【2021年】米国カリフォルニア州で日本人が実銃を購入する方法
2021年9月末、実銃を購入しました!
購入までの道のりで、様々な日本語サイトやブログの情報にお世話になりました。感謝の気持ちを込めて、2021年の情報を自分もせっかくなので書き残しておきます。誰かの助けになれば幸いです。
本記事のすべての情報は2021年9月現在です。US現地の記事でも古い情報が書いてあることがあります。お金や時間を使う前に、必ずCalifornia Govなどの政府機関公式の情報を目を通すようにしてください。
意外とちゃんと書いてあります。
本記事の対象、買える人・買えない人
米国籍もしくは米国永住権保持者の方は「この記事に書かれている内容よりも簡単に購入」することができます。最新情報はCalifornia公式の英語記事が優れていますので、そちらをご確認ください。現段階では身分証明書を持ってガンショップへ行き、FSC(試験を受けて25ドル)を取得すれば、その場で銃購入を申し込んで10日間のバックグラウンドチェック通過後、銃を受け取ることができるはずです。
カリフォルニア居住者(Non Immigrant / Non US Citizen)、米国籍は持っていないけれど、いわゆる就労ビザ、駐在員ビザや留学生ビザなどで合法的にカリフォルニアの住所を持って住んでいる人はこの記事の対象です!
カリフォルニアへの旅行者=カリフォルニアに住所が無い人は、原則としてカリフォルニアで銃を購入することはできません。
射撃場で撃つことはできます。カリフォルニアでもロサンゼルスなどの都会ではすべてレンタルで自由にレンジシューティングが楽しめるローカルな射撃場もありますので、2人以上でどうぞ!自殺防止のため、1人では「自分の銃を持っていない人にはレンタルをしない」という方針があります(インストラクターが付くような本当の観光地射撃場は別)。また、当方在住のベイエリア・SanJoseではShooting Rangeはより地元向けの色が強く、Publicな射撃場でも「米国政府発行のID」を持っていないと撃てなかったり、レンタルをしていないところも多いようです。
ほか、21歳未満の人や、国籍関係なくCA法で銃所持が規制されている人は購入ができませんが、Non-Immigrant Visaを取れた人が、日本と同じように1~2年平穏に暮らしていれば問題ない規制内容と思われます(私は車の整備不良で一度捕まっていますがOKでした。未成年や重罪の前科がある人、軽犯罪でもストーカーや性犯罪など銃の違法使用が危ぶまれる人がメインの規制対象)。何か問題があると申し込み後のBackground checkで弾かれます。
事前に用意するもの
他にもいろいろと方法はあるようですが、CA州政府のHPと現場の実績ベースにて記載します。
・CA発行のReal-ID もしくは Driver License
(Federal Limits Applyと記載のある場合は住所を証明する書類が別途必要)
・Hunting License
詳細は後述しますが、これが非米国民が銃を買う理由付けと、「Federal Limits Apply」と書かれたDLを出したときに必要な政府発行の2つ目のIDを兼ねるようです。
・パスポート(母国のもの ー 私の場合は日本)
パスポートは有効期限内で、VISAと入国スタンプが必要。
・Latest I-94
Webで取得して印刷して持っていきます。有効期限が1か月くらいしかなくギリギリだったりするので事前確認しましょう。たまにギリギリどころか有効期限が切れたPDFが出てくることがあります。なんなんだI-94…。最低限銃の購入申込日から10日間プラスアルファがあった方が安心です。
I-94は電子化で不要になったという情報もありましたが、私は2店舗中2店舗とも印刷したものを要求されました。いずれにせよすぐ作れるので念のため用意しておくことをお勧めします。
・(購入申し込み時取得)FSC (Firearm Safety Certificate)
ガンショップで25ドルを払うと試験が受けられます。私は結果的に在庫が無くFSCのみ受験をしましたが、あくまで銃を売りたいガンショップ的には感情的にFSCのみ受験は歓迎されないこともあるようなので、銃を買うタイミングで受けると考えておくと良いです。
以上が必須ですが、私は加えて予備に下記を準備しました。
お店によって知識不足経験不足の場合もありますので、出直す手間を考えると持参してもよいでしょう。
・過去3か月の光熱費の領収書や、車の保険証書など(住所確認書類として。私はHunting Licenseを持っていたので不要だったみたい。これが聞かれることが一番多いようなのでお守りとして持っておいてもよいかも。待ってる間に別の人が聞かれてました)。
