忍殺TRPGソロシナリオ【ラット・イナ・シュライン】

◇前置きな◇

 ドーモ。しかなです。アケマシテオメデトゴザイマス。

 今年もニンジャスレイヤーTRPGを遊んでいるみなさまに一時の楽しみを提供するため、ソロシナリオ(訳注:1人から遊べるタイプのシナリオ。しかなが作成したものはマップの概念を含まないものが多い)を書き上げました。

 オープニングは【ソウカイヤ】所属者向けとなっており、シナリオ中でもNPC同行者としてソウカイニンジャが2名ほど登場します。が、敵対することはないので安心してほしい。【ドラゴン・ドージョー】所属者でも【フリーランス】でも挑戦可能です。多様性な……

 ではやってみよう。よろしくおねがいします。



◇オープニングな◇

 新年。それは仕事に追われるネオサイタマのマケグミ・サラリマンにさえ許されたわずかな休息のとき。そんな時期にもかかわらず、寒空の下、郊外に位置するチウ・ストリートを足早に進む影あり。すなわち、ソウカイニンジャであるお前だ。

 年末において急遽セッティングされたボウネンカイや、今後も予定が入れられている様々な部署のシンネンカイ……そうしたもののために急遽カネが入り用となったお前は、しかたなくスカウト部門オフィス前掲示板に張り出されていた依頼を引き受けたのだ。

 果たして集合場所には2人のニンジャが待ち構えていた。かたや改造ミコー装束の女ニンジャ。かたや桃色の髪とぶかぶかの迷彩ミリタリーコートがアンマッチな少女のニンジャである。

 お前の姿を認めたミコー装束のニンジャが微笑とともにオジギした。

「ああ、依頼を受けてくださった方ですね? ドーモ。ディスグレイスです。こちらはあなたと同じくミッションを請け負ってくださったオーキッド=サン

「……ドーモ」

 ミリタリーコートの少女はやや不機嫌そうにアイサツ。そんな彼女の様子を気にした風もなく、ディスグレイスは続けた。

「さて、ええ。今回お手伝い願いたいのはネズミ退治なんです。……いえ、比喩ではなく。細かいことは現地に移動しながら説明しましょうか」

 そして背を向け、移動を開始。妙に不機嫌そうなオーキッドとともに、お前はディスグレイスの後に続くのだった。




◇本編な◇

■ドーモ! モーターリッポータイです! あなたのミッションを全力でサポートしますよ。……ロクメンタイ? 同型機のモーター違いでしょう■
■さて、ディスグレイス=サンに連れられあなたがたどりついたのは古びたテンプル……いえ、シュラインのようですね。「ここはチウ・シュラインといいます。見ての通り廃止されて久しく、立地が立地だけにジアゲする価値もない。ゆえに放置されていたのですが」と、ディスグレイス=サン■
■「ネズミが湧いた?」「ええ、その通り」先回りするようなオーキッド=サンの問いかけに、ディスグレイス=サンが素直に頷きます。「チウ・ストリートは最近バイオネズミによる食害に悩まされていましてね。この付近の住民からの情報からしてここを寝ぐらにしている可能性が極めて高いのです」■
■どうやらディスグレイス=サンはかなり入念に事前調査を行っているようです。しかし疑問も浮かびますね。なぜ区役所に任せないのでしょう? 「駆除に入った役人がこぞって行方不明になったのですよ」成る程。すっきりしました■
■オーキッド=サンは小さく頷いています。不機嫌さはともかく、仕事へのやる気は出てきたみたいですね。あなたはどうですか? いずれにせよ、これから本格的に仕事が始まります。キアイを入れましょう■


