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20センチュリーウーマン

エルファニング目当てで初めて観た時は内容のない映画だなーと思った気がするんだけど、久々に観たら打ちのめされた。

ネタバレ含みますので、未見の方はブラウザバックお願いします。


この物語は、15歳の息子ジェイミーとの関係が上手くいっていないことに悩むシングルマザーのドロシアが下宿している写真家アビーとジェイミーの幼馴染ジュリーに助けを求めるところから始まる。

今回は主にアビーの話を中心に話したい。

アビーは子宮頸がんだと診断される。家族と折り合いがつかず、ドロシアの家に下宿していた彼女は壁にぶつかっても己の力で乗り越えてきたんだと思う。しかし病気はそうはいかない。

悲しみの淵にいる時、アビーはドロシアに「子供を持つことは人生で最大の経験だった?」と尋ねる。

ドロシアは「そう思うわ。ごめんね」と正直に答えていて、自分だったらそう思っていても「もっと他に心が動く瞬間はあった」とか軽薄なこと言ってその場を白けさせてしまいそうだなと思った。

こういうとき嘘の優しさは人を傷つけるよね。正直に答えられる人って何故そうできるんだろう。人生経験の差なのかな。ドロシアには悪役になることから逃げない強さがある。


私は子どもができない体になると宣告されて悲しむだろうか。

選択肢が消えてラッキーと思う気もした。

アラサーなので、結婚や出産という話からは逃れられない。全員が一律でするものではないと思っているけれど、世間はそれを許さない。

選択肢があるっていうのは自由で幸福なことだけど、選択の苦しみがある。選ばなかった方の人生をずっと思い続ける。選択肢自体がないのならその苦しみごと消える気がする。ミッドサマーを観た時もそのことについて考えた。



アビーが「悲しい時は踊った」って言ってたから、私も悲しい時は踊ろうと思う。

アビーは結局、医者の忠告に逆らい妊娠をして2児を授かる。


母親であるドロシアの気持ちが全く分からなかったけど、子どもがいる人なら理解できるのかな。子どもを持つってどんな気持ちなだろう。

もし自分が母になるようなことがあったら、また見返したい。


#20thceturywomen
#グレタカーヴィグ
#映画鑑賞記録

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