものなれば、毎に此點に注意を要す。

此歌、第一、第二とも、本邦の如き海國には、軍艦の必要なるを叙せり。・「くろがねの
うかべる城」とは、軍艦は、甲鐵にて、海上に浮べる城の如く見ゆるゆえ、其形容を、やが
て軍艦のことに用ひたり。・「まがねのふね」も、甲鐵艦をさしていへり。・「岩木の
けぶり」は、石炭の烟なり。古くより近江・尾張の邊にては、石炭を、「いはき」といへるよし,
和訓栞にみえたり。

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