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明治の唱歌を合唱ソフトに唄って貰う502

四 近代教科書アーカイブ 發兌 大日本圖書株式會社
(M26.8.15印刷M26.8.18発行)
巻之四上
4-a04


學の力
作曲 ホルデン氏
作歌者 未詳


學(まな)びてはかれよ
御國(みくに)の冨(とみ)
まなびて磨(みが)けよ
其身(そのみ)の業(わざ)
我皇御國(わがすめみくに)の
民(たみ)たるもの

貴(たふと)きしるしや學(まなび)の道(みち)
みくにの幸(さいはひ)その身(み)の福(ふく)
みな斯道(このみち)にぞ
基(もとづ)くなる

學の力
此曲は、「ト」調の轉調の例を示すものなれば、先づ調號によりて、其「ト」調たるを確認せし
め次に、之に、一個の嬰を増し、「ハ」を、嬰「ハ」とすれば、「ニ」調となることを豫知せしめ置き
て、本曲の練習に移り、往々、問答を設けて、其曲の主調は、「ト」にして、附屬調は、其屬和絃
たる「ニ」なること、其轉調の區域は、第四中節の首なる、附屬調の第一音に始まりて、其
末尾なる、同音に終ることを發見せしむべし。

第一歌は、凡そ國の富強を計るも、一家の生計を營むも、皆な基本は、學問するに非ざれば
得ること能はぬものなれば、我國民たるものは、諸科の中、其欲する所に從ひて、學
問を務め、其學力を應用して、皇國(みくに)の富強を計り、又、我家業をも、益〻繁榮ならしめよ」
といへるなり。
第二歌は、第一歌の句を、彼是置きかへて、其意を敷衍せるなり。乃ち、貴重なるものは、學
問の道である。國の富強も、身の幸福も、皆ち此學問の力に據りて得らるゝものなれ
ば、學問ほど貴重なるものはない。何事も、其根據は、學問であるぞ」と云へるなり。

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