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母帰る

今日、母が3年ぶりくらいに帰宅した。
滞在時間は3時間くらいだったけれど、一緒に雑炊と茶碗蒸しとゼリーを食べて、昼寝をして帰って行った。

昨日食事介助に行ったとき、むせ込みもあったしゼロゼロした咳もしていて
「誤嚥が出てきたのか」
ととても落ち込んでしまった。
嚥下障害がこれ以上進めば、たん吸引もしなきゃいけないだろうし、そうなったらもうグループホームにはいられない。
入院してしまったら、また会えない。

今日その話を施設ケアマネさんにしたら
「咳は恐らく季節性のもので誤嚥はまだ大丈夫ですよ」
と言ってもらえた。
ホーム長が医療の方なので、定期的に胸の音も聞いてくれている。
ちょっと安心した。

天気予報もころころ変わるこの季節、キャンセルを繰り返す可能性があるので介護タクシーや、介護車両のレンタカーを予約することに躊躇した。
キャンセル料が発生するのは仕方ないにしても、急に使いたい、といういことに対応できないだろうと思ったから。
相方の知り合いに介護車両を借りることができた。
車いすが4台も乗る大きな介護車両(笑)
施設の人がびっくりしていた。

夕べのうちに茶碗蒸しを作って、今日は朝早くに相方と一緒に車を借りに行った。相方を会社に送って一回帰り、大きなワゴン車を運転し慣れているお婿君にお願いして母を迎えに行った。

ここ数カ月、ベッドに入っている母しか見ていなかった。
車いすに座っている母を見たのは久しぶりだった。
自宅に帰って、数段の外階段や上がり框を車いすで上がって家に入った。
リクライニングができるマッサジチェアーには、お婿君が抱き上げて移乗してくれた。

わかっているのかわかっていないのかはわからないけれど、何となくほっとしたように、うれしそうな母の様子だった。

去年に比べると覇気はない。
表情も乏しい。
それが悲しい。

でも自宅にいる母を見ることができたのは嬉しかった。

娘がふざけて炭坑節を踊ったら、にこっと笑顔になった。
食べるのに時間がかかるのでいつもは冷めてしまう昼食も、途中で温め直したらよく食べてくれた。

体調的なことを考えると、3時間くらいが今はいい。
もしも調子が良くなっていったら、半日くらいいられたらいいな。

グループホームでも本当に良くしてもらっていてありがたい。
でも、自宅はやはり母にとって自分が生き生きと動いていた場所。
定期的に外出ができるよう、できることは頑張ろうと思った。

お婿君に車いすに移乗してもらい、また車いすで上がり框、外階段を下り、車に乗って母はグループホームに戻った。

お婿君と一緒に、菓子折りを買って、ガソリンを入れて車を返却に行った。

帰ってきたらぐったりしてしまった。
思った以上につかれていた。

緊張していたけれど、無事に今日が終わった。
ほっとした。


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