よりみち

大学2年生(1回目)の終わり頃、私の心はぽっきりと折れた。

1年間、大学もロクに行かずに音楽ばかりやっていたが、自分の技術の上昇率は漸近線を描き、自分なりの"本気"という名の笑い種は、比較対象とは比べものにならない、センスも根気も圧倒的な差を感じた。

今となっては自分がそもそも何を目指していたのかもわからない。何かになろうとした友人は、皆何かになっている。私は何になりたかったのだろうか?

折れた心を癒すべくか、しばらくはだらだらと退廃的に活動をしたりしなかったりした。自分の欲求の赴くままに、空いた心の埋め合わせをした。決してそれが無駄だったわけではないし、必要なことだったと思う。しかし、結果的には長い期間、私はなんにもしなかったという事実だけが残った。

なんとなく曲を作ってみたり、配信をしてみたり、文字を書いてみたり、そんなことをしているうちになんとか大学だけは卒業して、適当に就職して、適当に日々を過ごした。

そんなこんなで時間は経って2019年。
きっかけは、とある"私の尊敬している人"の横に立っていた、"もう一人の尊敬している人"のライブに行ったこと。そこで見た光景は、ああ、人を楽しませている人ってこんなにも輝いているんだな、こんなにも楽しそうに音楽が出来るんだな、と、当たり前のことを思い出させてくれた。

そして今回、皆さんに支えられて、手伝っていただき、こうやって久しくまともにしていなかった活動をしてみて、はっきりと思った。

私は何になりたいとかじゃない。私は何者だっていい。ただ、何かを作って、それを誰かに届けて、その誰かの心を少しでも揺さぶることができれば、それはとても素敵なことだなあと。初心に立ち返り、そんなことを考えられるようになった。

◎◎◎

4〜5年くらいの長めの休憩、よりみちをしました。このよりみちは決して無駄ではなかったと今は思います。いろいろな経験をして、いろいろな知見を得て、いろいろな感性を養うことができました。

よりみち。どうせ人はみんないつか永い休憩をすることになります。そう考えると、私たちの人生そのものが、長めのよりみちなのかもしれません。
どうせいつか休憩をするなら、体力尽きるまで走って、いろんなところに行って、いろんなよりみちをしよう。そう思いました。
そのよりみちの中で、少しでも皆さんと気持ちを共有したり、皆さんの気持ちを揺らすことができたらいいなあと思います。

自分を語ることはあまり好きじゃないけれど、それでもなお整理したいことがあったから記しました。
こんな私をいつも応援して下さる方々、支えて下さった方々、私の気持ちを揺らしてくれた方々、すべての人に感謝を込めて。

※活動情報まとめサイトを作りました。
https://shimizuyuki.themedia.jp/




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