忍殺TRPGソロリプレイ【ブルタル・オロチ・ヴァーサス・アングリー・ドラゴン】#3
◇前置き◇
ドーモ。しかなです。当記事はしかながニンジャスレイヤーTRPGのシナリオを遊んだ結果を元に作成したテキストカラテ(訳注:二次創作小説)となります。いわゆるリプレイだ。気楽に読めるよ。
そして続き物でもある! 前回のお話はこれです。
潜入調査の果て、ついにユカノに発見されたディスグレイスらグレアリング・オロチ一行。ついにドラゴン・ドージョーとのイクサが幕を開ける……!
ではいってみよう。よろしくおねがいします。
◇イクサ開始:1ターン目◇
「……来たか」
ドラゴン・ドージョー本堂。大ブッダ像の前に静かにザゼンしていたドラゴン・ゲンドーソーはカッと目を見開いた。浮き足立つ四人のニュービーらが、その視線に不安げな表情を浮かべる。
「心をヘイキンテキに保つのだ。恐れを抱いたままでは、ドヒョーに上がる前に敗北することとなる」
「「「「……ハイ! センセイ!」」」」
◆ドラゴン・ゲンドーソー : ジ・オールド・ドラゴン (種別:ニンジャ)
カラテ 14 体力 28
ニューロン 14 精神力 14
ワザマエ 14 脚力 7
ジツ 4 万札 10
装備や特記事項
装備:伝統的ニンジャ装束(回避ダイス+1個)
スキル:
『●連続攻撃3』、『●連射3』、『●疾駆』、『●マルチターゲット』、『●時間差』、『●臨機応変』、
『◉トライアングル・リープキック』、『◉チャドー呼吸』、『◉スリケン受け流し』、
『◉ヒサツ・ワザ(ドラゴン・トビゲリ)』、『◉タクティカル移動射撃』、
『◉タツジン(スリケン)』、『◉タツジン(アイキドー)』、
『●浮世離れ』、
『★★★イエモト:ソウル・ブロウナウト』
『★★★老いたる龍の教え』
『★★★イエモト:ソウル・ブロウナウト』
チャドー奥義。
手番開始時に【精神力】2を消費し、【ジツ】+【ニューロン】で発動を試みられる。
難易度は「ULTRA-HARD」である。
発動に成功し、この手番中の『近接攻撃』で敵にダメージを与えた場合、
『近接攻撃』のダメージに加えて、敵はニンジャソウルの力を一時的に封印され、
【ジツ】やニンジャソウルに由来する高度な力(★/★★/★★★)をシナリオ終了時まで全て使用不可となる。
能力値やダイス個数上昇など、使用宣言が不要な常時発動系の能力については、この効果を受けない。
ラオモト・カンなど、ソウルを複数有するニンジャに使用した場合、1発につきいずれか1個を任意で封印する。
NPCのスキルなど、ソウル由来かどうかの線引きが難しい場合は、NMが判断すること。
『★★★老いたる龍の教え』
ドラゴンニンジャ・クランの長の存在は、弟子たちの士気を大いに高揚させる。
このため、同じマップ上にドラゴン・ゲンドーソーが存在している場合(行動不能状態を含む)、
ドラゴン・ドージョーに所属する全てのニンジャ(最大12人まで)は、
『近接攻撃ダイス』、『遠隔攻撃ダイス』、『回避ダイス』がそれぞれ+1個される。
加えて、ドラゴン・ゲンドーソーはターン開始時に1人だけ重点インストラクション相手を決めること。
このキャラは、そのターン中『近接攻撃ダイス』、『遠隔攻撃ダイス』、『回避ダイス』がさらに+2個される。
『◉ヒサツ・ワザ:ドラゴン・トビゲリ』
ドラゴン・カラテ奥義。
『◉トライアングル・リープキック』の1発目の攻撃が命中しダメージが確定した際に【精神力】2を消費し、
【ワザマエ】で発動を試みられる。難易度はULTRA-HARDである。
発動に成功した場合、このダメージは『サツバツ!』とみなされ、『サツバツ!』の判定を行う。
ダメージ確定後に行うため、敵はこれに対する受動的行動が不可能である。
『◉チャドー呼吸』
その場で神秘的なアグラを組み、チャドー呼吸を開始する。
移動したターンには使用不可。『その他の行動』として使用。
直ちに【ニューロン】+【ジツ】判定を行い、出目6だったダイスの個数だけ自らの【体力】を回復する。
これによる回復の上限は、自らの【体力】初期値の半分までである。
『●浮世離れ』
ドラゴン・ゲンドーソーとドラゴン・ユカノは、長らく人里離れた山奥でドージョーを営んできた。
このため、UNIXやIRCなどの最新テックを用いたハッキング判定に難易度+2のペナルティを受ける。
静かなインストラクションに、ニュービーたちは声を揃えた。その目にもはや恐怖や焦りの色はない。ゲンドーソーは微笑する。そして。
「イヤーッ!」
「イヤーッ!」
その場で垂直跳躍、回転! 一部の隙もないジュー・ジツを構え、連続側転でエントリーしたクセモノを見据える!
