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責めないで…

母はグループホームに入所している。
加齢と共に機能が衰え食が細くなってきたこともあり、コロナが五類に移行となったことを機に、週に3回昼食の食事介助に通っている。
これはいろいろな事情を鑑みた施設側が配慮してくれたこと。
恐らく残る時間が少ないのに、家族ができることが少ないことに対する配慮。

本当にありがたい。

この4カ月通ったけれど、褥瘡が良くなったり悪くなったりで、結局提携する病院に入院することとなった。

今のグループホームは本当にスタッフの方が温かくケアをしてくれて、私も癒されたし母のことも安心してお任せできた。
母が入所して間もなくコロナの感染拡大があり、施設との距離は遠かったけれど、食事介助の機会をもらったことでかなり距離は縮まった。

このままこのグループホームにいられたらなぁ…と心底思う。
グループホームは生活の延長だが、病院はそうではない。
日常生活の中に母を置きたい…という気持ちが強い。
自宅に連れてこようか、と思いは逡巡するけれど…それが一番母にいいとは思うけれど…いくら在宅ワークでも、打合せもあるし付き合いもある。
簡単なことではない。
まずは、療養型の病床に入院、褥瘡がよくなれば介護医療院に転院…という流れで、その先のことは自分にできることを計りながら短いスパンで臨機応変に考えていきたいと思う。

入院のことを兄に相談した。
兄も多分不安なんだと思う。
母の今後のことを考えると寂しく、悲しいんだと思う。

「もう覚悟しなきゃならないんだよ」
「もう入院しちゃったら戻れないんだよ」
「もう回復は無理ってことならしかたないじゃないか」

決して責めているつもりはないと思うけれど、なぜか説得するような言い方をする。
それが責められているように感じる。

けれど、実際施設や病院側と面会のことや今後のことを相談したり交渉して現在の状況をわかっている私にしてみれば
「しょうがないじゃないか」
と思う。
大事なのは、母が苦しくなく生活することだから、それに必要な努力はしている。
その上で、今、そしてちょっと先のことを考えたらやっぱり入院するのが良いのだから受け容れるしかない。
努力をしても入院となることについて無念な気持ちはある。
だから、ごちゃごちゃ言わないでほしい…本当につらくなるから。
実際の介護についてはほとんどしないのに、現実をちゃんと目で見てわかっている私に、悲観的なことばかり言い連ねないでほしい。
否定的なことを言わないでほしい。

自分の不安を人に言い連ねることで、自分の負担を少しでも軽くしたいのか。
私が何も不安を感じずにいると思ってイライラするのか。

似たようなことが前にもあり気持ちを相談していたことがあった。
けれど最終的に言われた言葉は「被害妄想かよ!」という言葉だった。
だから、わかり合えるとは思っていない。
痛みを分かち合えるとは思っていない。

この4カ月の食事介助で、母の状態に一喜一憂する自分を自身で諫めながらも、やはりだんだん落ちていく母の状態を受け容れていくしかなかった。
私が母と同じ立場だったら、娘や息子にどうあってほしいだろう…。
そう思いながら、少しずつ受け容れていった・

それでも急に寂しくなって眠れなくなる夜もある。

だから、責めないでほしい。
認知症になった母を10年以上支えてきた、と思う。
でもやるだけのことはやった…と悟ることもできず気持ちは中途半端でいる。
今は、責めずに
「ありがとう」
の一言が欲しいと思うのは、わがままなのかなぁ…。

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