設定・組織:軍隊

〈皇国〉陸軍

 諸将時代から続く五大大名家たる五将家の私設軍隊を中央軍監本部が統制する形となっている。(英国陸軍に近い?)
 兵士や装備の調達をになうフォースプロバイダーは五将家が担っており、軍監本部の規定や統制がない限り独自の装備を持つことが許されている、このため各鎮台や軍によって装備が微妙に異なる。
 装備のほとんどは近代化されており修理や運送のコストを考慮して日本から調達している。ただし、実戦を経験していないことによる使いにくさ不具合の多さ、製造数の少なさに起因する高価格もあり他の被転移国家から各鎮台/軍が独自輸入する場合もある。
 兵士の個人装備は黒い制服にサスペンダー。この上から自衛隊から供与された戦闘用防弾チョッキを着て迷彩の覆いを着けていない88式鉄帽をかぶる。


 歩兵の制式小銃は供与された64式または89式小銃である(89式は後に豊和工業からの直接購入、その後〈逢羽〉銃工によるライセンス生産へと切り替わった。対帝国戦争の勃発したころは、日本の豊和工業は20式の製造に入っており、89式は製造が停止したため89式のライセンスは失効、皇国の制式小銃としてマウントレールの標準化など、引き続き改良を重ねられ量産されていく。)。

 在日皇軍


 日本との国土融合以降。皇国と国土を共有することから、内乱や匪賊の跳梁、さらに他国による侵略などの治安や安全保障に関する問題を共有せざる負えなくなった。こうした背景から、《皇国》軍と日本警察そして自衛隊との共同作戦や訓練を執り行うことが両国の政府間で決定されたのは必然であった。

 皇国軍(以下「皇軍」)と日本警察・自衛隊との共同作戦および訓練の頻度は増していき、その過程で皇軍が自衛隊の基地や駐屯地を共同使用する形で日本国内に長期に渡り駐留することとなった。このように、日本の国内に展開する皇軍部隊を水陸問わず『在日皇軍』という。


 当初こそは訓練や一時的な共同作戦における臨時のものであったが徐々に安全保障の共有ともいうべき形となり、早い話が自衛隊および警察の予備戦力と見られるようにもなってきた。


 結果、在日皇軍はいまや自治体首長の要請しだいでは災害救助や治安維持などにも出動するまでの権限を与えられた。外国の軍隊に自国の治安維持を担わせるという構想そのものが《大協約》世界の軍人・政治家たちからみても常識はずれなのだが、当の日本国民および代表たる政治家たちは一部を除いて気にしていなかった。


 近年では、従来の自衛隊駐屯地のみでは拠点として不足(なにせ融合したために地形が変わるどころか面積そのものが増えている)していたのであらたに皇軍と自衛隊で共同使用する駐屯地の建設計画が立ち上がったが、建設予定地で左派勢力がてびきした(『軍による人民弾圧のための拠点を作るな!!』がスローガン)建設反対運動により建設予定地が見直された。幾つか候補地が見つかったものの、そこでも反対運動に会ったり、建設に自治体と住民共に好意的であったにも関わらず、実は経済的なアレコレ目当てで地理的条件が全く合わないものが殆どだった。防衛施設庁およびこの計画を推進していた皇国陸軍の参謀達も困り果てたが、その中でもかろうじて何とかマシな代替候補地を発見できた。それこそが大洗女子学園であった。
 (大洗の駐屯地について


 大洗駐屯地は本来、陸地の戦術・戦略的な要衝に建てられる予定であったが、肝心の候補地の自治体がこれを拒否しさらに左翼団体が加わっての反対運動に発展したため建設が断念された。また、皇国軍内部にも自衛隊との協同体制そのものを否定する保守派(そもそも、各将家の私設軍隊の連合体である)による、この計画のとん挫を機に協同体制の構想そのものを消去させようとする思惑もあって次第に日本国内に駐屯地を設置することが目的となっていき、次第に軍事的合理性が無視されていった。結果として経済的な利益や何らかの実績を必要とした自治体が誘致運動を開始した。また、そうした自治体の中で唯一の学校艦が県立大洗女子学園(当時)であった。船の上であれば必要な時に場所を自由に移動できると」考えられたからである。

皇国水軍


日本から供与された巡視船とミサイル艇、退役した護衛艦を譲り受けて運用している。
海上警備も行っているが、非軍事性が問われる場合もあるため、警察的任務は日本の海上保安庁に委任しており、皇国海軍は沿岸の警備や防衛、人員の輸送など補助的な任務に就くことが多い。

〈帝国〉陸軍


 かつて、北朝鮮が転移してきた初期の頃に侵攻するも返り討ちに会う。
 その後、北朝鮮と帝国が国交を回復し友好国となってからは帝国が北朝鮮の兵器を輸入し、北朝鮮製の兵器を装備するようになった。


 兵士は朝鮮人民軍の軍事顧問から近代的な軍隊としての訓練を受けている。


 兵士の個人装備は伊藤悠のコミック版に登場した緑の軍服(東方辺境領軍の場合。〈帝国〉は領土を3つの領域に分けて支配しており、領域ごとに軍服の色が異なる)にひし形の鉄兜。その上から、サスペンダーと弾帯。もしくはチェストリンク(56式チェストリンクに酷似)を装着する。


 歩兵の火器は58/68/88/98式といった北朝鮮製自動小銃。近年では小火器の製造は帝国内でライセンス生産が認められ(帝国内の軍事産業の保護)ているため、北朝鮮から輸入するのは戦車などの正面装備、もしくは各種誘導ミサイルなどのハイテク兵器のみとなっている。


 上記の通り、帝国は領土を西方諸侯領(軍服の色は黒)・本領(白)・そしてユーリアが支配する東方辺境領に分けて支配しており装備の充足率や更新状況も異なっている。


 本編で対帝国戦争時に侵攻してきた東方辺境領は地理的に北朝鮮国境に接するため兵器を北朝鮮から直接輸入でき、新欧州連合やアスローン連合諸王国との最前線となる事が予想される西方諸侯領軍よりも装備が充実している。


 西方諸侯領軍はかつて北朝鮮の援助による軍近代化直後に実施されたアスローン諸王国侵略戦争〈西方への拡大〉で王国軍を追い詰めるも欧州の被転移国家からなる新欧州連合(ネオ・ユーロ)の多国籍軍による反撃を受け敗走。以後、次の戦いに向けて軍備回復と増強を急いでいる。

朝鮮人民軍


 弾道ミサイルは装備しているが通常弾頭。
 通常兵器の開発に力を入れており、個人装備や戦車、各種ミサイルなどの兵器が近代化されている。
 新城たちの学生時代における野戦服装はウッドランとパターンにフリッツヘルメットもしくは戦闘帽だったが、その数年(約7、8年)後に発生した帝国による侵略戦争の頃における兵士の個人装備は、98式小銃の近代化タクティカルモデルにデジタルパターン迷彩服、プレート挿入式防弾チョッキまたはタクティカルベストを採用。暗視装置や個人用無線通信機なども国産化し標準装備している。


 特殊部隊の練度も高く、帝国に軍事顧問として派遣され近代地上戦術の訓練を行っており、東方辺境領軍猟兵(イェーガー)の訓練も担当していた。


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