一方のクセモノ……改造ミコー装束の女は、まずゲンドーソーの視線を受けた。そして遅れてカラテを構えるニュービーたちを一瞥。小さく鼻を鳴らした。
「ニンジャソウルの持ち主はなし。つまるところ、恐るるべきは一人だけというわけですか」
「ドーモ。ローシ・ニンジャです。アイサツせよ、ソウカイヤのニンジャよ」
「ドーモ。はじめまして。ローシ・ニンジャ=サン。ディスグレイスです。こちらのドージョーを焼き払いに参上いたしました。よろしくお願いいたします」
ナムサン。なんたる慇懃無礼なアイサツか! ゲンドーソーは眉間にしわを寄せる。相手の態度に……ではない。その周囲にわだかまる陽炎にだ。それはすぐに人型をとり、四人のディスグレイスとなる!
「ブンシン・ジツ……!」
「ウフフ! リアルニンジャ殿の肝を冷やすにはやや不足かもしれませんが」
五人のディスグレイスが同時に艶笑。その背後!「イヤーッ!」着地した小柄な影がブンシンの隙間を縫うようにクナイ・ダートを投擲!「イヤーッ!」ローシ・ニンジャはこれをブリッジ回避!
彼は既に看破している。クナイ・ダートに灯るぬらりとした異質な輝きを。おそらくはジツによって生成された毒!
「ドーモ。キールバックです」
「ドーモ。ローシ・ニンジャです」
新手。ローシ・ニンジャは表情を険しくする。まだ幼い少女のようだが、油断ならぬカラテの持ち主。ディスグレイスたちが嗤う。
「ええ、はい。わたくし一人で貴方を打ち倒せるなどとは思っておりません。このキールバック=サンと、あと一人……」
「……いかん! 散れ!」
いち早く危険を察知したローシ・ニンジャは弟子たちに叫ぶ。だがその警告は遅きに過ぎた。いかにカラテを積んだといえど、ようやくニンジャとしての道を歩み始めたばかりの者たちにとって……
「イヤッハー!」
「「「アバーッ!?」」」
第三のアンブッシュ者が振るう凶刃はあまりにも鋭く、疾かった。ニュービー三名の首を無造作に跳ね飛ばした三人目は、挑戦的にローシ・ニンジャを見やる。
「たった今、そちらの門下生を三人ほど始末したシャープキラー=サン。どちらもわたくし手ずから育てた愛しいセンシです」
「……おぬしは」
「ウフフ! では改めて。老龍退治と参りましょう」
ローシ・ニンジャの視線を真っ向から受け止め、ディスグレイスは微笑。そこへ!
「イヤーッ!」
ディスグレイスらを追ってきたユカノがキールバックへ牽制のスリケン投擲!「イヤーッ!」キールバックはこれを両手の人差し指と中指で挟み込み無力化! ワザマエ!
