あん☆楽しい!

※最近あんスタに興味を持ってくれたお友達向けに書いた記事です。


☆あんさんぶるスターズ!とは?

男子アイドル専門の育成校・夢ノ咲学院での日々を描いた『あんさんぶるスターズ!』(2015.5~2019.3)が配信され、後に従来のゲームシステムを引き継ぎ、過去ストーリーのデータベースも兼ねた『あんさんぶるスターズ!!Basic』、3Dモデルを用いた音ゲー要素が追加された『あんさんぶるスターズ!!Music』の二種類になった。(2019.3~)
(以下『あんスタ!』を一期、『あんスタ!!B/M』を二期と表記する)
双方で配信しているストーリーは同様だが、入手できるカードなどを同期することはできない。(もし両方のゲームでカードが欲しければ、両方のイベントをそれぞれ走らなければいけない)
1期は約4年間配信されたが、夢ノ咲学院での1年間を現実の季節イベント(7月なら七夕など)を交えながら1年×4回ループしていた(サザエさん形式)。そのため学院内で行われる複数のユニットが参加する大規模なライブイベントなどは、参加したそれぞれのユニットの視点で物語を楽しむことができた。
2期は1期から学年が1つ上がり(1年生→2年生、3年生→社会人)、舞台が学院生活から各ユニットが所属する芸能プロダクション(が複合したESビルという大規模オフィスビル)に変わっている。
一応『私』というポジションはいる(1期では転校生、2期ではプロデューサーと呼ばれている)が、場のオブジェ程度にしか出てこない。



☆ストーリーの種類について
あんスタのメインコンテンツとなるストーリーにはいくつか種類がある。

・メインストーリー
配信されている全てのお話の主軸となるストーリー。

1期→既に完結済みで、第一部~三部まである。まずはこれを読もう。
全てのストーリーの源であり、アニメや2.5次元の主軸になっているのは1期第一部。リリース当時実装されていたキャラクターは全員登場している。第二部、第三部は後に追加され、全て独立した話。

2期→第一部、第二部完結済。1.5部が2022.6〜開始予定。
2期の第一部では、2期になる際に追加された新しいユニット2組に焦点が当たる。既にアイドルとして活躍している既存キャラクターたちも登場する。
第二部は2021年4〜12月まで連載。SSというアイドル全国大会のために全国各地でアイドルユニットがしのぎを削る。

・イベントストーリー(キャンペーンストーリー内)
月に2回開催される限定イベントに付随するストーリー。
ライブをこなし、一定数のポイントを稼ぐことで読むことができる。
主にユニットに焦点が当てられ、彼らがライブやお仕事(ドラマ・CM撮影など)に取り組む姿を見ることができる。
また、イベント期間が終わった後に読む方法は主に2つある。
1.次のイベスト解放期間を待つ
2期以降のストーリーについては、現在開催中のイベントの中心となるユニットの過去ストーリーがイベント期間限定で公開される。(次は流星隊のイベントなので、流星隊に関連する過去イベントのストーリーが全て読める)
真面目に読まなくても既読さえつけてしまえば後からゆっくり読み返せるので、イベント期間中にとりあえず一度ポチっておくのがオススメ。
2.ダイヤでこじ開ける
今すぐ読みたい!!という時にはダイヤで開けることができる。
1話解放につき3個ダイヤが必要だが、ストーリーを読めば1個貰えるため、実質2個で1話解放できる。

・スカウト(ガチャ)ストーリー(キャンペーンストーリー内)
番外編のストーリーだが、既にメインストーリーより話数が多い。
メインストーリーは主軸となるユニットが決まっているが(1期はTrickstar、2期はALKALOID)もちろんそれ以外のユニットや、ユニット以外の関係性(クラスメイト、部活、幼馴染、因縁、寮の同室など)にもスポットが当てられる。
思わぬ仲良しっぷりが見れることもある。推しキャラの分だけでも網羅したい。
長らくスカウト対象のカードを引かないとストーリーが読めない仕様だったが、2期においてスカウト開催期間中は無料で読める仕様に変更された。
現在「フィーチャースカウト」「テーマスカウト」の2種類があるが、どちらにもストーリーがついてくる。忘れず読もう。

