退院して年を越す

とりあえず退院おめでとう。と気持ちだけは持っている。全く解決していない状況だから、病院を必要としている状況は変わらないけれど。何より本人は楽しそうだ。

「次は輸血しません」と家族に了承を得て、先生も選択した途端に出血は止まり、「明日にも危ない」と言われた父は帰ってきた。3ヶ月を病院のベットの上で過ごした身体は、普段の生活にもリハビリを必要としている。とはいえ、最低限トイレに行ったりは問題はなく、本人的には入院前と同じ生活を望んでいる。

とはいえ、冒頭に書いたように何も解決はしていないので、病院を訪れた時の症状はいつ出てもおかしくはない。がん治療を行った際に、がん以外の部分も攻撃してしまった結果、腸内からの大量出血ということで、ほぼ全ての血を入れ替える量の輸血をした。その出血は治まったものの、その理由は分からないので、止血状態は一時的なものなのかさえ不確か。

最近になって家から片道50m程度のコンビニへの買い物をするようになった。姉は心配するが、本人としては9月まで普通にしていた気ままな一人暮らし。それをもう一度しているだけで、今更口出しされても煩いだけだろうと思う。僕は放任している。

これで骨折でもしたら完全アウトと思うけれど、怖がっていても何も出来ない。僕らが全てを代行することも望んではいない。その時はその時だろう。

肺がんということもあるのだろうか、息切れがキツイと言う。運動不足もひとつの原因と思うけれど、自分でキツイと思うならば馬鹿みたいな無理はしないだろうと、それは良い事だと思う。疲れを感じ無いまま倒れるのも怖い。

そんな父と年越しをする。今年が最後かもしれないね。と、口にはしないけれど、皆が同じことを感じているのはわかる。そんな三十日。

頂いたお金は両親の病院へ通う交通費などに活用させて頂いております。感謝いたします。