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Football Managerのここが楽しい

1年半ほど前からFootball Manager(以下FM)というデジタルゲームで遊んでいる。
PCゲームで、立ち上げたまま放置している時間が多々あるので実プレイ時間とはかけ離れているが、シリーズの総稼働時間を確認したところ約3442時間だった。24で割ったら143日分くらいだ。1年半を548日と考えると全体の1/4くらいの時間動いていたことになる。
1日平均で6時間以上。睡眠時間と同じくらいの可能性がある。OSかよ。

今回、ボードゲーマーな人々と多人数でFMのリーグ戦を行ってみようという企画にお声がけいただいたので、これを機になぜ自分がそこまでFMを楽しんでいるのかをつらつらと書いてみようと思います。
本当は「FMがボードゲーマーにおすすめな理由」というような記事にしたかったのですが、その観点からだと何も出てこない気がするので、「FMのここが楽しい!」というような感じで、いくつか挙げられたら。

※僕はゲームにおいてもサッカーにおいてもエンジョイユーザであり、そんなに詳しくもなければ真剣に攻略などをしていません。エディタをいじったこともないです。

※「『聖杯サクセション』のデザイナーズノートの続きはどうなったんだ?」ということを思い出してしまった方へ。そのうちフランスの雑誌に、制作のインタビュー記事が載るかと思うので、そちらをもって代えさせてください。フランス語を勉強しておくと役立ちます。

全部は無理、と諦めがつくので楽しい!

FMがどんなゲームかというと、サッカーチームの監督になってチームをマネージメントするシミュレーションゲームだ。いわゆる『サ◯つく』系なのだけれど、基本的に経営よりも監督業に焦点が当たっているゲームだと思う。
なので、プレイヤーは「観客動員を増やして収入をあげよう」とか考えるのではなく「このチームを何とか勝たせよう」ということを考えるのがメインだ。
監督としての仕事は試合自体の指揮をとるだけでなく、選手のモチベーションを上げたり、質の良いトレーニングをさせたり、怪我を少なくするようスタッフを増員したり、良い選手を迎えられるようスカウトを派遣したりもする。やることが…やることが多い…!!
だが、これらは面倒くさかったら全部CPUに任せてしまってもいい。というか任せたいところは全部任せちゃって、自分の好きなところだけやればいいのだ。
多分全部自分で把握して完璧にこなそうとすると、本物の監督業くらい時間がかかってしまう。
出来ることがあまりに多岐にわたっていて全体の把握が困難なため「まあいいや」とある程度諦めることが肝心だ。ゲームに慣れたら少しずつ新しい仕事をこなしていけばいいと思う。

アクションゲームではないのが楽しい!

一番勘違いがありそうだけど、FMはアクションゲームの要素が無い。試合画面を見ると自分で選手を動かすゲームに見えるかもだけど、そこはまったくなくて、試合中は選手は勝手に動いてくれる。

試合中の画面

監督がするのは、選手にどう動けばいいのかを指示することだけだ。選手はその指示に従ったり従わなかったりする。
僕のようなアクションゲーム苦手勢には嬉しい仕様だと思う。

ままならないのが楽しい!

前項で触れたが、基本監督は選手を配置して作戦を指示するだけしかできない。そして選手は指示に従うこともあれば、あまり作戦を遵守できないこともあるのだ。
また、完璧な陣容と完璧な作戦を用意しても、うまくいかないことは多々ある。最強のメンバーなのに、なんか急に調子が悪くて低調なパフォーマンスな時が来る。
現実とは違いゲームなので、ある程度うまくいきやすい手段などはあるが、それでも絶対に勝てる方法なんかは(たぶん)無い。
そこがすごく面白いし、そのままならないところがまさにサッカーぽいなって思う。

膨大なデータが楽しい!

把握できているプロサッカー選手がほぼ全員登録されているんじゃないかっていうデータ量。実に数十万人いる選手を(負荷が凄そうだけど)登場させることができる。
加えて監督やコーチ、スタッフetc……情報の洪水にクラクラするとともに、リアリティを感じて嬉しくなる部分だ。
また、選手の能力値も多岐に渡っている。

選手の能力値

各能力値は0-20まであり、隠しパラメータも存在する。
現実と同様に完璧な選手などおらず、だからこそお互いの長所を伸ばし短所を補うチームをうまく作れると嬉しい。

作られる世界線が楽しい!

膨大な選手だけなら「ふーん」くらいなのだけれど、このゲームが面白いのは(ちゃんと設定すると)それら膨大な選手/チームが、世界中で試合を行い、その結果が生まれていくところだと思う。
プレイヤーのチームと関わっていようがいまいが、世界のどこかのリーグ戦が勝手に進行し、どういう試合だったかの結果が出されていくのだ。
実名のチーム/選手たちが、自分のPCの中で現実と異なる別の世界線を描いていくことには、とても興奮した。

もうひとつ面白い点として、この世界線はPCの中でもやるたびに分岐する。
例えば試合の前にセーブして、試合後に試合前の時点をロードして、同じ選手と作戦で試合を行ったとすると、違う試合になる。
長期的な話でいうと、他のチームから移籍させて大活躍した選手を別のセーブデータで同じように移籍させたところ全然活躍しなくなったり、18歳の急成長している選手を引き抜いて活躍したので、別のセーブデータで同じ選手を取ってみたら、その世界線では全然成長しておらず能力値どころか身長も10cm以上低かった……みたいなこともあった(若い選手は成長の変化の振れ幅が大きい)。
1回ゲームを始めるごとに、新しいサッカーワールドが生まれている面白さが、何にも変え難い魅力だと思います。

半同期(?)オンラインプレイが楽しい!

1年半前から、複数プレイヤーでオンライン同期によるリーグ戦を行っています。
参加メンバーの予定をある程度合わせてログインし、全員が手番を行ったら同時に次に進む。試合日も各々同時に試合を行い、プレイヤー同士のチーム対戦の場合、リアルタイム(45分ハーフ!)で指示を出し合って勝負します。

担当するチームの元々の強さや財力が違うし、時の運で大きく左右されるので、勝ち負けだけにこだわっているとつらいかもですが、弱いチームが下剋上したり、「リヴァプールともう当たった?速すぎて勝てる気がしない……」みたいな共通話題ができたりして楽しいです。

この遊び方をしている人は少なさそうなのですが、FMに対するモチベーションやこの形式でしか味わえないゲーム体験やドラマがあって、オススメです。

サッカーを知っていくと更に楽しい!

僕は代表戦やワールドカップは観るし、海外の有名選手は知っているけれど、好きなチームは特になし、Jリーグもあまり観れてなかったです。

でもFMで遊んだ結果、プレミアリーグで担当したサウサンプトンのことは現実でも気になるし(2023年1月9日現在プレミア最下位😭)、今回Jリーグを始めるにあたって担当する横浜FCを現実でも追っかけ始め、今シーズンがらファンクラブに入って三ツ沢に試合を観に行くことにしました。

ゲームが現実を侵食していく感覚も、このゲームの魅力だと思います。
僕なんかよりサッカーが好きな人は、更に楽しめるんじゃないでしょうか。
サッカーに詳しくない、全然わからない……って人に無理に勧める理由はないのだけれど、それでも少しでも興味があったら試してみてもいいんじゃないかと思います。

ワールドカップでサッカー観て、よくわからないけど面白かった!って方、ぜひFMを始めましょう!


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