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【肩関節周囲炎】"病期の鑑別"と"夜間痛への筋膜アプローチ"

▼note執筆者

清水 崇弘@筋膜調整×理学療法士

◆青山筋膜整体 理学BODY 名古屋店店長
◆筋膜マニピュレーション®︎国際コース Level Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ 修了

✅本note のコンテンツ内容

・肩関節周囲炎の病期の鑑別方法
・機能解剖から考える具体的な筋膜アプローチ方法【動画付き】

✅本noteを読むとこうなる

・肩関節周囲炎炎症期の症例に対して鑑別から治療戦略が立てられるようになる
・肩の夜間痛に対する筋膜アプローチを行えるようになる

✅本noteは若手セラピスト向け


下記のような方にはオススメできません。

× オススメできない人
・肩関節周囲炎に対して臨床で鑑別を完璧に行えている方
・筋膜へのアプローチで結果を出せている方
・筋膜に否定的な方

本noteは、
『学校で筋膜の触り方とか教わってないし』
『肩関節周囲炎の鑑別はできたら良いけどやり方が曖昧』
って若手セラピスト向けの内容です。

○ こんな悩みを持っている
・鑑別ができないから肩関節周囲炎に対して治療戦略が立てられない
・どうアプローチしたらいいかわからない

上記の悩みを解決するnoteを書きました。

✅肩関節周囲炎の病期の鑑別

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肩関節周囲炎は、

肩関節構成体の退行変性を基盤として発症し、肩関節の疼痛と可動域制限を主症状とする疾患

と定義されています。

広義の肩関節周囲炎の中には、腱板炎や肩峰下滑液包炎など多くの疾患が含まれますが、最終的に原因が不明で疼痛を伴った可動域制限が主症状である狭義の肩関節周囲炎症、いわゆる五十肩について今回はフォーカスしていきます。


肩関節周囲炎には、

・freezing期(炎症期)
・frozen期(拘縮期)
・thawing期(回復期)

と3つの病期があり、それぞれのフェーズに合った介入が必要になります。


☑️freezing期(炎症期)

夜間痛、運動時痛が著明。
関節拘縮は認められないか、あっても軽度。


☑️frozen期(拘縮期)

挙上、外旋、結帯など各運動が制限される。
日常生活の疼痛は減少傾向だが、最終域にて疼痛を生じる。


☑️thawing期(回復期)

疼痛、可動域共に改善を認め、正常に近く時期。



中でも、肩関節周囲炎に起因し病期を予測する重要な症状として

夜間痛

があります。

この夜間痛の改善が肩関節周囲炎患者さんに求められる重要なポイントでありながらも、臨床で難渋することも多いのではないでしょうか?


夜間痛は主に、

・freezing期(炎症期)
・frozen期(拘縮期)

みられ、病気により発症機序が異なるとされています。


☑️炎症期

腱板や肩峰下滑液包に生じる浮腫や腫脹

☑️拘縮期

肩峰下滑液包と腱板との境界部に生じる癒着や瘢痕組織


このことから、どちらの病期にしても上方支持組織の容積が増大するため、肩峰下圧が上昇し夜間痛が生じると考えられます。


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✅夜間痛を改善するためのチェックポイント

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ただ、肩峰下圧が上昇した状態と言ってもイメージはしにくいと思います。

もちろん、そのメカニズムを理解した上でアプローチすべきですが、それは様々な参考書で著名な先生方が解説されてるので、この記事では夜間痛を改善するという結果を出すためには臨床上どういう現象を見るべきかという点に着目してお話しします。


結論から言うと、

・肩甲骨前傾アライメント
・肩甲上腕関節内転制限

私はこの2点の改善を最優先に行います。


☑️肩甲骨前傾アライメント

背臥位の状態で肩甲骨が前傾していると、相対的に肩関節は伸展し肩前方に存在する腱板疎部が伸長され夜間痛が生じると考えられています。


☑️内転制限

就寝時は寝返りの際に、側臥位をとる必要があります。
その際、肩甲上腕関節は内転位を強制されることになりますが、腱板や肩峰下滑液包の癒着が生じていると内転制限がある状態で体重をかけた内転を強制されるため可動域の最終域で疼痛を生じます。


✅夜間痛と筋膜の関係

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今回も、筋膜のお話をしていきますので、
夜間痛に関連する筋膜の機能解剖を理解する必要があります。

まず、前提として理解しておくべきことは、

筋膜が高密度化を起こす(硬くなる)と
その周囲の筋肉の伸張性や筋出力も低下する

ということ。


では肩甲骨前傾アライメントを助長しやすい筋膜はどこか?

それは、

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〝鑑別〟のイロハや、重要性を伝えていく、解いていく、各方面(柔整.鍼灸.理学療法士.アスレティックトレーナー)のスペシャリストによるマガジ…

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