「い、イヤーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!?」
生き残りニュービーも果敢にシャープキラーへカラテを挑む! しかしシャープキラーの対応は冷淡だ。バックステップでカラテ・ストレートを避けた彼女は、無造作にその拳を蹴り上げる。苦悶の悲鳴がドージョーに響いた。
ゲンドーソーは依然、ディスグレイスを見据えたままだ。外で警備に当たっていたニュービーたちが駆けつけてくる。ここに到達する前に……この者らを倒さねばならぬ。
ゲンドーソー:インストラクション開始
ドージョー所属者の『近接攻撃ダイス』『遠隔攻撃ダイス』『回避ダイス』がそれぞれ+1
重点インストラクション相手にユカノを指定
ディスグレイス:連続側転
[2,4,4,5,6] 成功
ディスグレイス:移動
ディスグレイス:ブンシン
【精神力】12→11
[2,2,2,2,3,4,4,4,4,4,4,5,5,6,6,6,6]
キールバック:モウドク・ダート
【精神力】8→7
[1,1,1,1,3,4,4,4,5,6,6] 成功
キールバック:連続側転
[1,1,2,2,3,4,4,5,5,5,5] 成功
キールバック:クナイ投擲→ゲンドーソー
[1,1,2,2,2,4,5][1,3,4,5,5,5,6]
ゲンドーソー回避
[2,3,5,6][2,3,4,6]
シャープキラー:ダッシュ移動
シャープキラー:移動後一掃
[1,1,2,2,3,3,4,4,5,6]
ニュービー2,3,4 死亡!
【DKK】3→6
ユカノ:連続側転
[2,3,4,4,5,5,6] 成功
ユカノ:スリケン→キールバック
[2,3,4.6][1,1,1,5]
キールバック回避
[1,1,2,2,5,6]
ニュービー1:移動後カラテ→シャープキラー
[1,3,5,6]
シャープキラー回避
[1,2,3,4,4,6]
カウンター! ニュービー1【体力】2→1
その他ニュービーたち:連続側転
[2,2,3.4,5] 成功
その他ニュービーたち:移動
◇2ターン目◇
「ディスグレイス=サン。おぬしは」
ローシ・ニンジャの言葉に、ディスグレイスは油断なくカラテを構える。そして相手の瞳にわずかな憐憫とやるせなさの色を認め、眉をひそめた。
「そのジツの冴え。己のニンジャソウルを御しておるのだな」
「……だとすれば、なんです?」
「己を御してなお、何故ソウカイヤに従う」
イクサバに似合わぬ、真摯な問いかけであった。一瞬だけ言葉を詰まらせたディスグレイスは……ややあってから微笑する。
「ブッダの眼差しを受けるためです。堕落の限りを尽くせば、その目が開くこともありましょう?」
「そうか」
ローシ・ニンジャは目を瞑り……全身にカラテを漲らせ、ディスグレイスを見据える。ざわり、と空気が震撼した。
「ならばここで討ち果たすのみ! イヤーッ!」
強烈な踏み込みからの回し蹴りが、ディスグレイスの幻影を掻き消した。そのカラテにディスグレイスは舌を巻く。これがリアルニンジャのカラテ。なんたる鋭さか!
「……イヤーッ!」「ヌゥッ!?」
動揺を即座に掻き消し、ディスグレイスは右腕を振るう! ヨロイを纏った多頭龍めいてクズリュ・バイトがローシ・ニンジャを襲った。銀閃の一つがその身体に傷をつけたのを目撃し、彼女は笑みを深める。通じる。かのリアルニンジャ相手にも!
「イヤーッ!」「イヤーッ!」
体勢を崩した老ニンジャへキールバックが容赦なきクナイ・ダート投擲! ローシ・ニンジャは即座に立て直しこれを弾き散らす。しかし!
「……ヌゥーッ……!」
その脇腹を抉った冷たい感覚に、ローシ・ニンジャは即座にチャドーを練り上げる。クナイ・ダートに紛れて射出された水滴めいて見えざるスリケン。そこに含まれていた毒を打ち消す。
キールバックはチロリと舌を出した。バイオ施術の賜物か、その先端はヘビめいて分かれている。ローシ・ニンジャに傷を与えたのは口内から放たれた生体弾だ。
ローシ・ニンジャは状況判断する。おそらくはどちらもコブラ・ニンジャクランに類するソウルの憑依者。テックを用いてその狡猾さに磨きをかけている。油断ならぬ! 再びブンシン・ジツを発動させたディスグレイスを見据え、カラテを構え直す。
……それはコンマ数秒にも満たぬ思考時間。だが、油断なくローシ・ニンジャの観察を行っていたシャープキラーには千載一遇のチャンスであった。
彼女は胸元から筒状の兵器を取り出す。そしてユカノが警告の声をあげるより早くそれを口に当て「……イィーヤヤヤヤヤヤ!」
小刻みに息を吹き込み、仕込まれていた六つの針をローシ・ニンジャ目掛け一斉発射!「イヤーッ!」弾かれたように振り向いたゲンドーソーはブリッジ回避せんとした。しかし針のいくつかは無情にもその身体に突き刺さる!
