【第2回】立花シキミ式VRChat用アバター改変ワークフロー(ラフモデリング編)
では、今回から衣装の制作をやっていきます。
まずラフモデリング(ざっくり形を作るモデリング)からやっていきましょう。
私はいつも衣装を制作する際には、Marvelous Designer(MD)というクロスシミュレーション(布の挙動を物理演算によって再現する方法)に特化したモデリングソフトを使用していますが、どうせラフモデルは形を検討しつつ、ちゃんとしたモデルを制作する前段階的な工程なので、特にMDにこだわらなくて大丈夫です。
別にBlenderでもMayaでもZbrushでも、お好みのモデリングソフトを使用してください。
ちなみに、MDを使用する場合のコツですが、素体となるアバターを取り込んで使用する場合には、髪の毛を全て削除し、ポーズもAポーズに切り替えて使用するのがおすすめです。
というのも、VRC対応のモデルは大体Tポーズで作られていますが、ポーズとしてはかなり不自然な訳で、MDでシミュレーションする場合には変なところに皺が入ったり、肩まわりの布が詰まったりするので、Aポーズで作るのが個人的にはオススメです。
そんなわけでざっくりモデルを作っていきます。どうせ後から形は変更するので、こだわり過ぎず、適当にやりましょう。ここで細分にこだわりはじめると、無駄な時間もかかる上に、後から形を修正するときにモデルに愛着が湧いて触りたくなくなります(2敗)。
制作したモデルをパーツごとに仕分けて、Zbrushに持っていきます。
Zbrush持ってないよ!って方は全然Blenderでも大丈夫です。使いやすい方でいきましょう。
さて、ここまででラフモデリング(ざっくりとした形のモデリング)は終了です。
制作したモデルのポリゴンを見てみましょう。三角ポリゴンが乱雑に配置されていて非常に見づらいと思います。ここからは、これを綺麗にして、アバターが着れる形にしていく作業になります。
Zbrushを使用している方は、Zリメッシャーで目標ポリゴン数を0.5~1くらいにして自動でリトポして下さい。BlenderやMayaの方は手動でポリゴンを貼るなり、自動でやってくれるツールを使用してもいいと思います。
Blenderの方はこのあたりの記事が良い感じですよ。
Zbrushでリトポロジーをかけたら、一旦そのデータを保存して、リトポロジーしたモデルをOBJ形式で書き出しましょう。
一旦Zbrushの作業はここまでにして、ここからは、制作したモデルをTポーズに戻して、
モデルの細部を細かく調整していく作業をBlenderでやっていきます。
リトポロジーしたモデルを見てみると、ポリゴンが四角になって、モデルの形に流れが見えるようになったと思います。ここまでくればモデリングの作業は8割終わったようなもので、あとは微調整を残すのみです。
今回はラフモデル編ということで、なぜわざわざ一度ポリゴン割の汚いモデルを挟んだかといいますと、形を作るときに、最初から形を完璧に制作しつつ、ポリゴン割まで綺麗なものを作るのは難しいからです。
それができる人はもうこんな記事読んでません。ただのプロです。
MDだけでなく、BlenderやZbrushを最初から使う場合にも、どれだけポリゴン割が汚くても大丈夫なので、一旦満足のいく形を作ってしまうのが楽しいし、結局作業も簡単なんじゃないかなと思っています。
それでは、今回はここまでにして次回のローモデル制作編に続きますので更新をお待ちください。
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