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上告の権利って知ってますか?
みなさまこんにちは。チャンピオンズリーグ2019も、シティリーグシーズン4、CL京都、JCSを残すところとなりましたね。
競技性の高まりとともに、ジャッジという存在を意識してもらうことが多くなってきたように思います。
先日行われたチャンピオンズリーグ2019千葉大会での出来事です。
私はエクストラリーグでジャッジとして参加していました。その中で、とある案件で私が出した裁定が不服であるとプレイヤーから申し出がありました。それを受けて、私は手を上げ、自分でも予想以上の大きな声でこう発声しました。
「エスカレーションです!!」
横にいたシニアからは「エスカレーションって言うんだ」と呟きが聞こえてきたのを覚えています。
その時、それを見ていた方からこんな質問が。
いわゆる上告のことですね。ビジネス用語だと思います。
— ゆう^φωφ^ (@shimoyou) March 6, 2019
あの時は自分でも予想以上にでかい声が出て、自分でも恥ずかしーって思ったんですが…
プレイヤーの耳に入って、何だろうそれって・・・
続きは質問箱へ#peing #質問箱 https://t.co/mNp2vuqOHV
プレイヤーにはなじみのない言葉だったのだなと。そういえば、ジャッジになりたてのころ、私もこの言葉を初めて聞いたときは「なんだろうな??」と思っていました。
と、いうことで今回はエスカレーションの意味、上告の権利とその流れについて、お話させていただこうと思います。
・エスカレーションとは
エスカレーションとは、もともとビジネス用語のようですね。
Wikipediaによりますと、
エスカレーションとは、上位者、上席者の指示を仰ぐこと。
また、マーケティング用語、特にコールセンター用語で、顧客対応においてオペレーター自身だけで対応が困難な場合、上位の管理者やスーパーバイザーなどに交代して対応してもらうこと。略語はエスカレまたはエスカ。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
と記載されていました。
ちょっと、上の人呼んできてよってやつですね。
ポケモンカードのジャッジが言っているエスカーレーションもそのままの意味で使われます。
よく聞く言葉で言うと「上告」です。
ポケモンカードではジャッジの裁定(エラーが起こったとき、盤面を出来る限り正常な状態にもどして、必要ならばペナルティを出す。また、ルール上の解釈、手順などへの回答)に納得がいかなかった場合、「上告」することが出来ます。
・プレイヤーが持つ上告の権利とタイミング
そんなこと、ルールブックには書いてなかった!!どこに書いてあるの?
これ、最近よく聞かれます。
答えは、「ポケモンカード フロアルール」に書いてあります。
これは、ポケモンカードのイベントで、参加者全員が気持ちよく対戦を楽しむための決まりごとがかかれたもので、公式HPで以下に公開されています。
ポケモンカード フロアルール
https://www.pokemon-card.com/assets/document/rules/floor-rule.pdf
では、フロアルールのどこに書いてあるのか。
第2章プレイヤーの皆さんへの最後にこんな一文があります。
しかし、ジャッジの裁定に対して不服がある場合は、プレイヤーの皆さんは別のジャッジによる裁定の見直しを要求することが出来ます。
これが上告する権利を持っていますよということの根拠となるものです。
では、どのタイミングで不服だと言えばいいのか。
実際の流れを見てみましょう。
うさぎ「あっ、ベトベトンいるのにカプ・テテフGXでワンダータッチ、ジャッジマンで山札引きなおしちゃった…」
くま「わ、本当だどうしよう…気がつかなかった」
うさぎ「ジャッジ呼びましょうか。すいませーん!!」
ジャッジ「はい、どうされましたか??」
ここでジャッジは双方から状況について聞き取りを行います。
そして、盤面を出来うるかぎり正常な状態にもどすべく、どのような手順を踏み、どのようなペナルティとなるのかを説明します。(この盤面で実際どう言った裁定がでるのかは、その他の状況によるので割愛します)
ジャッジ「ということになりますが、どうですか???」
うさぎ「(まぁ、それが妥当だよねぇ)わかりました」
くま「(えっ、相手も気付かなかったのに僕だけサイドペナルティなの?)う~ん」
ここでくまさんはジャッジが提案した裁定について納得がいかず、悩みます。
ここが上告可能なタイミングです。
ジャッジから上告しますか?と聞かれる事もあります。
ここで納得いかないながらも、「わかりました」と裁定を受け入れ、処理を進めてしまうとプレイヤー双方の合意があったとみなされて上告が出来なくなります。
処理を終えて、対戦が進んでから「あの時のあれは納得いかなかったんですが」と後から上告することはできません。
納得がいかないと思ったら、その時、その場で言いましょう。
・上告って言うけど、上って誰よ?
上告上告ってジャッジに上も下もあるのか?という疑問をもたれた方もいると思います。
実は、あります。
チャンピオンズリーグで、腕章をつけているジャッジを見たことはありませんか?
フロアにいるジャッジには種類があります。ジャッジ、シニアジャッジ、マスタージャッジです。
このように、裁判所をイメージしてもらうと分かり易いかもしれません。
最初に対応してくれたジャッジから上告のコールがあり、シニアジャッジが再度聞き取り、裁定を出します。それでも納得が出来ないという場合はマスタージャッジに上告します。
では、上告の末、最終的な判断は誰が下すのか。フロアルールにはこのように記載されています。
第2章プレイヤーの皆さんへより抜粋
プレイヤーの皆さんの要求に対する決定権は、ジャッジ側にあります。
第4章ジャッジについてより抜粋
このほか大会によっては、マスタージャッジが置かれる場合があります。マスタージャッジとイベントの主催者は、該当する大会のルール判断に対する最終決定権を持ちます。
イベント主催者が判断するという状況は余程のことなので、基本的には最高裁判所たるマスタージャッジの判断が最終決定ということになります。
これが、上告と最終的な決定の流れです。
・ジャッジと上手につきあっていきましょうよ
エスカレーションという言葉の意味から、上告の権利とタイミング、流れについて説明させていただきました。ご理解いただけたでしょうか?
昨シーズンより、ポケモンカードゲームは競技性を高めて行こうという方向へ舵を切りました。これは、とても大きなことであると私は感じています。
だからこそ、ジャッジという存在はとても大きな意味を持つと考えています。
ポケモンカードをはじめて5年ほど。大型大会と呼ばれる大会で、息子は納得のいかないことがたくさんありました。それは、ジャッジになろうと思ったきっかけでもあります。
恥ずかしながら、私はジャッジになって初めてフロアルールをちゃんと読みました。上告が出来るなんて知らなかったのです。
あの時このことを知っていれば・・・そんな後悔もしました。
同じ後悔を、いまがんばっているプレイヤーの皆さんにして欲しくない。
知らなかった、そんなこと
は通用しません。
なので、私は言い続けます。
フロアルールを読もう。上級プレイヤー用ルールガイドには目を通そう。
そして
ジャッジとうまくつきあっていきましょうよ。
また、ジャッジについて伝えたいことがあれば発信して行きたいと思います。ありがとうございました。
*ジャッジ関係者の皆さま
間違っているところがあったら、ビシバシつっこみ下さい。加筆訂正させていただきます。
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