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明治の唱歌を合唱ソフトに唄って貰う36

明治十六年(1883)小学唱歌集 第二編
第三十六 年たつけさ


国立国会図書館アーカイヴより

 年たつけさ
一,
 としたつけさの。そのにぎはひは。
 みやこもひなも。へだてなく。
 毱歌(まりうた)うたひつ。羽子(はご)つきかはしつ。
 こゝろ ごゝろに。うちつれだちて。
 かしこもこゝも。あそびゆくなり。
 都(みやこ)も鄙(ひな)も。あそぶなり。
二,
 のどけき春(はる)に。はやなりぬれば。
 わかきもおいも。わかちなく。
 さく花(はな)かざしつ。なく鳥(とり)きゝつゝ。
 こゝろ ごゝろに。うちつれだちて。
 やまべに野辺(のべ)に。あそびゆくなり。
 山辺(やまべ)に野辺(のべ)に。あそぶなり。
三,
 ことしもいつか。なかばは過(す)ぎて。
 秋風(あきかぜ)さむく。身(み)にぞしむ。
 すゞむし松蟲(まつむし)はたおる蟲(むし)さへ。
 ながき夜(よ)すがら。なくねをきけば。
 われらもおいの。いたらぬさきに。
 学(まなび)の道(みち)に。いそしまむ。
四,
 千代(ちよ)ながづきの。月(つき)たちぬれば。
 まがきのうちと。へだてなく。
 しら菊(ぎく)はなさき。紅葉(もみぢば)かゞやく。
 菊(きく)ともみぢを。かざしにさして。
 君(きみ)が代(よ)いはへ。八千代(やちよ)もちよも。
 わが君(きみ)いはへ。よろづ世(よ)も。

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