「グ……グワーッ!?」
異変はすぐに起こった。ローシ・ニンジャがもがき苦しみ、泡を吐く!「お爺さま!?」ユカノが驚愕の声をあげた。なにが起こったか……ニンジャ視力をお持ちでない読者のために説明させていただこう。これこそ、ヨロシサンが極秘開発していたアンタイニンジャウイルス「タケウチ」の効果! シャープキラーの射出した注射針に搭載されていたのだ!
◆ドラゴン・ゲンドーソー : タケウチ弱体化開始 (種別:ニンジャ)
カラテ 7 体力 14
ニューロン 7 精神力 7
ワザマエ 7 脚力 4
ジツ 2 万札 10
装備や特記事項
装備:伝統的ニンジャ装束(回避ダイス+1個)
スキル:
『●連続攻撃2』、『●連射2』、『●疾駆』、『●マルチターゲット』、『●時間差』、
『◉トライアングル・リープキック』、『◉チャドー呼吸』、
『◉タツジン(スリケン)』、『◉タツジン(アイキドー)』、『●浮世離れ』
アーチ級能力:『★★★老いたる龍の教え』、『★★★半神的存在』(【体力】に反映済み)
『★★★老いたる龍の教え』
ドラゴンニンジャ・クランの長の存在は、弟子たちの士気を大いに高揚させる。
このため、同じマップ上にドラゴン・ゲンドーソーが存在している場合(行動不能状態を含む)、
ドラゴン・ドージョーに所属する全てのニンジャ(最大12人まで)は、
『近接攻撃ダイス』、『遠隔攻撃ダイス』、『回避ダイス』がそれぞれ+1個される。
加えて、ドラゴン・ゲンドーソーはターン開始時に1人だけ重点インストラクション相手を決めること。
このキャラは、そのターン中『近接攻撃ダイス』、『遠隔攻撃ダイス』、『回避ダイス』がさらに+2個される。
『◉チャドー呼吸』
その場で神秘的なアグラを組み、チャドー呼吸を開始する。
移動したターンには使用不可。『その他の行動』として使用。
直ちに【ニューロン】+【ジツ】判定を行い、出目6だったダイスの個数だけ自らの【体力】を回復する。
これによる回復の上限は、自らの【体力】初期値の半分までである。
『●浮世離れ』
ドラゴン・ゲンドーソーとドラゴン・ユカノは、長らく人里離れた山奥でドージョーを営んできた。
このため、UNIXやIRCなどの最新テックを用いたハッキング判定に難易度+2のペナルティを受ける。
「ウワッ、予想より効いてる……嫌なもの発明するなあ、ヨロシサンも」
「でかしましたよシャープキラー=サン!」
「オテガラです!」
その症状に顔をしかめるシャープキラー。だが、ディスグレイスとキールバックからの称賛にすぐ朗らかな笑みで答えた。
「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」
ユカノは歯を食いしばり、ドージョーの壁を使ってトライアングルリープ。キールバックへ強烈な飛び蹴りを仕掛ける。しかしキールバックはこらをブリッジ回避、メイアルーア・ジ・コンパッソめいた反撃の蹴り! 蹴りが噛み合い、ユカノは反動で距離を取る!
「センセイ……!? よくも! イヤーッ!」「おっと! イヤーッ!」
ニュービーの血の滲むカラテをシャープキラーは身を反らして回避。そこへ「イヤーッ!」「げっ、イヤーッ!」「グワーッ!?」見張りニュービーが加勢! シャープキラーブリッジ回避! 反撃の蹴り!