◇◆◇◆◇

■さて、あなたたちは早速チウ・シュラインの敷地内へと踏み込みました。周囲は心なし薄暗く、キモダメシめいたアトモスフィアさえ漂っています。眼前にあるのは本殿ですが、周囲を見るに管理者が使っていたと思われる庫裏や参拝客用の宿坊があるようです■
■「分担して建物を確認しよう」オーキッド=サンがぼそりと提案しました。ディスグレイス=サンも異論はないと見え、頷きます。「ではわたくしはまず庫裏を。オーキッド=サンは?」「あっち」オーキッド=サンが指し示したのは宿坊です。最終的に、2人の視線があなたに集まります■
■あなたは……どうしますか?■
1. ディスグレイスとともに庫裏を確認しにいく
2. オーキッドとともに宿坊を確認しにいく
3. 単独で本殿を確認しにいく

(参考:2人の能力は以下の通り)

ニンジャ名:ディスグレイス
【カラテ】:5
【ニューロン】:5
【ワザマエ】:4
【ジツ】:3(カナシバリ)
【体力】:6
【精神力】:5
【脚力】;3
持ち物など:
▲バイオサイバネ腕(片手)
▽吸血バイオ器官
ニンジャ名:オーキッド
【カラテ】:4
【ニューロン】:6
【ワザマエ】:6
【ジツ】:2(ヘンゲヨーカイ)
【体力】:3
【精神力】:6
【脚力】:3
持ち物など:
○危険生物ハンター:『バイオ生物』に対するあらゆる『遠隔攻撃ダイス』が+1される
『スダチカワフ・ショットガン』
 遠隔武器、ダメージ2、小銃
『ヒートダガー』
 特殊近接武器、攻撃難易度+1、ダメージ1、火炎ダメージ1、戦闘スタイル:精密攻撃/フェイント



◇ルート1◇


■「あら……護衛してくださるのですか? ウフフ! お優しいこと!」ディスグレイス=サンは微笑し、すたすたと庫裏へと向かいます。オーキッド=サンがしめやかに宿坊へ向かうのを見送ってから、あなたもディスグレイス=サンの後に続きました■
■庫裏の内部は静寂と暗闇に包まれています。電気系統も既に断たれているのでしょう。スイッチを押しても明かりが点く様子はありません。まあ、ニンジャの目をもってすれば問題はないでしょうが……■
■周囲に気配はありません。手持ち無沙汰となったあなたは、ふとディスグレイス=サンに尋ねます。こんなカネにもならなさそうな慈善事業めいたミッションを、なぜわざわざ依頼したのか? と。「ああ、このストリートにはわたくしが昔世話に……コホン! いえ、なんでもありません。あまりプライベートに踏み込むのはよしてくださいな……あら?」■
■ディスグレイス=サンが怪訝な声をあげました。あなたたちが突入した炊事場……その真ん中には大型のネズミの死骸が横たわっています。バイオオポッサム、でしょうか? なぜこんなところで死んでいるのか。原因を調べる必要があるかもしれません■

【ニューロン】判定(【ニューロン】値と同数のダイスを振って判定)せよ。出目が4以上のダイスが1つでもあれば判定成功だ(これ以降、『目標出目4以上』のような形で表現する)

