スパロボFF男主人公ルート第1話「エリア11降下作戦」

 

艇長「よしっ!それではもう一度状況を確認するぞ。我々は今から前回の戦争で製造されるも余った機材。すなわち、この降下ポッドを廃棄する。しかし、当初予定された宙域と高度を航行ミスにより外れこの空域で放出してしまった.....。これはあくまでも軍縮と戦後処理の一環であって、地球の特定の国家を対象にした軍事作戦ではない!」


ロードマスター『シミュレーターはばっちりこなしたか?ナチュラル』

律はコックピットパネルのスイッチを弄りながら応えた。モニターは見ていない。

「ああ、こなしたさ。いつでも降りられる」

『よし!出向前のブリーフィングとさっき丁重も話していたが今からお前はあくまでもこの前の戦争の《残りカス》、廃棄品の降下ポッドとして捨てられる。燃え尽きたらそれまでだ、いいな?』

「ああ...」

律はそっけなく答えた。

『あんた、人間が宇宙”ソラ”に出る前の人だよな、宇宙旅行も一般的じゃない世界だったはずだ。降下ポッドどころか大気圏突入も初めてなんだろ?不安じゃないのか?』

「不安なもんか!むしろワクワクしてるよ」

『そうか。気丈だな』

「これがワクワクせずにいられるか......何せ7年ぶりの帰郷だ」

『え?』

「そろそろ時間じゃないか?」

『おお、そうだな!切るぞ』

モニターが消える。

操縦席の中でも紅い非常灯が点いた。外はまだ熱くなっていないのに、もう大気圏に突入したかのような気分になる。

輸送船のカーゴ・ドアが開いた。

モニターに外の容姿が映った。息をのむ、青い地球の姿が見えた。地球儀や写真と同じだった、モニター越しだがやはり本物は凄い。

酸素が吸い出され、艦内の気圧が変わる。ロードマスターを始め、貨物室のクルーたちはワイヤーやハーネス、そして自分の手で手すりなどに捕まり外に吸い出されないように踏ん張っている。

カウント開始。

『ファイブ、フォー、スリー、ツー、ワン、ゼロ!』

ポッドを固定するジョイントが解かれる。酸素と共にポッドが吸い出される。転がるようにポッドは艦の外に飛び出した。

手すりにつかまりその様子を見ていた先ほどまで彼と会話していたクルーはポッドが飛び出したのを見ると左腕を手すりに絡めて、右手でポッドに向けて挙手敬礼をした、ハッチが閉まるまで。

頑張れよ、ナチュラル......。

輸送船をまるで おむすび のように転がり出たポッドはまっすぐ地球に落ちるでも無く、地球の軌道に円を描くように地球に降下し始めた。

 カプセルは円を描きながら、ゆっくりと高度を落としていった。やがてカプセルが地球を包む空気の膜-大気圏に触れる。空気の摩擦でポッド外が熱くなる。ポッドは機内の非常灯と同じ色になった。

 律は、過度の加速によりポッドが燃え尽きて本当の宇宙ゴミ”デブリ”にならぬように、速度を調節しつつ軌道を降下ポイントのエリア11-日本”ニッポン”のナリタ連山に降りられるように舵をとる。

 ほんのわずかなミスで燃えカスになる.....。パイロット・スーツの中で流れる汗は大気圏の摩擦熱だけ原因ではなかった。

 これまで過酷な訓練を乗り越え、精神やと感情をコントロールするすべを自分なりに身に着けている、恐怖は無い、ただやはり緊張はしていた。

 モニターの表示、高度計、速度計、危害温度を確認しながら操縦桿を強く握りゆっくりを動かす。

 予定されていた降下コースは維持されいてる、順調だ。

 高度計の表示、高度 m、そろそろ雲や地形が良く見え始める頃だ。

 その時だった

 

 

 

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