「「イヤーッ!」」「なんと!? イヤーッ!」
さらに正面入り口から駆け込んできたニュービー二名のスリケンをバックフリップ回避! そこでようやくシャープキラーはザンシンし、長大なノダチ・ケン・カタナを構える。よろよろと身を起こすゲンドーソーを見据えながら。
ゲンドーソー移動後カラテ
[1,2,3,6][3,5,5,6,6][1,2,2,4,4]
ブンシン:三体消失
ゲンドーソー:重点インストラクション→ユカノ
ディスグレイス:ブンシン効果 攻撃ダイス+1
ディスグレイス:移動後ムチ→ゲンドーソー
[1,5,6][3,4,5][2,4,5,6]
ゲンドーソー回避
[1,4][2,3][3,6] 【体力】28→27
ディスグレイス:ブンシン・ジツ
【精神力】11→10
[1,1,2,2,2,3,3,3,4,4,5,5,5,5,5,6,6] 成功
キールバック:フェイント→ゲンドーソー(回避ダイス10→9へ)
キールバック:集中フェイント投擲→ゲンドーソー
[1,2,2,2,3,5,6][1,1,2,2,4,5,5]
ゲンドーソー回避
[1.1][4,6]
モウドク効果1d3 → 2
ゲンドーソー【体力】27→25
シャープキラー:集中タケウチ→ゲンドーソー
【精神力】6→5 自動成功
[5,5][2,6][1,5][4][6]
ゲンドーソー回避
[4][4][1][5][3]残り一発回避不能! 弱体化!
ユカノ:連続側転
[2,2,3,3,5,6,6]成功
ユカノ:移動後トライアングルリープキック→キールバック
[1,3,3,3,4,5,6]
キールバック回避
[2,3,3,5,5,6,6]
ユカノ回避
[1,1,1,2,4.4,4,5,6,6]
ニュービー1集中カラテ→シャープキラー
[3,3,5,6]
シャープキラー回避
[2,2,3,5]
その他ニュービーたち:連続側転
[1,1,2,5,5] 成功!
ニュービー7:移動後カラテ→シャープキラー
[4,4,6,6]
シャープキラー回避
[3,4,4,6]
カウンター! ニュービー7【体力】2→1
ニュービー8、9:移動後スリケン→シャープキラー
[2,4,5,6,6,6][2,4,4,5,6,6]
シャープキラー:まとめて回避(4/12)
[1,2,3,5]
◇3ターン目◇
ディスグレイスは目を見張る。恐るべきアンタイニンジャウイルスを受けてもなお、ローシ・ニンジャの闘志は衰えていない。そのカラテも減衰したとはいえ、いまだ油断ならぬものといえた。
だからこそ。
「イヤーッ!」「グワーッ!」
重点すべきだ。ディスグレイスの眼から放たれた金の妖光がローシ・ニンジャを打ち据える。さらなる支配には抗ってきたがこれは想定内。いくら弱体化しようと、リアルニンジャならばこの程度は成し遂げるだろう。
「イヤーッ! イヤーッ! イヤーッ!」「グワーッ!」
ディスグレイスは無慈悲にクズリュ・バイトを振るう。彼女はリアルニンジャの恐ろしさを知っている。かつて岡山県で遭遇したキセイ・ニンジャを。油断はならぬ。ローシ・ニンジャが「タケウチ」を克服しない保証などどこにもない!
肩に傷を受けたローシ・ニンジャがよろめく。ディスグレイスは油断なくブンシンを展開、これを取り囲んだ。そこへ!「イヤーッ!」
キールバックが狙い澄ましたクナイ・ダート投擲! 『姉』の意図を汲み取った彼女もまた、老龍を落とさんと重点攻撃を仕掛けたのだ!「……イヤーッ!」
ローシ・ニンジャは半身に構え直す。それだけで致命のクナイ・ダートを、そしてそれに紛れて射出された水滴弾を回避した。
「チィーッ! 往生際の悪い……!」
「イヤーッ!」
ローシ・ニンジャは跳んだ。そしてディスグレイスへと果敢なカラテを振るう! それを受けて霧散するブンシン! ディスグレイスは冷徹に目を細める。先ほどのような鋭さはもはやない。
ザンシンするローシ・ニンジャ。その真横を風が駆け抜けた。
「シマッタ……」「イヤッハー!」「グワーッ!?」
強烈な斬撃がローシ・ニンジャを切り裂いた。ほとんど捨て身とも取れるノダチの一閃。彼に本来のカラテあれば、充分にいなすことのできたろう。だが、未知の病に侵されたその身には……!
「グワーッ!」
暴風雨の中の枯れ葉めいて、ローシ・ニンジャの身体が宙を舞う。そして受け身すらとることもできず背後の壁に激突!「ゴボッ!」吐血!
