マギレコ×red Eyes (ハーメルン版下書き)

不可能を可能にする。それが巫だ!!

「聞こえますか!?大尉(静香)」
別の斜面
『聞こえますか!?大尉(静香)』
「何!?」
静香は慣れていない坂と森でも適確に敵との距離を詰めながら進軍していた。
邪魔な木を逆に遮蔽物として利用しつつ、銃弾が貫通する距離まで接近し、木の陰に隠れた兵士を屠っていく。
敵兵に銃弾を見舞いながら静香は ちゃる の声を聴いていた。
『やっぱりこの”作戦”は無謀ですって!』 
『敵陣を強行突破して重野戦砲を破壊するなんて作戦とも呼べません』
静香は手を止めることなく淡々と応じた。
「狙撃手が居ない以上、他に方法は無いわ。この森の中ならばあの精密狙撃砲でも私たちの正確な位置はつかめないはずよ」
襲ってきたまた別の敵を倒しながら
「私たちは何としても第3軍と合流する。そのためにここを突破しないといけない。違う!?」
『それはそうですけど……』
「ならば…….やれるだけのことをやるまで!」

「奴の恐ろしさは私も良く分かっているわ。餌食になった魔法少女をいやと多いうほど見てきたもの」
魔法少女の気配感知の有効圏外より高精度で連射される155mm徹甲弾。狙われれば最期。撃たれたことに気付く前に撃ち抜かれる……正に『見えざる鉄槌』。
『先の九州防衛線では陸揚げされたその自走砲が五門……三個機甲大隊が…….』
通信越しの ちゃる の声が気弱になっていく。
静香は叱咤した。
「考えるな!!懐に飛び込めば勝機はある‼」
『ですが、援護も無いままじゃ…… 砲へ肉迫も不可能です!』
「忘れたのちゃる?」
静香は声のトーンを落として尋ねた。
『ほえ?』
何を?と言いたげなちゃる
静香は続ける。
「不可能を可能にする。それが〈巫〉(カンナギ)だッ!!」

『り、了解(コピー)!』


聞いたことありませんか?『傭兵 来栖有人大佐』って?


「我も、来栖大佐に憧れて入隊したクチであります」
ちゃる
「へぇー!」
静香
「ねぇ、入隊する直前にも ちゃる はあのおじさんを知ってるみたいだったけど、あの人そんなに有名なの?」


ちゃる
「崩壊した国連に代わり組織された汎人類会議を始め、世界各国の軍、団体より送られた勲章は数知れず。皇国〈日ノ本〉が誇る世界最強の兵士、それが、来栖有人大佐なんだよ!」
「ふーん……」
静香はピンとこないという様子だった。勲章が功績のあった兵士に与えられるのは知っているが、もらったこともないし、いったいどういった武功を立てればそんなに貰えるか想像できなかった。
そんな静香の内心を見抜いたかのように反応を見ていた旭が言った。
「ダメでありますな。分かってない……」
「失礼ね!勲章がどんなものかくらい分かるわよ…..」
半分くらい図星だっただけに向きになる静香。
「仕方ない。とっておきの話をするであります」
軽く咳をすると、旭は語り始めた。来栖大佐の伝説の一つを。

今から数年前、東南アジアの軍事政権が支配する独裁国家西イリアンで起きた少数民族の独立闘争を背景にした内戦に大佐が参加した時の話になります。少数民族だったナイ族が独立を宣言。民兵(ミリシア)を組織して蜂起しました。しかし、元々国土の小さかった西イリアンはこれ以上の国土の縮小を望まず軍を動員いして鎮圧。徹底した対反乱作戦の前に敗れた民兵は、ジャングルに籠りゲリラ戦を展開しました。

シグニフィカンス

 宮島はその魔法少女をよく観察した。
 全体の印象として色は白だ。
 薄い金髪に良く洗濯されたシーツみたいに白い肌、肌に纏う衣装も白い西洋甲冑にドレス。ただ一点、ガンレットのみ黒い。そして、右上腕に着けられた腕章は明らかに国防軍の物だ。つまりは導術部隊所属か?しかし、見た目は明らかに日本人では亡く西洋人。ということは彼女は……外国人義勇兵(エトランゼ)か?
 その魔法少女は自分の武器である剣を掲げると、よく通る声で呼びかけ始めた。
「聴きなさい人々よ!そして兵士たちよ‼私は第31外人義勇連隊退役大尉ジャンヌ・タルト……!」
その名乗りを聞いた宮島は思い出した
「ジャンヌ・タルト…….!?まさか!?彼女が!?」
「知ってるんですか!?宮島さん!」
「ああ…….。戦時中、圧倒的な人的資源の不足が予想されたことから軍部は外人部隊、特にその中でも魔法少女からなる部隊の設立を企図していた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?