・アイドルストーリー
アイドルたちの人となりを知るにはまずおすすめ。
第一話は全キャラ解放されており、第二話と第三話はアイドルランクを上げることで読むことができる。(ざっくり言うと、そのキャラクターのカードを組み込んで何度ライブをしたかでアイドルランクが決まる)
また各キャラクターのページから「そのキャラが他のどのアイドルストーリーに登場しているか」も確認することができる。

・ミニトーク他
ミニトークはイベントの回数をこなすと読むことができる。イベントに関するちょっとした小話だが、さほど重要ではないので気が向いたら集めよう。
ハロウィンやクリスマスなどの季節イベントなども収録される。(されないこともある)
この辺りはあくまでもお楽しみ要素、重要な情報などは含まれていないので追々ということで。



☆あんスタ!!の楽しみ方
アプリの内外で色々な展開をしているので、どこから入るも自由。

・アプリゲームその1(Basic) ※オススメ
本家本元。一応一期のデータをそのまま残せるので、人によってはRANKが10000とかに達している人もいる。
ながらゲー向きポチポチゲー。一切脳を使わなくていいシステム。イベントのランキングボーナスも、時間的にも課金的にもほぼ労力を使わず取れる。(※1枚なら)
上記の通りストーリーのデータベースとしての役割が大きく、1期の頃に配信されたストーリー(1000話超)を全て読むことができる。(2期以降のストーリーは、新たに配信された2期メインストーリー以外はイベントを走らなければ取れない。上記の方法で解放可能)


・アプリゲームその2(Music/音ゲー) ※オススメ
本家その2。現在はこちらに一番力が入っているかと思われる。
キャラクターたちが3Dモデル化され、彼らが歌う曲にMVを付けたものが随時配信されている。
所謂音ゲーで、初心者向けの人差し指一本でできるものから蟹が作ったんか?って思う譜面まで難易度は様々。
一応公式としては曲を歌っているユニットに合わせてMVを作っているが、これは任意のキャラクターに入れ替え可能。曲とキャラは始めた時点で現時点で実装されているもの全てが解放されている。(課金不要)
じゃあ課金で何を手に入れるのかというと衣装及びSPP。カードにこれらの要素が付随しており、これの入手でプロデューサーは四苦八苦している。
一応カード1枚手に入れれば衣装そのものは解放できるのだが(育成素材は必要)、同じカードを3枚集めると色違いの衣装が貰え、5枚集めるとなんとその衣装を3Dモデルに着せられるものだからもう必死。とんだドラゴンボールだね。
SPP(スペシャルパフォーマンス)は、音ゲー中に出て来る大きいノーツを押すと、パフォーマーに設置したキャラが特別なパフォーマンスを見せてくれる。更に☆4以上のカードであれば、そのキャラだけの固有モーションを見せてくれる。カードを重ねてもSPPが変化することはない。
月2本既存曲+MV、1年かけて14ユニットに1曲ずつ新曲+MVが追加される。


・曲
アイドルゲーだからもちろん曲がある。
1期が配信された2015年後半から出始め、曲数は既に200曲越え。ユニット、シャッフルユニット(各ユニットからメンバー寄せ集め)、フュージョンユニット(Aユニット+Bユニット)、ソロ曲と盛りだくさん。
曲はとても多彩。正統派アイドルソングからロックからEDMからゴシックからジャズから和風から民族調から、とにかくこの世にある全てのジャンルを網羅するかのように、各ユニットの色を取り入れながら様々な曲が作られている。
特に最近は既存アーティストのコラボも多く、ALI PROJECT、ヒャダイン、シド、ナオト・インティライミ、まふまふ、和楽器バンド、ポルノグラフィティ(編曲)などから楽曲提供を受けているものもある。
itune storeなどで配信されている。なんならだいたいの曲がSpotifyで聞ける。


・YouTube(オススメ)
MusicにてカスタムできるMVは、YouTubeでオリジナルを見ることができる。
ミックスリストに入れてぼんやり流しておけば、ちょっとしたフェス気分を味わいながらだいたい各ユニットの特色を把握できるので「このユニットのコンセプト好きだな」「この元気な子が気になるな」など、とりあえず「ちょっと気になる」を見つけることができる。
また
・毎月恒例のラジオ・最新情報発表番組
・料理人と二足のわらじキャラの中の人(料理上手)による、声優ゲストを招いたお料理チャンネル
・あんスタ立ち上げ当初から楽曲提供している作曲家による提供楽曲・ライブ演出などの解説番組
・中の人たちが語るグッズ紹介番組
・中の人たちが語るメインストーリー解説番組
・謎マスコットたちによるイラスト・MV・音ゲー譜面などの製作裏側暴露番組
などが恒例化している。