■あなたは用心深くバイオオポッサムに接近します……次の瞬間! 「チュチューッ!」ナムサン! 死んでいたはずのバイオオポッサムが突如息を吹き返し……否! 死んだふりを解いてアンブッシュを仕掛けてきました! 【ニューロン】判定に失敗していた場合、【体力】2を失ってしまいますよ! ここで【体力】0以下となった場合、爆発四散(キャラロスト)です!■
■回避に成功した、あるいは攻撃に耐えたあなたはディスグレイス=サンと協力してバイオオポッサムを退治しましょう! バイオオポッサムのステータスは以下のとおりです■
敵名:バイオオポッサム(バイオ生物)
【カラテ】:4
【ニューロン】:2
【ワザマエ】:2
【体力】:4
【精神力】:1
【脚力】:2
【万札】:4
スキルなど:
●毒牙
 近接攻撃時に出目6が1個でも含まれていた場合、追加で毒ダメージ1を与える
行動順はそれぞれの【ニューロン】が高い順に行ってください。各々の手番で【カラテ】、【ワザマエ】、(カトンのように攻撃的なジツを所持しているのならば)【精神力】を1消費して【ニューロン】+【ジツ】……どんな手段でも構いません(つまり、それぞれダイスを振ってください)。バイオオポッサムを攻撃しましょう。バイオオポッサムは所詮バイオ生物なので、あなたやディスグレイス=サンの攻撃を回避することはありません
■バイオオポッサムは自分の手番、あなたかディスグレイス=サンに近接攻撃(【カラテ】判定です。これもあなたがダイスを振って判定してください)してきます。運が悪いと毒ダメージが追加で入ってくるかもしれません……が、【回避】判定(【カラテ】【ニューロン】【ワザマエ】の中でもっとも高いステータスと同数のダイスを振って行う判定。目標出目4以上)に成功すれば回避可能です。ルールブックを参照できる場合は、カウンターカラテを発動させても構いませんよ■
■バイオオポッサムかあなたの【体力】が0になる(この場合はゲームオーバーです)まで、イクサは継続します。相手は所詮バイオのネズミ。少し時間がかかるかもしれませんが、きっとなんとかなりますよ。撃破したらネズミのもっていた【万札】を忘れず拾ってくださいね■


◇◆◇◆◇


■「チュウーッ……」ニンジャ2人が相手となっては、ひとたまりもなかったのでしょう。バイオオポッサムが床に崩れ、二度と動きません。本当に死んだようです。「フゥーム……このあたりにこんなバイオ生物が潜んでいるなんて、聞いてないですね……」ザンシンを解いたディスグレイス=サンが不思議そうにつぶやきます■
■……そのときです!「……イヤーッ!」「……イヤーッ!」外から響いてきたのはカラテシャウト! あなたはディスグレイス=サンと顔を見合わせたあと、迷うことなく庫裏の出口へと向かいました。片方の声は間違いなくオーキッド=サンのもの。どうやら本殿の方角で何者かとイクサを始めているようです。急ぎましょう!■


◇ルート2◇


■「……一緒に来るの? まあいいけど」オーキッド=サンはやや怪訝な顔をしましたが、あなたの同行を断るつもりはないようです。ディスグレイス=サンが庫裏に向かうのを確認してから、あなたもオーキッド=サンの後を追います■
■宿坊の内部は静寂と暗闇に包まれています。電気系統も既に断たれているのでしょう。スイッチを押しても明かりが点く様子はありません。まあ、ニンジャの目をもってすれば問題はないでしょうが……■
■周囲に気配はない……ように思えます。手持ち無沙汰になったあなたは、オーキッド=サンに声をかけようとして……彼女がショットガンの銃口を壁に向けていることに気づきました。「準備して」言うやいなや、BRAKKA!■
■放たれた散弾は容赦なく壁に開けます。その穴から「「「チュチューッ!?」」」飛び出してきたのは、ナムサン! まるまると肥え太ったバイオネズミたちです! 「狩るよ」オーキッド=サンの静かな声に応え、あなたはカラテを構えます……!■
■さて、バイオネズミたちとのイクサです。今回、彼らは以下のようなパラメータを持ちます■
敵名:バイオネズミの群れ(バイオ生物/群体)
【カラテ】:1 × 3
【ニューロン】:1 × 3
【ワザマエ】:2 × 3
【体力】1 × 3
【精神力】1 × 3
【脚力】1
【万札】3
スキルなど:
●群体(3匹)
 【カラテ】【ニューロン】【ワザマエ】【体力】【精神力】に生存個体数分の倍率ボーナスを得る。
 また、個体数分の『●連続攻撃』を得る。
 個体1匹分の【体力】または【精神力】が0となった場合、その個体は死亡したものとみなし
 倍率ボーナスと連続攻撃ボーナスが打ち消される。
●小型生物
 相手の『近接攻撃』および『遠距離攻撃』の攻撃難易度を+1する。
■【ニューロン】値の高い順に行動を行います。バイオネズミの群れはやや特殊な特性を持っており、個体数を減らすごとに弱体化していきます。なので行動順の変動が起こりうるかもしれませんね■
■あなたやオーキッド=サンの手番では、近距離攻撃(【カラテ】判定)や遠距離攻撃(【ワザマエ】判定)、もし攻撃的なジツを持っているならば【精神力】を1消費したうえで【ニューロン】+【ジツ】のジツ発動判定を行い、バイオネズミどもを攻撃してください。敵は所詮非ニンジャのネズミなので、こちらの攻撃を回避することはできません。また、敵はバイオ生物です……危険生物ハンターであるオーキッド=サンは『遠隔攻撃』時にダイスを1つ多く振ることができます。覚えておいて損はないでしょう■
■バイオネズミたちは生き残った個体数分だけ連続攻撃を繰り出してきます。3匹生き残っていたら3回、2匹生き残っていたら2回……といった具合です。この場合、【カラテ】判定を必要分行ってください(これもあなたの仕事です)。連続攻撃を仕掛けられた場合、攻撃された側も回避ダイスを分割して判定する必要があります。■
■バイオネズミの群れかあなたの【体力】が0になる(この場合はゲームオーバーです)まで、イクサは継続します。相手は所詮バイオのネズミ。少し時間がかかるかもしれませんが、きっとなんとかなりますよ。撃破したらネズミのもっていた【万札】を忘れず拾ってくださいね■


