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明治の唱歌を合唱ソフトに唄って貰う〜番外33

明治二十年(1887)幼稚園唱歌集 (音楽取調掛)
緒言 音階練習 目次 奥付
国立国会図書館アーカイヴより

緒言


本稿は、兒童の、始めて幼稚園に入り、
他人と交遊するヿを習ふに當りて、
嬉戯唱和の際、自ら幼徳を涵養し、
幼智を開發せんが為に、
用ふべき歌曲を纂輯したるものなり。

唱歌は、幼穉の性情を養ひ、
其發聲の節度に慣れしむるを
要するものなれば、
殊に幼穉園に欠く可らず。
諸種の園戯の如きも、
亦音樂の力を假るに非れば、
十分の功を奏するヿ能わざるものなり。

幼穉園の唱歌は、
殊に拍子と調子とに注意せざる可らず。
拍子の、緩徐に失するトキは、
活潑爽快の精神を損し、
調子の高低、其度を失するトキは、
啻に音聲の發達を害するのみならず、
幼稚の性情に厭惡を醸し、
其開暢を妨ぐる恐れあり。
故に本編の歌曲は、其撰定にあたり、
特に此等の要旨に注意せり。

幼穉園には、箏、胡弓、
若くは洋琴、風琴、
の如き樂器を備へて、
幼稚の唱歌に協奏するを要す。
是れ樂器によりて、
唱和の勢力を増し、
深く幼心を感動せしむるの
力あるを以てなり。

明治十六年七月

(超意訳)

はじめに

この冊子は、子供が初めて幼稚園に入って、
他人と付合う事を習う、そのときに
遊戯や唄の時に、自分のペースなりに
自分なりに工夫してみる為に
使う歌や曲を纏めた物

唱歌は、子供の性格人格を育てて
丁度良い声の出し方に馴れる
練習になるから
幼稚園には、殊更に、必要です。
いろいろな、お遊戯も、
音楽の力を借りなければ
充分な効果を出す事ができない。

幼穉園の唱歌で
特に注意を払うのは、拍子と調子
拍子に緩やかさが足りないと
子供の活き活き爽やかさが欠ける
旋律が荒々しいと
ただ単に声の発達に悪いだけでは、なくて
子供の性格に、悪い種を蒔いて
伸び伸び明るさが翳る
だから、この冊子の歌曲を択ぶのに
この事に気を付けた。

幼穉園には、弾弦したり、弦をこすったりする、
あるいは、ピアノ・オルガン
といった楽器を用意して
唄う子供に合わせて音を出す必要がある。
これは、楽器を使って
歌を盛り上げ
おさな心を掴む
威力を嵩上げする為

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