「やれるね。このまま殺しきる……!」
シャープキラーがザンシンし、ノダチを構え直す。その直後!「イヤーッ!」「なっ……イヤーッ!」
彼女は咄嗟にノダチを水平に後頭部の後ろへと掲げる。それが命を救った。ユカノのトライアングル・リープキックが刀身に突き刺さる。刃から伝わるカラテに、シャープキラーは即座に驚異度の見直しを行った。
「こいつ……ッ! ニンジャか? 入ってるのか? ソウルが! イヤーッ!」「イヤーッ!」
シャープキラーは無造作にユカノを跳ね飛ばす。ユカノはその反動を利用しタタミ数枚分離れた位置に着地! 怒りに燃える瞳を彼女に向ける!
「お守りするぞ! センセイを! イヤーッ!」「「「イヤーッ!」」」
そして号令と同時、ディスグレイスらにカラテを仕掛けたのはニュービーたちだ。その拳はブンシンを掻き消し、最後に残されたディスグレイス本人へと
「甘い! イヤーッ!」「グワーッ!?」
届く直前、バイオ触手に腕を取られ投げ返される! 受け身を取り損ねたニュービーを、ディスグレイスは苦々しげに見やった。未熟。大人しく逃げ隠れていれば手心を加えてやったものを!
ディスグレイス:ブンシン効果 攻撃ダイス+4
ディスグレイス:カナシバリ→ゲンドーソー
[1,1,1,2,2,2,3,4,4,4,4,5,5,5,5,5,5]
ゲンドーソー回避
[2] 【精神力】7→6
抵抗
[2,2,3,3,4,4,5] 回避
ディスグレイス:集中ムチ→ゲンドーソー
[1,5,5,5][1,2,2,3,6][2,3,5,6,6]
ゲンドーソー回避
[5][2][3,4] 【体力】14→13
ディスグレイス:ブンシン
【精神力】10→9
[1,1,1,2,2,2,4,4,4,5,5,5,5,5,6,6,6]
キールバック:フェイント→ゲンドーソー
キールバック:集中スリケン→ゲンドーソー
[2,2,3,4,4,5,6][2,2,3,3,5,5,6]
ゲンドーソー回避
[6][6]
ゲンドーソー:連続側転
[2,2,4,5,5,5,6] 成功
ゲンドーソー:移動後カラテ→ディスグレイス
[2,3,5][1,4,6,6]
ブンシン二体消滅
シャープキラー:移動後捨て身
[1,2,4,5][4,4,6,6]
ゲンドーソー:一発目回避せず。二発目回避
[1]
サツバツ! 1「吹き飛ばし」
ゲンドーソー【体力】13→6
衝突回避不可【体力】6→5
残虐ボーナス1d3 → 1
DKK 1d3 → 1
シャープキラー【DKK】6→7
ユカノ:連続側転
[2,3,4,4,4,5,5]
ユカノ:TRキック→シャープキラー
[3,3,3,4,5,6,6]
シャープキラー回避
[2,5,6]
ニュービー1:カラテ→ディスグレイス
[1,5,5,6]
ブンシン消滅
ニュービー7:移動後カラテ→ディスグレイス
[1,2,4,5]
ブンシン消滅
室内ニュービーたち:連続側転
[5,5,5,6,6]
ニュービー8:移動後カラテ→ディスグレイス
[1,3,3,4] 失敗!