・I-129(駐在ビザのApproval書類。I-94のSupportとして。1店舗目では「要るかも?」と言われましたが実際購入時には不要だった)
また、全書類が「有効期限内」で「氏名や住所が一致していること(住所の略称など記載の差異はOK)」が絶対必要です。めちゃくちゃ確認されます。
もし住所変更等されている場合は事前に変更してから行きましょう。
購入までの流れ
1. Real-IDやDriverLicenseといった書類を準備(ここは在住者は大体持っていますよね)
2. Hunter Educationを受ける(終身有効)
3. Hunter Education受講後にHunting Licenseが買えるようになるので1年間有効のライセンスを買う。
4. お店に行って銃の購入を申し込み。FSCを受験して、受かると書類がすべて揃うので、購入申込の書類を書く。ここはガンショップが丁寧にガイドしてくれます。銃の代金はこのタイミングで払います。
5. 10日間の待機期間。10営業日ではなく申し込みがSubmitされてから240時間。この間にFBI、DMVなどの各機関にてBackground Checkが行われます。基本的には連絡が無ければOKと考えてください。Checkに落ちた場合や、追加の書類が必要な場合は電話がかかってきます。
6. 銃の引き取り!わくわくですね。私は240時間と30分経ったタイミングでお店に駆け込んでしまいました。前々日に電話がかかってきてパスポートを持ってきてね、と言われましたが、書類が足りず出直すめんどくささを考えると、仮に何の連絡もなくても念のため申し込んだときに準備した書類は全部持っていくのがおすすめです。お店曰く、私の場合Background checkはPassしたがパスポートのメインページのコピーが無いのでそれを追加で出したら引き取っていいよ、というケースだったようです。
Californiaでは弾の購入にもBackground checkが要るので、すぐShooting Rangeへ行きたい!という場合はこの銃を受け取るタイミングで100~200発くらい買っちゃいましょう。割高だったりもしますが…。銃引き渡しの時に売る分には追加のCheckが要らないそうです。
Hunting Licenseはなぜ必要?
ここが結構ややこしいところでした。
米国民は「銃を買う権利」がありますが、外国人である我々にはありません。いわく、銃を買える権利のあるのは…
(A)admitted to the United States for lawful hunting or sporting purposes or is in possession of a hunting license or permit lawfully issued in the United States;
→US政府に合法に狩猟もしくはスポーツ目的と認められている場合、あるいはハンティングライセンスもしくはハンティング許可を持っている場合
(B)an official representative of a foreign government who is—
(i)accredited to the United States Government or the Government’s mission to an international organization having its headquarters in the United States; or
(ii)en route to or from another country to which that alien is accredited;
→外国政府の公式な代表で、US政府もしくはUSに本拠地のある国際組織政府の任務目的、もしくは第三国への渡航のため立ち寄る場合
(C)an official of a foreign government or a distinguished foreign visitor who has been so designated by the Department of State; or
→ 外国政府公務員もしくは要人でUS政府に認められたものが入国する場合
(D)a foreign law enforcement officer of a friendly foreign government entering the United States on official law enforcement business.
