適切な素材が見つからないときもある

「フリー素材」って良いですよね。

何が良いって、各サイトによって利用規約は異なるのでそこらへんは気をつけないといけないけど、比較的安い値段（もしくは無料）で気軽に使えるってところだ。
ブログ記事とかネット記事とか、そういうインターネット上での表現活動が普及してきて、フリー素材を見かける機会も多くなったのではないかと思う。
無料で使えて有名なところだと「いらすとや」さんとか「ぱくたそ」さんとか。とにかく今や大フリー素材時代といっても過言ではない気がする。とにかく簡単に高品質な素材が手に入りやすくなったことはとてもありがたいことではないかと思うのだ。

昔はフリー素材を集めるのも大変だった気がする。書店に足を運んで「素材集」みたいなの買ったりして、それを印刷してほしい素材だけ切り取って紙に貼って、最終的に清書されたものをまた印刷して・・・。母が保育士の資格を持っていたのだが、プリントなどを作るときにはそのようにしていた。

PC用の素材集もあったにはあった。
確か自分が小学校高学年の頃だろうか。その頃には自宅にも一応PCを触れる状況があって、父が比較的にIT周りに明るい人間だったので、父に教えを請いながら地区の子ども会のチラシ的なものを作ることになったことがある。
素材が入ったCDをPCに入れて、フォルダを開くと番号が振られた画像ファイルがどかっと表示されるので、付属の分厚い検索用の本を見ながら「えーとこの芋のイラストは・・・。102.jpegだから・・・。」（どうでも良いが確か秋の催しものだった。）とかやってポチポチと作っていた記憶がある。
まぁ検索のしやすさとかは出版社にもよるのだろうけど、こんなんでも字も汚く絵のセンスもない自分にとっては革命的だった。ただこのPC用の素材集も結局書店なりに買いに行く手間がある。

自分が子どもの頃と今では環境やPCに対する知識も全く違うので単純比較もできないのだけれど、それが今やですよ。
手元のスマホで「いらすとや」と検索してみなさい。そして一番上に出てきたサイトに入って、画面左のほうにある検索欄に「芋」と打って検索してごらんなさい。するとあら不思議、素敵な芋のイラストがいとも簡単にたくさん出てくるではありませんか。しかも基本無料ですよ、奥さん。涼しいお部屋で指一本で完結するんですよ。
インターネットすごい！インターネットかっこいい！Fooo！

「芋」で検索してヒットした画像

さて、少々熱くなってしまったけれど今回の話はここからがメインです。
上記で述べてきたように今やフリー素材を見つけることは容易だ。ちょっと調べれば大体ほしい画像は見つかる。先に挙げた2サイトもかなりのニーズをカバーしていると思う。ただ、そんな現代においても、ほしい素材が見つからない可能性はあるのだ。
下の画像をみていただきたい。

これは筆者がある日利用させていただいた音楽スタジオの張り紙だ。
「備品のケーブルを使用した場合はぐちゃぐちゃにするんじゃなくて、綺麗に巻いて返してね。」ということが書いてあるのだが、この正しい例のケーブルの画像に注目してほしい。

荒い画像で恐縮だが、どう見てもHDMIの画像が使われている。少なくとも音楽用のケーブルじゃない。ぐちゃぐちゃの方の画像はちゃんと音楽用のケーブルなのに、である。逆にこっちの方が見つけるの難しいのではと思ってしまう。この「適切な素材が見つからなかった」であろうパターン、今のところこれ以外見つかってない。

街を歩けばさまざまな掲示物を見つけることができるけれど、その掲示物ができるまでに、きっと千差万別の物語があるのだろうと思う。
今回取り上げたこの張り紙を作った人は、どうやって素材を見つけてきて、どんなツールで、どんな想いで作ったのだろうか。
僕はどうにもそんなことに想いを馳せてしまうのである。