・リアルイベント
所謂現場!チケット取れない。

・声優ライブ
よくある中の人ライブ。
特に初期キャラはライブ歌唱がNGのメンバーもいるので揃わないユニットもあるが、毎回日程を分けて7~8ユニットほどが参加してくれる。この前(7.8月)は頑張ってEden(諏訪部花江内田逢坂)呼んでくれた。

・バーチャルライブ
所謂ミクとかのやつ。3Dモデルをスクリーン投影して、キャラがキャラとして登場してくれる。
毎回ポリゴン技術が上昇しており、現在は遠目から見たらほぼ人間。Musicと一部モーションが同じ(というかバーチャルライブの動きをMusicに反映している)だが、曲がフルだったり全景が見えたりととてもお得。
実はMusicより歴史が長く、次回(春夏公演)で6回目。年に1~2度幕張メッセとかでやる。

・カフェシナモン
「あんスタ!!内に登場する店」がそのまま存在してる。(聖地などではなくゲームリリース後に作られた)
よくあるアニカフェ系ではなく、作中に登場する「キャラクターたちが度々利用する、あんスタに登場するオフィスビルの中にあるカフェ」がコンセプト。池袋のオフィスビル一等地に常設。
内装などはゲームに登場するそのまま、カフェメニューも「キャラクターが作中で食べた/飲んだもの」などはあるが、特にそれについて言及されることもなく、ただのカフェですよーという顔で営業されている。
ただし入店にはローチケでの事前抽選が必須であり、よく何も知らずに入ろうとする一般人を店員さんが申し訳なさそうに止める姿が度々目撃される。
営業開始から半年ほどだが大繁盛。あんスタのオタクで常にいっぱい。

他にも現実世界のイベントとのコラボにも力を入れており、最近は花火大会の協賛になりあんスタの曲に合わせて打ち上げてもらったり、キャラクターがあくまでもキャラクターとしてプラネタリウムのナレーションを担当したり、化粧品(アイライナー)の宣伝キャラクターになったり……というキャンペーンが絶え間なく行われている。


・アニメ
2019年7月~2クールで放映された。
1期のメインストーリー、いくつかのイベントストーリーを寄せ集めて作られた。来年3月に映画がある。
ストーリーはだいたい分かるが作画や演出センスは賛否両論。最小限の手間で手っ取り早くストーリー把握したいなら便利。


・2.5次元(オススメ)
流行りの2.5次元業界にももちろん参入している。
メインストーリーから一部イベントストーリーまで網羅しており、2期追加キャラ以外のほぼ全キャラクターが登壇している。
楽しいのは舞台中に何度もライブがあり、私たち観客がそのままライブの観客としてペンライトやうちわを振って応援できる(発声は禁止)。ただし吹き替えではなく俳優歌唱なので、どうしても歌唱力に不安が残るユニットもある。
それを差し置いても「リアルの人間が」「キャラクターとして」パフォーマンスしてくれるので、現実の夢ノ咲感はどのコンテンツよりも高い(ユニバのコナンやワンピースみたいな感覚)。俳優はベテラン:新人が3:7~4:6くらい。
最近は「一部キャラクターたちが所属する演劇サークルの旗揚げ公演(演目は西遊記)」なんてものが行われた。(舞台上で演じる人物/俳優の間にキャラクターが入っている感じ)
めっちゃ面白かった。個人的に入門としてめちゃオススメです。