ニュービー9:移動後カラテ→ディスグレイス
[1,1.4,5]
ディスグレイス回避(11/11)
[1,2,3,5,5] カウンター! ニュービー9【体力】2→1
外ニュービー連続側転
[1,1,1,3,5]
◇4ターン目◇
ディスグレイスは眼前に立ちはだかる白装束のニュービーたちを見やった。未熟。誰も彼も未熟だ。カラテを嗜んでいるのならば、彼我の実力差など……自分に敵わぬことなど見て取れるはず。それでもなお決死の表情で立ちはだかる彼らに、彼女は苛立った。
「イヤーッ!」「あ、アバーッ!?」
適当なニュービーをひと睨みし、縛りつける。泡を吹き始めるその者をさて置き、ディスグレイスは後方に飛び跳ねた。
「イヤーッ!」「「アバーッ!?」」
そして、クズリュ・バイトで傷ついたニュービー二名にとどめを刺す。無造作に。崩れ落ちる両者に冷徹な一瞥をくれてから、ディスグレイスはローシ・ニンジャを睨む。
「もしものときの肉の盾として門下生を集めていたのですか? とんだお笑い草です。それでわたくしたちが怯むとでも!?」
ローシ・ニンジャは無言。ただディスグレイスを見据えている。彼女は言い募った。
「とんだ惰弱! 力量差もわからぬ未熟者どもをこの場に残すことになんの意味があると、」
「イヤーッ!」「イヤーッ!」
背後のカラテシャウトがディスグレイスの言葉を中断させた。キールバックがユカノへと牽制のクナイ・ダートを投擲したのだ。
想像以上にニューロンの均衡が崩れている。ディスグレイスは深呼吸し、マインドセットした。その周囲が揺らめき、彼女の姿似を作り出す。
「……まあ、どうでもいい。ドラゴン・ドージョーは今日で堕ちる故」
「……侮りが過ぎるぞ、ディスグレイス=サン! イヤーッ!」
ローシ・ニンジャは連続側転! ブンシンの只中に飛び込み、カラテでそのいくつかを消滅せしめる! 彼はザンシンし、ディスグレイスへと向き直った。
「おぬしら邪悪なるソウカイニンジャに、膝を屈することなどない」
ディスグレイスは目を細める。「イヤーッ!」ゲンドーソーの真横に着地したユカノが、懐から取り出したニンジャピルをゲンドーソーの口に含ませた。そのバストは豊満である。
「成る程」
ディスグレイスは呟いた。その背後「い、イヤーッ!」「アバーッ!?」ジツ影響下ニュービーが投擲したスリケンが、飛びかかろうとしていたもう一人のニュービーを撃ち抜く。即死。
「「イヤーッ!」」
そして外から飛び込んできた新たなニュービーたちがスリケンとカラテでディスグレイスのブンシンを掻き消す! ディスグレイスは醒めた目で本堂内を見渡した。病に侵された老龍が一人、娘が一人、ニュービーが三人。
ディスグレイス:カナシバリ→ニュービー8
[1,1,1,2,2,3,3,3,3,4,5,5,5,6,6,6,6]
ニュービー8【精神力】2→1
抵抗
[1,1,2] 操り人形!
ディスグレイス:移動後ムチ
→ニュービー7
[3,3,3,6] ニュービー7【体力】1→0 死亡
→ニュービー9
[1,1,1,5,5] ニュービー9 【体力】1→0 死亡
ディスグレイス【DKK】3→5
ディスグレイス:ブンシン
【精神力】9→8
[1,2,2,3,3,3,4,4,4,4,4,5,5,5,5,5,6]
キールバック:移動後フェイント→ユカノ
キールバック:スリケン→ユカノ
[2,2,2,4,5,5,5][1,1,3,4,6,6,6]
ユカノ回避
[3,3,3][3,5,6]
モウドク・ダート1d3 → 1 ユカノ【体力】4→3
ゲンドーソー:連続側転
[1,2,4,4,5,6,6]
ゲンドーソー:移動後カラテ→ディスグレイス
[1,3,5][2,3.5,6]
ブンシン二体消失
シャープキラー:集中捨て身→ユカノ
回避ダイス
[1,3,3,4][1,3,5,6]
ユカノ回避
[2,5,5][1,3,6]
カウンターカラテ!
シャープキラー回避
[1,1,1] 失敗 【体力】8→7
ユカノ:連続側転
[3,3,5,5,5,6,6] 成功
ユカノ:移動後ゲンドーソーへニンジャピル
ゲンドーソー【体力】5→6
1d6 → 4
ニュービー8:スリケン→ニュービー1
[3,3,5,6,6,6] ニュービー1【体力】1→0 死亡
ニュービー5:移動後カラテ→ディスグレイス
[1,2,5,5] ブンシン消失
ニュービー10:移動後スリケン→ディスグレイス
[1,2,5,5,6,6] ブンシン消滅
これで全部。あのラオモトが目の敵にしたドラゴン・ドージョーは、もはや半分にまで数を減らしていた。「ヨロシイ」ディスグレイスは呟く。もはや敵はロウソク・ビフォア・ウインド。このまま叩き潰すのみ。
【ブルタル・オロチ・ヴァーサス・アングリー・ドラゴン】#3終わり。♯4へ続く
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