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明治の唱歌を合唱ソフトに唄って貰う522

四 近代教科書アーカイブ 發兌 大日本圖書株式會社
(M26.8.15印刷M26.8.18発行)
巻之四下
4-b24


*歌詞と譜面で齟齬あり、[]内が譜面
皇統(ト調)
作曲 メンデルソーン氏
作歌 谷勤


神代(かみよ)の昔(むかし)も明治(めいぢ)のいまも
變(かは)らぬ皇統(みすぢ)の我大(わがおほ)みかど
動(うご)かぬしるしの三種(みくさ)の御宝(みたから)
仰(あふ)げや諸人萬世(もろびとよろづよ)までも

桜(さくら)の花(はな)さく界(さかひ)をはじめ
潤(うる)はぬ人(ひと)なしめぐみの露(つゆ)に
皇(すめら)が御代(みよ)みよしきます日本(ひのもと)
光(ひかり)は及(およ)ばん[む]異国(ことくに)までも

皇統(ト調)
此曲は、「ト」調にして、特に困難なるヿはなけれ〓(とも)、樂品、高尚にして、歌旨も、皇統を詠じ
たるものなれば、特に尊敬の意を體し、森嚴の心を持し、自ら其誠意の、發相上に現はる
ゝが如くすべし。中に就き、結句には、十分、精力を籠め、滿腔の赤誠を表せんヿを要す。

・「かはらぬみすぢ」とは、皇統一系にして、萬世不變なるなり。・「大御門」は、朝廷の御
事なり。「三種の御寶」は、誰も熟知する所の、鏡、劍、璽の三種にて、こは、天照皇大神よ
り受け玉ひて、御代〻〻に傳へ玉ひ、皇位繼承の天皇にあらざれば、承け玉ふことあ
たはざるものなり。
・「櫻の花さく境」とは、櫻は、日本特有の種なるゆえ、此歌にては、我大日本の境内をさ
して云へり。・「うるはぬ人なし」は、皇恩に浴せぬ人なしと云へるなり。「すめら
が御代〻〻しきます」は、御歴代天皇の知し食す日本と云へるなり。
此歌、第一は、我國の皇統は、神代より、三種の神寶を承け傳へ玉ひて、今の大御世に及
べり。此あり難き皇恩をば、萬世の後までも、万民の、仰ぎ奉る所である」と云へるなり。
其第二は、我皇徳は、大日本の濃く國境を始として、遠く他國人までも及ぼすものである。
乃ち御歴代の天皇の、治め玉へる日の本なれば、其光の、外國までも及ばんは、もとより
のことぢや」と云へるなり。

六 広島大学教科書ライブラリー 發兌 大日本圖書株式會社
(M.26.9.14印刷M26.9.17発行)
巻之六下
6-b22


皇統(ホ調)


神代(かみよ)の昔(むかし)も明治(めいぢ)の今(いま)も
變(かは)らぬ皇統(みすぢ)の我(わが)おほみかど
うごかぬしるしの三種(みくさ)のみたから
仰(あふ)げやもろ人(びと)よろづ世(よ)
までも

さくらの花(はな)さくさかひをはじめ
うるはぬ人(ひと)なしめぐみの
露(つゆ)に
すめらがみよ乀しきます
日(ひ)のもと
光(ひか)りは及(およ)ばん[む]こと国(くに)
までも


皇統(ホ調)
此曲は、「ホ」調にして、特に困難なるヿはなけれ〓(とも)、樂品、高尚にして、歌旨も、皇統を詠じ
たるものなれば、特に尊敬の意を體し、森嚴の心を持し、自ら其誠意の、發相上に現はる
ゝが如くすべし。中に就き、結句には、十分、精力を籠め、滿腔の赤誠を表せんヿを要す。
(略)

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