皇国の戦神子

未分類・箇条書き

(続)
後世において新城と静香の関係は、様々な説話が作られたが正確な記述は少ない。新城直衛をやたら美形の役者に演じさせたがる脚本家の書いたものなどその最も足るものだ。そうした作品は大抵、新城と静香の関係を年齢や階級を越えた男女の仲としたがる。

実態はそうした説話とは大きく異なる。それは一般的に美形で背の高い役者が演じる新城だけではない(実際の新城は十六尺五寸=165cm前後で、顔はブサイク通り越して凶相)。静香と新城の仲は恋仲とまでは行かなくとも、互いに好意的な感情は抱いていたと解釈されている。

2人が戦場で為したことや地獄の戦場を生き抜いたことから、2人には強い絆があったと主張する者は多い。
特に、2人に面識はないが戦場から帰ってきた者はそう言う。

 しかし、実際の二人の関係はそんなものではなかった。確かに、静香は新城を上官や野戦指揮官として信頼していたが人として、ましてや異性としての好意や尊敬の念は皆無に近かった。むしと人間としては軽蔑を通り越して嫌悪すら抱いていた。

 

 





大協約世界においても〈円環の理〉は存在し、機能している。
しかし、これでも力を使い果たすと死んでしまうということに変わりがなく、〈皇国〉ではそういう者だと受け止められている。


時女一族の里や霧峰村は駒城家の領内―虎城山地にある。

新城が すなお からの匿名のSOSを受けて、匪賊討伐と称して霧峰村を訪れる。そこで、川に流されていた静香と ちはる を発見し保護した。

これを機に神子柴が成敗され、静香は新城の勧めで軍に入隊し軍学校での教育を経て、新城の基に配属される。


〈皇国〉を侵略する〈帝国〉では国教である拝石教の教えにより魔法は「背天ノ技」であり、魔法少女は『魔女』として迫害されている。いろいろ問題はあれど、〈皇国〉は魔法少女が人として生きられる数少ない国なので、魔法少女たちは国を守るために積極的に軍に志願してきている。

また、


魔法少女は皇国において度々、戦争や政治の道具にされることがあるが、それでも魔法少女というだけで迫害され、殺される恐れのある《帝国》よりはマシ。

皇国における魔法少女の立場

社会的な地位はそこそこ認められている。

通心術(テレパシー)をつかった遠距離通信により皇国の通信網や
郵便制度を支え、軍に於いては兵士として戦うなど活躍を見せている。

大人や第三者が脅迫や虚偽により魔法少女の素質を持つ女児に、願いをかなえさせるのは犯罪として罰せられる。
願いの結果と、因果関係が証明できなくともソウルジェムを本人の意思に反して、生成させることが問題視されている。(法律上の扱いは自殺の教唆や強要と同じ)

 歴史

 魔法少女は皇国の皇室との歴史的な関わりが深い。初代英帝が、皇国の五州制覇を決意した時、その下に馳せ参じ英帝の覇道を手助けし、諸将時代以前の国の統一に奉仕したことが歴史として残っている。その後の諸将時代では将家の家臣や武士と共に戦い。時に権力者の伴侶から護衛など様々な役割を果たしていた。
 必ずしも良いの時代ばかりではなく、〈滅魔亡導〉のように迫害された時代もあった。


 現在でも魔法少女は多くの問題に直面しているが、少なくとも〈皇国〉は彼女らにとって人として暮らせる国である。

 軍事

魔法少女は「近代国家は暴力装置を独占すべし」という考えから、軍に所属することを推奨されている。(最低でも2年以上の軍歴の後、予備役登録を経て市井に戻る事が多い)

 特に、諸将時代のこともあり軍隊においては早くから有用性が検討されていた。

ジェンダーの観点ー―当時の皇国における性差別的な傾向から、男性の兵士もしくは将校の監督・指揮のもと闘う。こうした魔法少女たちの監督・指揮を担う将兵を作中では『道術兵』と呼ぶ。

