HALO P.M.S Origin Ⅱ
(注)本編とは内容が異なります、ご注意ください。
フォアランナーと古代魔法少女たちがその犠牲の果てに遺した平和。しかし、それは長くは続かなかった。人類は争いを始め、惨事の連環を彷徨った。
その影で、少女たちの願いと希望があった。
そして絶望と悲しみがあった。
その悲しみと絶望が生み出した呪いが、新たな流血を生み出して行く。
地球上を呪いと戦いが覆い、終わりは来ないかと思われた。
しかし、そこで流された血と涙は決して無駄では無かったよ。
多くの犠牲が社会を新たなステージへと導く礎となり、何より争いの中で人類は『救済の種』を見つけることになったのだから。
でも、同時にそれは『破滅の〈種〉』にもなりえた。
実を結ぶには時間が必要だったし、簡単じゃなかった。犠牲もまた大きかった。
人類は身近な個体の生き死にには敏感だ。しかし、顔も知らない赤の他人に対しては冷淡で容易に憎悪を抱く。
人類はその種にとって、無意味とも言える破壊と流血の連鎖を繰り返し、地球を傷つけて行った。
時には自分たちの信じる正義や理想のもとに殺戮が行われた。
でもね、人類はその時、血糊の荒野から顔を上げ、星を見上げたんだ。
手を伸ばし、新たな地平線を見つけることを諦めていなかった。
この時、人類は共通の目的、同じゴールに向けて、一つになろうと努力した。
そして、人類はようやくこの星が、自分たちの目的には小さすぎ、窮屈になってしまったことを認識した。
必然から、他の世界を求め始めた。
《呪い》と《絶望》の病から逃れ、成長し繁栄できる場所を。
最初の船団が太陽系を離れようとしているのを見た時、僕たちは思わず問いかけた。
「今度は上手くいきそうかい?人類」と。
でもそれすら、案の定というか、人類の根源的な欲求を抑えることは出来なかった。光を超える速さで、より遠くへ行く術を手にしても、その本性は引きはがせなかったんだ。
以前に根付いた欲求や不満はほんの些細なきっかけで、顔を出す。
それぞれのエゴ、または信じる《正義》により、人間は母星を離れても、争いを繰り返していった。
争いは魔女の呪いなどではなく、君たち人間の中に潜んでいたんだ。
そして、少女たちの希望と絶望もまた然り。
そんな連鎖に気付き、その運命から解放されようとする魔法少女たちも現れた。
しかし、そのために用いられようとした手段は、まるで自分たちを産み出した人類の社会−歴史そのものへの復讐の様でもあった。
人類は古から、夜空の星に答えを求めてきたけれど。
その答えに常に満足したわけじゃなかった。
そんな時、人類の存続そのものを脅かす《敵》が、宇宙の深淵より現れた。
人類が一つになる時、共通の敵が出現し、絶滅の危機に瀕した時のみだ。
新たなる敵の名はーーコヴナント。
恐るべき強大な敵が人類への侵略を開始したのに対し、魔法少女たちは今までのしがらみや確執を抑え
やがて、一つの旗の下に結束した。
信頼できる者たちの手を借り、自らの存在を明かし
人類の一軍として、種の存続を懸けて、戦うことを選んだ。
人類の悲しい本能をコントロールするために生み出された兵士や兵器と共に。
魔法少女の解放を願って生み出された力が人類を守る盾となり、人類の敵を討つ為の剣となった。
種の存続をかけた戦いは、熾烈を極めた。
魔法少女もまた一人また一人と倒れて行く。
悲しむ間も無い、激しい戦いの中で魔法少女たちはあることに気が付いた。
希望は単なる絶望の裏返しでは無い。未来を見据え前に進み、生き延びる為の本能、絶望に殺されない為の意思なのだ、と。
そして、激しさを増す戦いと、そこから生み出された無数の嘆きに引き寄せられるかの様に、古からの悪夢が蘇った。
新たな《共通の敵》の出現に、直前まで争っていた人類とコヴナントは手を結んだ。
感情と独立した意思のある全ての生物が持つ、生きようとする意志ーー希望。
それがやがて正義の勝利を信じる心となり、強大な闇を打ち破ると信じて戦い。
やがて、大きな光となって......
闇を撃ち砕き。
その結果、掴み勝ち取った共通の平和が訪れた。
宇宙は、まだ誰も知らない神秘や謎-秘密に満ちている。
秘密の中には、僕たちインキュベーターの様に時間が意味をなさないくらい昔から存在するものもあれば、
君たち魔法少女の様にまだ誰も見たこの無い、無限の可能性を持つ力もある。
中には触れるには覚悟のいる物や、
知らない方が良い物もある。
生物としての根源的な恐怖。
フラッドやHALO
魔女だって、そうしたものの一つだ。
スパルタン
サンヘイリ
ジラルハネイ
そして魔法少女
宇宙には戦士がいっぱいだね、どうして戦士たちは戦い続けるのかな?
この宇宙から戦士が消えることはあるのかな?
無いね、永遠にない。何故なら、戦いは心を持つ生物が持つ共通の本能なのだから。
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