◆◇◆◇◆


■「「「アババーッ!?」」」「……キル完了」ザンシンしたオーキッド=サンがぼそりと呟きました。他にバイオネズミがいないか確認するため、壁の穴を覗きこんだあなたは……なぜか手の届く範囲に未使用のZBRアドレナリン注射器が落ちているのを発見します。ネズミがどこからか盗んできたものなのでしょうか? なんのために……? (もしZBRを未所持なら、自分のものにして構いませんよ)■
■いくら考えても埒があきません。ふらふらとネズミを探し始めたオーキッド=サンを手伝おうとしたそのとき!「……イヤーッ!」「……イヤーッ!」本殿の方角から響くカラテシャウト! その片方がディスグレイス=サンのものであることに気づいたあなたとオーキッド=サンは、調査を中断してスケダチに向かいます!■


◇ルート3◇


■たかだかネズミ相手に、ニンジャが何人も連れだつ必要はないだろう……そう考えたあなたは、1人で本殿を確認しに行くことにしました。「用心はしてくださいね」「オタッシャデ」それぞれの受け持ち場所に向かう2人の声を背に受け、あなたは本殿に上がりこみます■
■本殿の中は……仄かな明かりに照らされています。中央に設置されたローソクによるものです。そして「アイエッ!? ど、どちらさまですか!?」その脇でザゼンしていたらしいミコー・プリエステスが慌てたように立ち上がります■
■「ま、まさか強盗……!? い、命だけは助けてください! 他の宝ならお渡ししますから!」言って彼女は背後の賽銭箱を指し示します。どうやらあそこにカネを溜め込んでいるのでしょう。どうしますか?■
1. 賽銭箱からカネを回収する
2.ミコー・プリエステスにインタビューする



1を選択した場合
■怯えるミコー・プリエステスを尻目に賽銭箱を漁ったあなたは、その中に収められた【万札】10を自らの懐に収めました。こんな荒れ果てたシュラインにこれだけのカネが集めれられるとは驚きですね! ……おや? そういえばディスグレイス=サンの説明では……■

