無門関第二十三則「不思善悪」現代語訳
公案現代語訳
本則
六祖を、明上座が追いかけて大庾嶺までやってきた。
六祖は、明上座がやってきたのを見て、衣鉢を石の上に投げて寄越し、言った。
「この衣は信を表すものである。力で争うものではない。持っていきたければ持っていくといい。好きにすればいいよ」
明上座はこれを持ち上げたが、山のように動かず、躊躇し、恐ろしくなった。
明上座は言った。
「私は、仏法を求めてきたのです。衣鉢を求めて来たのではない。行者よどうかお教えください」
六祖は言った。
「善を思わず、悪を