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明治の唱歌を合唱ソフトに唄って貰う533

六 広島大学教科書ライブラリー 發兌 大日本圖書株式會社
(M.26.9.14印刷M26.9.17発行)
巻之六上
6-a10
海山
作曲 メンデルソーン氏
作歌 谷勤


島山遠(しまやまとほ)くにはよく晴(は)れて
限(かぎ)りもなみの千尋(ちひろ)の海(うみ)や

白雲(しらくも)かゝるさかしき山(やま)を
仰(あふ)げば高(たか)し松原(まつばら)ごしに

海山
此曲は、變「ロ」調、即ち第五巻上篇「琵琶湖」と同調にして、別に難き所もなけれ〓(とも)、「メンデル
ゾーン」氏の作曲にして、自ら壯巖の體を備へたるものなれば、發相上には、特に注意し、
廣大無邊の情緒を發起せしめんヿを要す。

第一歌は、大海の、廣く、深くして涯なきをよめるなり。・「にはよくはれて」は、海上の
おだやかに晴れわたりたるをいへり。「には」は、海上のことなり。・「かぎりもなみ」は、
海上の限[なき]」といふに、[波]をよみかけて、詞を調へたるなり。・「ちひろ」は、千尋とか
きて、海の深さにいへり。

第二歌は、高山、雲を帶びて、其狀の崢嶸たるを、海岸の松原越に眺めて賞(ほ)めたる歌な
り。・「さかしき山」は、嶮しき山なり。

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