選択肢1を選んだお前は【ニューロン】判定せよ。目標出目は6だ。

2を選択、あるいは1選択後の【ニューロン】判定に成功した場合
■あなたはミコー・プリエステスを凝視します。驚異的な用心深さか、それともディスグレイス=サンの説明……このチウ・シュラインが廃止されて久しいことを思い出したか。そこまでは私にも見当がつきません。ですが、このミコー・プリエステスが怪しいのは間違いなし!■
■「イヤーッ!」「イヤーッ!」あなたの放ったカラテを、ミコー・プリエステスはバック転回避! 連続バック転の途中で、ドロン! 神秘的な煙が彼女を覆います。そしてその中から現れたのは……灰色装束のニンジャ! 「チィーッ! 目敏い人間……ドーモ! オールドラットです!」ナムサン! ニンジャ! もはや待ったなし、イクサが始まります!■
1選択後の【ニューロン】判定に失敗した場合
■なにかおかしい。気づいたときには手遅れでした。「シューシュシュシュ!」「グワーッ!?」背後から襲い来るカラテ連打! あなたはこれをまともに受けてしまい、【体力】が3減少してしまいます! もしこれで【体力】が0以下になってしまった場合、あなたは爆発四散(キャラロスト)です■
■なんとかアンブッシュに耐え切ったあなたは振り向きます。そこにいたのはミコー・プリエステスではなく……灰色装束のニンジャ! 「クフフ! 愚かな人間であることよ……ドーモ。オールドラットです」嘲りを含んだアイサツ! 不利な状況ですが、もはやイクサは避けられません……!■


◇合流地点◇


 さて、ここでのお前の視点はこれまでの行動で変わってくる。あるいは本殿にて仲間と相対する恐るべき灰色装束のニンジャを見たかもしれないし、あるいは……灰色装束のニンジャの肩越しに、駆けつけてくる仲間を見つけたかもしれない。

 オールドラットは油断ならぬニンジャであるが、こちらが複数で侵入していることなど知る由もない。つまり……アンブッシュのチャンスだ!

 もしお前がルート1、またはルート2を選択していた場合は【カラテ】判定せよ。目標出目は3以上。成功した場合、お前の飛び蹴りは容赦なくオールドラットを吹き飛ばし【体力】を1奪うだろう。もしこのとき出目6以上のダイスが2個以上あった場合、『サツバツ!』が発生し相手に与えるダメージが+2され、残虐ボーナスとして【万札】2を得ることができる

 そしてディスグレイスやオーキッドも同様にアンブッシュを行う。オーキッドはヒートナイフによるアンブッシュでオールドラットの【体力】を2奪い、ディスグレイスは(お前かオーキッドのアンブッシュ後に)カナシバリ・ジツを放ち、オールドラットを『カナシバリ状態(1ターンの間、自発的行動と受動的行動の難易度を+2する)』にしてくれる。もしお前がルート3を選択していた場合、オーキッドとディスグレイスは協力してアンブッシュを行いオールドラットを弱らせるだろう

 このアンブッシュが終わった時点でイクサが開始される。オールドラットの能力は以下だ。

ニンジャ名:オールドラット
【カラテ】:6
【ニューロン】:1
【ワザマエ】:5(+2)
【ジツ】:3(???)
【体力】:6
【精神力】:3
【脚力】:3
【万札】:10
スキルなど:
『☆??・ジツ』
 なんらかのジツ。このイクサにおいては無視してよい
『●タツジン:ボックス・カラテ(??)』
 連続攻撃+1。
 上記に加え、出目6を1個以上含んで成功した『近接攻撃』のダメージが全て+1される。

 アンブッシュ後のため、イクサのアトモスフィアはハードモードに突入している。つまりあらゆる『近接攻撃』の回避難易度が+1されている

 このイクサもまた【ニューロン】の高いものから手番を回していく。オーキッド、ディスグレイス、そしてお前の手番では好きにオールドラットを攻撃してよい。例えばオーキッドは攻撃を行う前にヘンゲヨーカイ・ジツを発動させ(【精神力】を1消費し【ニューロン】+【ジツ】の判定だ)能力を底上げさせてもよい(成功すると【カラテ】+3、【脚力】+2となる)。