→ 友好国政府の法執行要員が、USの法執行関連の目的で入国する場合
…つまり、US在住の一般日本国民たる我々が自分の努力でなんとかできるのはHunting Licenseを持つハンターになるしかないのです。
Hunting Licenseを取得する
Hunting Licenseを取得するにはHunter Educationを受ける必要があります。コロナの影響で今はオンライン受講+テストでトータル6~10時間ほどで取得することができます。元々は対面半日2回だったり、オンライン後に短時間の講習を受ける、などの形式だったようなので、今後またオンラインのみで受講はできなくなるかもしれませんのでご注意ください。
1. GoIDというHunterのためのID番号を取る(オンライン)
2. GoIDを添えてHunter Educationを受講(25ドル)
3. 修了後、規定時間以内にGoIDに受講完了が通知される
ここ、本当に即時反映されません!おそらく人力でいれている?ようです。修了後すぐにGoIDを確認するとそんなGoIDはない、とか言われますが、GoIDを再発行するとおそらくトラブルになるので修了後言われる規定時間待ちましょう。
4. GoIDを使ってHunting Licenseを買う(1年間で55ドルくらい)
5. Temporary Hunting Licenseは即日発行されるが、これでは銃は買えないので家に正式なIDが届くのを待つ。1週間くらい。
6. Hunting Lisenceが手元に届く。上記写真のようなレシートみたいな書類です。
hunter-edというサイトでEducationを受けることが出来ますが、こちら申し込み時フォームまで進むとGoID入力欄に説明が出てくるので、その指示通りにGoIDを取るのがおすすめです。
Hunter Educationですが、日本で普通に暮らしていて銃は好き、少しサバゲーもやるよ、程度の知識だと全く知らなかったこともどんどん出てきます。折角異国の地で米国Localの文化のHuntingや銃に触れるのですから、安全面に直接関係するところに限らず全編しっかり勉強することをおすすめします。面白いですよ。エンジニアをやっていると触れないような法律、サバイバルやアウトドアの語彙もちょっぴり増えます。
FSC(Firearm Safety Certificate)を取得する
いよいよガンショップへ行きます!店員に声をかけ現物を触らせてもらったりしながら欲しい銃を見定めたら、買いたい旨を伝え、まずはFSCを受けさせてもらいます。ちなみに基本的に新品の販売では、飾ってあるものは見本(実銃ではあります)で、選ぶと倉庫から箱入り新品を出してもらえるシステムのようです。もし展示品をそのまま箱に詰められそうになったら新品はないか聞いてみましょう。
FSCの問題に関して、USのネットでは「common senseでわかったぜ!」なんてことが書いてあることが多々でしたが、例で挙げられている問題より難しくなっていると思いました。2択がほとんど、と書かれていたのですが実際は4択の方が多かったです。いわゆる常識でわかる安全関連の問題に限らず、CA州の法律(ライフル・ハンドガンを買えるのは何歳からか?)なども出てくるので、Hunter Educationで勉強したことをしっかり頭に叩き込んでおきましょう。
ほか、FSC関係の余談です。
私の場合は店員さんにHunting Licenseを見せてから受験したので、「それに比べりゃ簡単さ!」なんて言われてましたが、惜しくも30問中1問ミスで29問正解。ライフルを買えるのは何歳からか?という問題で18歳と答えたら「他州ではそうだがカリフォルニアではハンドガンと同じく21歳からだ」ということでした…。お隣で受けていた若者は「家に銃があると自殺の可能性が高くなる」という問題にNoと答え間違いだといわれ、「俺は自殺なんてしないよ」とちょっと釈然としない風でした。
ちなみに2015年くらいまで?はライフルはCertificate無しでも買え、ハンドガンを買うためにHSC (Handgun Safety Certificate)というものが必要だったようですが、今は規制強化で統一されライフルもハンドガンも同じ扱いでFSC(Firearm~)が必要になっています。
FSC受験時に銃の安全な取り扱い実技テストがある、という情報もありましたが、私の場合はペーパーのみでありませんでした。
ただ、購入する銃の操作方法を現物を使って説明され、そのインストラクション通りに操作するのを見せる、というセッションは購入申込前にありました。だいたいダミー弾をマガジンに装填→スライド引いて排莢、マガジン抜いてチャンバークリアの確認→安全装置のON/OFF(あれば)→デコッキング(あれば)→他機能があれば…を一通りやったあと、ダミー弾を入れて発射するまでの流れ、という感じでしょうか。Hunter Educationを覚えていて、しっかり銃特有の操作説明をその場で聞いていれば問題ない内容です。一発で理解してわからないと売らないというよりは、説明して教えてくれるという感じなので、不明点があったら適当にやるよりも聞きましょう。
銃の購入~受け取り
※普通に銃を買っても弾はついてきません。
逆にマガジンは2本ついてきました。写真は演出のため弾を置いています…。
