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0 愚者

愚者
愚者のカードはタロットカードでは0番です。数字の「0」は無限・無邪気・無謀など、たくさんの「無」がつくキーワードがあります。つまり何も無い無の状態。ここから始まることを意味しています。

みなさんは愚者と聞いてどんな人を思い浮かびますか?

愚者、つまり愚かな人とはどういう意味か調べてみました。愚かとは頭の動きが鈍いさま・考えが足りないさま、ばかげているさま、未熟なさま。
つまり愚者とは思慮が足りない未熟な人、頭が悪い人という意味といえそうです。

一般的には愚者(ぐしゃ)というよりも愚か者と言うことの方が多いかもしれません。

愚者は家も仕事も持たない放浪者。家も仕事もしない人は本当に愚か者なのでしょうか?
何に縛られず、誰の言うことも気にせず、自分の思うまま、したいように自由奔放に生きる姿はとても楽しそうです。
愚者のような生き方を羨ましい、そんな生き方をしてみたい、そう思うことはありませんか。


さて、タロットの絵を見ていきますと一見派手な装いの若者が崖の淵に立っています。

崖っぷちという言葉があるように一見窮地に立たされているように見えますが、彼の表情はそんな様子を見せませんね。
なんだか能天気な雰囲気にも受け取れます。

愚者の頭には自由を象徴する羽飾りが付いており、手には長い棒を持っています。行動と情熱を表す棒(ワンド)、可能性を表しますり棒の先にとても小さな荷物。

反対の手には白いバラを持っています。
白いバラの花言葉は純潔、清純な心を表しており、彼がとても純粋な人であることを意味します。

とても小さい荷物ですから、身軽でどこにでも行けますね。
一見派手な模様ですがよく見るとボロボロの服。彼はそんな洋服にも気をとめているようには見えませんね。まるで自由であることを謳歌しているかのよう。

崖に向かって進もうとしている愚者の姿に気づいて、そばにいる犬が危ないと吠えて警告をしていますが、愚者はそれに気づいていません。
愚者にとって犬の警告は、軽快に進むための音楽のようなものです。

楽観的な愚者は気にも留めず、無邪気に旅を楽しんでいるように見えます。愚者の行動は、一見すると無謀で無計画に感じるかもしれませんが、縛られていないからこそ、自由な発想やアイデアが浮かぶのです。

タロットカードでは左が過去、右が未来を表しますが、愚者が進もうとしているのは崖のある左方向です。何か気になる過去があるのでしょうか。

背景の色は太陽に染められた黄色。黄色は祝福、幸福、物事の好転、繁栄、実り、豊かさ、輝き、満足感、希望を象徴しています。

彼の視線は空に向かっています。空は夢や希望を表し、彼はとてつもなくポジティブな人。
愚者がこれからの先の希望に満ち溢れていることがわかりますね。

ただ背景には水色の氷山が見えます。水色は精神性を表し、氷山は乗り越えるべき壁、境界線です。つまり旅人が精神的な乗り越える壁が行く先に待っていることを意味しています。

ただ旅人は氷山の手前にいるため、まだ氷山に気づいていない様子。これから先の高い壁に気づかないのもある意味幸せものなのかもしれませんね!

自由気ままで、まるで恐れを知らない少年のような愚者。彼は人の目を気にせず、常識に捉われず、自分の気持ちに素直に、好奇心の赴くままに行動します。彼の楽しい事が好きで自由気ままなところは、魅力的ですが衝動的でときに周囲を翻弄してしまうこともあるようです。

愚者のカードは社会のルールや秩序を保つために、自分がやりたいこととはどうしてもかけ離れてしまい、それに縛られてしまいます。
愚者のカードは自分自身の本当の姿、本当の幸せ、本当の目的を改めて教えてくれます。

人生1度きり。
自分に素直になることは大切だということを愚者のカードは教えてくれていますね。

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