 オールドラットは油断ならぬニンジャであり、お前たちの誰かに容赦ない連続攻撃を放ってくるだろう(【カラテ】値を分割し、2回判定)。狙われたニンジャは回避ダイスを分割し、【回避】判定を2回行うこと(目標出目は4以上だ)

 また、敵味方問わず【カラテ】判定に出目6のダイスが2個以上含まれていた場合、『サツバツ!』が発生する。このイクサにおいては単純にダメージが+2される。オールドラットの場合、ボックスカラテと合わせて+3のダメージとなるので要注意だ。

 以下の条件を満たすまでこのイクサを継続する事。

1. オールドラットの【体力】を0以下にする(【万札】10を獲得)
2. イクサが3ターン目に突入する
3. お前の【体力】が0以下になる(この場合、お前は爆発四散する)

 条件1と2のどちらかを満たした場合、オールドラットは戦意を喪失する。エンディングへ進め。



◇エンディングな◇


■「グワーッ……!」オールドラットが力なくよろめきます。油断ならぬカラテの持ち主でしたが、1対3ではさすがに分が悪いということですね。……おや?■
ドロン! またもオールドラットの体を超自然の煙が包みます。そして中から現れたのは……『マイッタ。この通りだ! 命ばかりは助けてくれ』ブザマに転がり、こちらに腹を見せる2フィート大のネズミの姿! これはいったい?■
■「なぜこの後に及んでヘンゲを?」オーキッド=サンが構えたショットガンの銃口を下げさせ、ディスグレイス=サンが怪訝な顔をします。オールドラット……だったネズミがキィキィと弱々しく鳴きました。『否。これが私の本来の姿なのだ。手下を失い、カラテでも負けたとあればもはや打つ手なし……』■
■「……ニンジャアニマル」オーキッド=サンが得心したように頷きます。「たまに見るよね」「それはあなただけです」『この一帯のバイオネズミを支配し、乗り込んできた人間どもは我がバケ・ジツで返り討ちにし……だが、モハヤコレマデ……』ネズミが脱力!■
■あなたたちは顔を見合わせます。「連れて帰る?」オーキッド=サンが首を傾げます。「臨時収入になるかも」「スカウト部門はネオサイタマ・アーバンレジェンズの投稿コーナーではないんですよ、オーキッド=サン。とはいえ、まあ……」ネズミを見下ろすディスグレイス=サン■
■「こちらの条件を飲めば、命だけは助けなくもありません」『……何?』期待と恐れの入り混じった眼差し。ディスグレイス=サンは咳払いします。「まず一つ。今後は我々ソウカイヤに忠誠を誓うこと。そして二つ。このストリート、特にここのそばにある孤児院には絶対に手出しをしないこと。いいですね?」■
■「孤児院?」オーキッド=サンが不思議そうに呟きます。ディスグレイス=サンは……ただ、眉間にしわを寄せただけでした。「個人的な事情です。なにか文句でも?」「……別に。いいけど」ネズミが目を瞬かせています。いずれにせよ、これでネズミ退治は完了といっていいでしょう■
■お疲れ様でした! ディスグレイス=サンからの元々の報酬に加え、スカウト部門へのニンジャ斡旋手間賃も合計して……【万札】15、【余暇】4を獲得です■
■なにやらいそいそとチウ・ストリートに向かっていくディスグレイス=サンはさておき、あなたはオーキッド=サンとともにトコロザワ・ピラーへ帰還するのでした。ニンジャアニマルのネズミのことは、しっかり説明してくださいね(終わり)■



◇後書きな◇

というわけで、ネズミがらみのソロシナリオとなった。ここまで読んでくださった皆様方、ありがとうございます。もしこのソロシナリオを遊んだ際は、感想なりアドバイスなりを呟いてくれるとしかなが喜ぶ。気が向いたらまたやるよ!




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