もっとも、正式な兵科として採用されたのはつい最近で、それまでは「通心兵」や、将官・高級将校の「個人副官」として少数が採用されていただけだった。

道術兵と魔法少女ーーこの呼び方は後世に一般化したもので、戦争があった当時は「戦神子(いくさみこ)」または「巫(かんなぎ)」と呼ばれていたー―は高度な信頼関係が要求される。巫が指揮者である道術兵に不信感や信頼の欠如があると、連携に支障をきたし、万が一にも力づくで反抗されれば命は無い。

陸軍において戦闘部隊の兵士として集中的に運用されたのは、第11捜索大隊が最初で、それ以前には近衛軍でしか編成されていなかった。

近衛軍では衆民軍と禁士軍を問わず導術(=魔法少女)部隊が編成されていた。衆民軍では出自が衆民ばかりで、数は多いが魔法少女一人一人の能力は高くない。一方で襟士軍は将家や貴族家の血を引く者が集められており頭数は少なくとも一騎当千の実力を持つ者が集められている。


なお、個人副官は本当の意味で秘書やボディガードとしての能力を期待されての事。とくに、通心(テレパシー)による通信能力が重宝されている。一方で、一部の将官による性的虐待や痴情のもつれによる死亡事故も問題になっている。



登場人物


時女静香

 主人公。救国の英雄・新城直衛と共に戦い、《帝国》の侵略から国を護った伝説の魔法少女の一人。

 新城直衛に仕える巫であり種別は「機動打撃型戦神子”Strike Witch”」。

 かつて、隠れ里だった霧峰村で神官だった神子柴に殺されかけたところを現在の上官である新城に救われ、その後、彼の勧めで同じ時女一族の血を引く巫たちと共に陸軍道術学校に入学。卒業後、新城の基に配属される。

 新城が優秀な軍人であり、その能力を認めているが一方で彼の性格や人柄は嫌っている。

 平然と人を殺し、戦いを楽しみ、必要とあらば手段を選ばないがその一方で人一倍臆病でありまた傲慢な振る舞いも辞さない彼の人格に嫌悪を抱いている。

紅晴結菜

 学校で一期上だった。

 軍導術学校時代は学生長を務めていた。

 風紀維持に務めており、利己的な理由から反攻した学生を教官に替わり制裁することもあった。軍学校で反乱がおきなかったのは彼女の存在が大きい。

 学生、兵士としては模範生で、学業も優秀。

 魔法少女になる前は女学校の生徒会長も務めており、彼女がその時果たした功績は、皇国の教育史上における学生の自治という観点から特筆すべきものがある。

 実家はとある街の市長だった。

 かなりのプラグマティストで、現実主義的なところがある。

 新城直衛の人柄はもちろん外見も好いていないが、その考え方や軍人としての能力の高さをだれよりも認めている。

 静香以上に新城を評価している。

 生まれるのがもう少し遅ければ、また魔法少女として契約しなければ、皇国初の女性政治家になっていたといわれる。

藍家ひめな

後の歴史のおいて、新城直衛と共に国を救った魔法少女三羽烏の一人に数えられるが、評価はよろしくない。

 戦時中は「特技戦術神子”Especialy witch”」として活躍。

静香と同じ導術兵学校で営内居室も静香と同じだった。

本州防衛戦から新城の近衛第501統合任務大隊に配属される。

軍学生時代に新城が行った戦史学と彼の見解を「面白い」と評価した。

新城について異性としての魅力は無いが、その思考や人柄について気に入っている。

かなり破滅的な思考の持ち主で、魔法少女は人間の上に立つべき。という危険思想の持ち主。

 ひめな は新城に対して、異性としての魅力を感じてはいないが、彼の感性や考え方、そして彼の持つ狂気に対し強いカタルシスを覚えている。新城は彼女の本質を見抜いており、ひめな もそれを理解している。魔法少女至上主義とも言うべき考えを持っている彼女にとって、新城は数少ない彼女が認めた人間である。

戦後は、謎の死を遂げており、かつて自殺した幼なじみの後を追った心中説や、一方で彼女が常日頃から唱えていた「魔法少女至上主義」に基づき、反乱を起こそうとして、皇室魔導院に所属する魔法少女に暗殺されたのではないかと言う説もある。

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