言葉の棘を抜くのは時間がかかる。
「鬼がくるよ!」
我が家では夜21時を過ぎると鬼が出てくることになっている。
最近は鬼なんて嘘だ~と22時近くまで平気で起きている3歳と5歳。
鬼なんていないのに
鬼の力を使ってまで
子どもを寝かせたい。
親のエゴです。
私のエゴです。
これを言い始めた時は怯えさせようと思って言ったわけではないのだけど
これを伝えた時の子どもの反応がとってもかわいかったことを覚えている。
ついつい可愛くて怯えさせてしまってました。
ごめんなさい。
こんな私ですが、
自分が子どもに「鬼」という嘘を使ってコントロールしよう
としていることは棚に上げて私が子どものころに両親から言われた
言葉は許せなかったのです。
どんな言葉だったのか?
「指しゃぶり辞めなかったら明日には指を切るぞ!!!」
「消しゴムをはさんだお箸でご飯食べたら、明日には歯がなくなってるね」
こちらの言葉たちが恐怖で恐怖で仕方なかったのです。
大人になった今この言葉をもう一度よく聞くと
何言っているのよ~あははは。
となりますが、3・4・5・6歳の私はこの言葉を真に受けて
翌日にはゆびしゃぶりはやめたし
歯と一生のお別れを告げて泣きながら眠ったのでした。
これを言った親の気持ちとしては
指しゃぶりをどうしても辞めさせたくて
最終手段で言ったのかもしれませんね。
確かに辞めさせたかったですよね。
今では出っ歯な私です。
ちなみに私の娘(小2)も未だに寝る前に指しゃぶりしています。
だけど、この経験があったから
決して言うまい。と心に決めていますが、
何度か違う言葉で指しゃぶりやめたら~と伝えたことがあります。
ふ~んみたいな感じで聞き流されたので
今では・・・あれ?指しゃぶりしてないかも?
消しゴムをはさんだお箸の事件の時も
それはそれは青ざめました。
この時のことをよーく思い出すと
母親が2時間のサスペンスを見ていた記憶があります。
はぐれ刑事純情派だったかな~。
とりあえずサスペンス好きの母が
つまらなそうにテレビを見ていたのです。
(本当に好きだったのかな?つまらなそうだったんですよ顔は。)
その母の好きな時間を邪魔してはいけないと思って
母の傍でお箸の練習をしていたんだと思います。
私も大してやりたいことじゃなかったのかもしれないけど
邪魔してはいけない。
が、とりあえずお箸で消しゴムを掴む練習になったんですよね。
健気ですよね。
可愛い6歳の私です。
その時に母に
「歯がなくなるよ」と言わました。
多分ですけど、母は私と色々話ししたかったのかもしれないです。
学校のことや友達のこと、私の話を聞きたかったんだと思います。
それが、「歯がなくなるよ」ってどれだけ素直じゃなかったんでしょうね。
母の私と話したい!という素直じゃない会話のきっかけを、
素直に受け止めてクソ真面目に歯とお別れする決意をしたのです笑
もっと素直に言ってくれないと分からないよお母さん。
おかげさまで私は素直に育っております。
ということから
人の発する言葉というものは
気づかぬうちに相手にとって
棘になっているのかもしれないと
改めて気付いた出来事でした。
さらに、私はずいぶん小さな頃から怖がりだったし、
気を遣う子だったのだなということに気づきました。
今現在も新しいことに取り組む時に「怖い怖い」となるので
「怖さとさよならしたい」と思っていました。
だけど、こんな小さな頃から共存してきた「怖さ」。
これからは
「怖がりとお友達になろう」
と決意しました。
怖がりな自分を許す。
言葉は相手を癒す魔法にもなるし相手を傷つける武器にもなる。
言葉を扱う人間としてこれからも洗練された言葉を使いたいな。