ここまでくればもうあとは言われるがままに購入申し込み書類を書き、銃の購入費用を半額or全額払っておうちに帰り、悶々とバックグラウンドチェック兼ウェイティングピリオドの10日間を過ごします。
問題が無ければ電話はかかってこないので、10日後に引き取りに行けます。
逆に受け取らずに一定期間を過ぎると(大体30日)、保管費を請求されるので気をつけましょう。
また、実は法的には受け取り時に「ロックもしくは専用の銃用金庫を持っていることの証明が必要」ではあるのですが、大体の新品の銃にはCA州認定のロックがおまけでついてきますので、何か言われない限りは意識しなくてもOKのようです。もし仮に必要であっても店で20ドルもあればロックは買えます。
弾薬は上でも書きましたが、CA州では弾薬購入時もBackground checkがあり少し面倒なので、銃購入時に合わせて買っちゃうのがおすすめです。ただ、私の場合はRange併設のお店で買ったこともありRange価格の弾しかなく結構割高になってしまいました…。
弾薬は私の場合は最初にレンジ用のFMJ弾を150発購入し、初めてのインドアレンジで1時間、真面目に狙って練習して90発消費しました。アウトドアならターゲット交換などを考えるとペースは遅くなるでしょう。真面目に扱えるようになるまで練習するなら500発とか1000発単位で必要になると思いますが、弾だけでいえばBass Pro Shopなどの量販店でも購入でき、ガンショップよりもかなり安い値段で買えますので、銃と同時に買うのはやはり100~200発くらいで良いかと思います。数量で悩まれた方はご参考まで。
ところで、購入時書類のちょっとしたエピソードですが、住所欄の州の右隣に「County(群)」という欄があります。私はそれを国際郵便を送る感覚で「Country(国)」と読み間違え、「USA」と記載して書類修正になりました。結構恥ずかしかったので気を付けてください。米国政府の書類の住所欄にわざわざ「USA」って書くことはないですよね…。
ガンショップ行った感想
ぶっちゃけ当初一番心配していたのはここです。私の中では、日本の昔ながらのエアガンショップというと、ちょっと気難しそうな店主がジロリと見てきて、無愛想に接客してくるイメージです。アメリカもそんな感じだったら怖いな…なんて思っていましたが、全然そんなことはなかったです。
むしろHunting License等々必要書類を揃え、ちゃんと言うことを聞く我々のようなお客は相手からしても上客なわけですから、普通にフレンドリーに接してくれます。実際、カウンターで書類が足りないのに買える買えないで揉めている人とか、散々商談をした後にそもそも免許証が有効期限切れてる人とか(車で来たんじゃないのか…?)、外国人の自分の方がスムーズに話が進んでいるんじゃないかと思うほどでした。
手続き関係は準備万全でいきましたが、銃関係はやっぱり銃の好きな人が仕事しているので、色々話を聞くと面白いです。私は結構しっかり調べてこのモデル、この型番、この口径をください!と一点張りで行きましたが、あまり店員さんが忙しくなさそうならある程度モデルを絞ったうえでモデルは色々話をして決めるのも良いと思います。
ただ、店主?チーフ?っぽい人は険しい顔をしている人だったり、常連のような人との会話の内容からつよいコダワリが滲み出ている人もいました。まあ、その辺は運ですし、あまり変な対応をされたなら別の店に変えた方が良いと思います。
ベイエリア・サンノゼでお世話になったガンショップ
またピンポイントですが…ご参考までに。
Reed's Indoor Range
私が銃購入・初めてのインドア射撃をしたレンジとガンショップが一緒になったお店です。
対応も丁寧で、オンラインで銃の在庫が見れるのが良いですね。また、銃の受け取りの翌々日にシューティングレンジを利用しに行ったところ、購入申込のときに担当してくれた人がレンジ側の対応をしており、「おっ、君は全部持っているよね!」とスムーズに手続きをしてくれたのも、購入→練習を一か所でまとめられてよかったところかもしれません。ちなみにネットの値段とお店での値段ではWeb記載の通りネットの方が高く、自分の場合はネット価格749USDが店舗では649USDでした。まあ定価も649USDですが…ネット向けを割増にしているみたいですね。
http://reedsindoorrange.com/
Bay Area Gun Vault
私がFSCを受けたお店です。当初ベレッタPx4の9mm口径モデルを探して行ったのですが、.40S&W口径しか欲しいモデルの在庫がなく、結局FSCを受験するだけとなりました。
外国人慣れしている感はReed's Indoor Rangeより強く、対応もReed'sより丁寧でフレンドリーな印象でした。マウンテンビューエリアらしい対応かもしれません。お値段はReed'sと同じで定価販売でした。
http://www.bayareagunvault.com/
以上です!お役に立てれば幸いです。
そのうちまた銃を持ってみての所感とか、各地射撃レンジのレポートなど、経験値が増えてきたら書いてみたいと思います。
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