☆あんスタのストーリーここが面白いよ
頭からつま先まで私見です。でも語らせてください。

あんスタのストーリーが面白いのは『物語の多面性』『一人称視点を最大限有効活用している点』だと思っています。
あんスタには三人称視点、俯瞰的な神の視点が存在しません。各々のキャラクターがあくまで主観的に、自分の信念に基づいて発言し、行動しています。
当然そこから食い違いが生まれることもあります。例えばAがBのためによかれと思ってしたことがCにとっては都合が悪かったり……そしてそれについて和解や弁解の機会が得られるとは限りません。食い違いが食い違いのままどこまでも物語が進んでいき、ある日突然トラブルの火種になったりします。全てが大団円、丸く収まるわけではないところに世知辛さを感じてしまいます。
キャラクターたちの気質は基本穏やかで、例えば顔を合わせれば悪態をついて喧嘩する、といった関係性のキャラはほぼ皆無ですが、「〇〇とは永遠に分かり合えない」と多くのキャラに思われているキャラクターは存在します。二次元のキャラクターとは思えないほどリアルな軋轢がそこにあります。正直どぎついです。
そして私たちも、推しの信念には肩入れしたくなるし、それに相対するキャラクターがいればどうしても敵意を持ってしまいます。よく「あんスタまたストーリーで燃えてるw」って言われるのはこの辺りが所以かと思われます。誰もが信用できない語り手であり、彼らが語る物語を盲目的に信じているからこそ、思い入れが激しくなるのです。(実際に作中・外で暴走するファンが少なからずいるのは事実……)

メインライターの日日日(あきら)先生、本当にこの手のアイドルゲーのライターとは思えないほど癖があって敵を作りやすい作風と性格をしていますが、だからこそあんスタのストーリーは「あーだいたいこんな感じで丸く収まるな」の一辺倒で進まないのが面白いです。
そのキャラクターが人生単位で抱えている悩みやトラウマがたかだかイベントストーリー1つで解決するはずもなく、サービス始まってからの6年間ずーっと抱えっぱなしの子もいます。まだ悩んでるんかい!って思ったりもしますけれど、だからこそ安っぽくない。彼らが人生単位で付き合っていかなければならない問題なんだなと思うし、解決はしなくても少しでも視点が変わるような出来事があればそのひとつひとつがすごく嬉しく思います。
各キャラクターにしっかりとした厚みがあり、その掘り下げ方が人生単位なので余計に思い入れが生まれます。アイドルとしての面じゃない人となりに魅力を感じること、現実のアイドルでもあるなって思います。
私は6年前にあんスタを始め、そのリアルさに何より惹かれました。人生のどこかで抱えた悩みや痛みを彼らがなぞり、藻掻きながらも前に進んでいく様に、あんスタのテーマである『青春×アイドル×高校生』を感じました。

瀬名泉があるストーリーで「嘘でも何でもいいから笑って、それに値札をつけて売り払うのがアイドルでしょ?」って言いました。本当に大好きな台詞です。
私はプロデューサーとして裏側からアイドルじゃない時間のアイドルを見つめ、その内面に触れ、その上で彼らが『アイドル』として舞台の上に立っている、というところまで見ています。彼らの葛藤を描いたストーリーが裏側にあり、その上で彼らがアイドルとして歌う曲があり歌詞があります。あんスタはリリース当時から関わっている楽曲製作班がいるので、よりストーリーと密接した曲を作り出してくれるので、思い入れもひとしおです。イベントの内部的な要素、本来なら外注の寄せ集めであるはずのストーリー×曲×イラストを一つのチームで製作しているからこそ、より密接したものができるのだと思っています。
そうして提供されたものを私たちはプロデューサーとしても、誰でもないファンとしても楽しむことができます。物語の裏側を見るのが辛くなれば、ただのファンとして彼らがアイドルであるライブやMVだけ見ても構わないし、もっと彼らを深く知りたいと思えば溺れるほどストーリーを読めばいいと思います。
二次元のくせにあまりにも彫りが深すぎるせいで、たまに本気で「推しに幻滅した」みたいなことは発生するのですが……(アイドルらしからぬ打算や欲望を目撃することもあるので)
きりがないので無理矢理〆にかかりますが、そういう程よい「二次元が出せる程度の生のアイドルらしさ」を味わいたいときに、あんスタ、どうですか~!

あと大事なこと↓
・男同士の感情が重すぎて「BLか?」って思うことはあります。(具体的なそういう描写があるわけではありません)
・魔法とかは出てきませんが、ちょっとしたファンタジー要素やトンデモ要素はあります。(どうやら人外らしき人がいる、暗殺訓練を受けてきたお家の子がアイドルしてるなど)



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