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父の夢#6「ふたりの夢」2022.08.19
父の夢を見た時は、起きがけにハッとすることが多い気がする。今日もそうだった。夢の中で父といることがあまりに自然で、起きた時に「そうじゃん今日の夢お父さん出てきたんじゃん…!」と記憶が薄れぬうちに急いで筆を執る。
今日見た夢は、願望や目標という意味での夢でもあったかもしれない。父と私、ふたりの夢。
実家の居間にて。父と私となぜかもう一人(私の中学の同級生で同じ部活のエースだった人)でお酒を飲んでいる。そろそろお開きかなという時に私が自ら注いだ最後の一杯(おそらく日本酒のようなもの、実際にはあまり得意ではない)が非常に飲みやすく、早いペースで飲んでいく。
飲み終わるとごくごく自然にツケの話へ(なぜ?笑)。横になっている父に「○○円でいいですか?」と訊ねると「んん…」と気怠そうにゆったりPCに向き合い始める。どうやらいろんな人のツケをまとめて記録しているらしい。
父のPCさばきに興味を持ちながらじっと見ていると部屋の引き戸が開く。母だ。「そろそろ行ける?」という問いに部屋の時計を見やり、もうすぐ正午を迎えるな…そろそろ…お墓参りだよね…お父さんの…ん?
ここで起床。実に夢らしい夢だった。
この夢をきっかけに、いろんなことを思い出した。(記憶にある限り)私が幼い頃に一度だけ見た、ああやってPCを持ち帰り、珍しく自宅で仕事をしていた父の姿。本調子ではない父に無理を言った時のざわついた気持ち。そして父娘でお酒を酌み交わすのが私たちふたりの夢のひとつだったこと。
私がまだ小学生の頃だったか、晩酌をする父のためによくお湯割りを作ってあげていた。作ると言っても父の空の湯呑にポットのお湯を注ぐだけだったが(濃さは父が自分で調整していた)、「ん」と差し出された湯呑に分かっていますよとお湯を注いで「ん」と手渡したり、「多い多い」と笑い合ったり、私の中では父との楽しい思い出のひとつとして刻まれている。
私があと数年で二十歳を迎える頃だったか、家族で外食をした際父から冗談で「ほら飲んでみろ」とビールジョッキを渡されかけたことがある。当然断ったが、当時は我が家で唯一の酒飲みだ。今思えば、一緒に飲みたかったのかもしれない。
父とやりたかったことがまだまだ沢山あったな。父もそうだったのかな。
今年は諸事情あってお盆より少し早めに父の墓参りに行ったのだが、今日その返事をもらったような気がした。
故人について思い出すたび、天国で故人の周りに花が咲くという話を耳にしたことがある。忘れられた時こそが真の死を意味するという話も。私の夢に父が出てきてくれるのは、父を忘れたくない私の気持ちを汲んでくれているからなのかなと思ったり。「父の夢」なんてタイトルでnoteを更新するのも、父との繋がりを目に見える形で残しておきたいからだろう。都合のいい考えだけど、そう思うと心が安らぐ。
今夜はお酒を飲んでみようか。あいにく父ほどの酒飲みはいないから、お酒のストックはない。買いに出かけなきゃなあ、ふふ。じゃあまたね。
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