見出し画像

明治の唱歌を合唱ソフトに唄って貰う497

三 近代教科書アーカイブ 發兌 大日本圖書株式會社
(M26.8.15印刷M26.8.18発行)
巻之三下
3-b23


君が門
作曲者 未詳
作歌者 未詳

きみが門(かど)
やなぎ
みどりに
桜(さくら)は白(しろ)し
おぼろ
月夜(づきよ)の
しづけ さよ

君が門
此曲は、調號に依て見れば、前曲と同形なれど、其首尾の音は、共に「/ト」(7)にして、長音
階に属するものに非ず。俗樂調第二種の旋法たることを、問答により知らしむべし。」
此曲に於ては、連(スラー)と帶との別を教へ、且つ切分聲、及び臨時符の教授に注意すべし。凡そ切分
聲の、前後二小節に渉り、後小節の強音勢部の力を弱くし、頗る圓滑に流唱せしむるは、
俗樂固有の性質なれば、是れ亦注意すべき要件なり。又、此樂譜中、文字を附せざる音符
は、樂器のみにて奏すべきものと知るべし。

此歌は、春の朧月夜の頃、友人の家を訪ひて、閑靜優美なる住居を賞美したるなり。柳
は、もえ初めて、綠の絲をくりかへし、櫻は、眞盛にて、軒端にかゝる白雲ともみゆるこ
とよ。我友は、此清夜を空しくせず、閑窓の下に、讀書吟詠などせらるゝならん」との意
なり。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?