忍殺TRPGソロリプレイ【ヘッドハンティング・ウィズ・クロスカタナ】後編

◇前置き◇

 ドーモ。しかなです。当記事はしかながニンジャスレイヤーTRPGのシナリオを遊んだ結果を元に作成したテキストカラテ(訳注:二次創作)……いわゆるリプレイとなります。気楽に読めるよ。

 そして続き物でもあり、前回の話はこれです。

 諸事情により交渉決裂。社長をヘッドハント(物理)するかこちらがヘッドハント(物理)されるかのサツバツ状況となった。要はカラテあるのみだ。

 では行ってみよう。よろしくおねがいします。



◇イクサ開始:1ターン目◇

画像1

◆チーフオフィサー (種別:ニンジャ)        
カラテ   12 体力  14
ニューロン 10 精神力 14
ワザマエ   5 脚力   6
ジツ     5 万札  40
                                                      
◇装備や特記事項
 パーソナルメンポ、高級ビジネススーツ、ブードゥー
 ●連続攻撃2
 ◉不屈の精神、◉叩き上げCEO(マーク・オブ・ソウカイヤ代替)、◉頑強なる肉体
 ☆ヘンゲヨーカイ・ジツ
 ★傷の回復
 ★★グレーター・ヘンゲヨーカイ・ジツ

◆クローンヤクザY-10型 (種別:モータル/バイオ生物/ヤクザ)
カラテ  1  体力  1
ニューロン1  精神力 1
ワザマエ 3  脚力  2
ジツ   -  万札  0

◇装備や特記事項
 チャカ・ガン:遠隔武器、ダメージ1
行動順:
ディスグレイス
→チーフオフィサー
→キールバック
→ブラッディリリー
→シャープキラー
→クローンヤクザたち

 ディスグレイスは油断なくチーフオフィサーを睨む。油断ならぬカラテの持ち主であることは社長室で実感できた。さらに謎めいたニンジャ組織の一員である以上、スカウトも難しいだろう。

 残念ながらここで始末より他にない。「イヤーッ!」「グワーッ!?」その瞳から光線めいて金の妖光が放たれる。直視した最前列前方のクローンヤクザが痙攣!

ディスグレイス:カナシバリ→クローンヤクザ
(1,1,1,1,2,2,3,3,3,4,4,4,5,6,6,6)
クローンヤクザ【精神力】1→0
抵抗!
(4) 失敗 操り人形!

 ガクガクと震え始めるクローンヤクザに、両脇クローンヤクザが無表情で振り向く。そこへディスグレイスは一足飛びに踏み込んだ。「イヤーッ!」「アバーッ!?」クローンヤクザ一体無惨!

「スプレンディット! 真正面から私にカラテを挑むか。その自信は買うが無謀だぞ、ディスグレイス=サン」

「ええ。なので、搦手を使わせていただきます」

 チーフオフィサーを見据え、ディスグレイスは微笑した。その輪郭が朧となり、ブレが生じる。そして!

「……イヤーッ!」

ディスグレイス:移動後バイオサイバネ→クローンヤクザ×2
(1,2,5,6) クローンヤクザ撃破!
(2,2,2,3) 失敗!
ディスグレイス:ブンシン・ジツ
【精神力】13→12
(1,1,1,1,1,2,2,3,3,3,3,5,6,6,6,6)

画像2

青字クローンヤクザは操り人形状態のものです

 ディスグレイス周囲の空間が揺らぎ、生じたのは彼女の似姿である。その数、四! 彼女が修行の末習得したブンシン・ジツだ!

「チィーッ……小賢しい真似を。だが何も問題はない」

 チーフオフィサーが端正な顔を歪める。その瞳が緑色に輝いた。次の瞬間!

………MYYYYAAAHHHH!

チーフオフィサー:グレーターヘンゲ
【精神力】14→12
(1,1,2,2,2,3,3,3,4,4,4,4,4,4,6)
【カラテ】12→17
【ニューロン】10→8
【ワザマエ】5→3
【脚力】6→9
狂戦士化:近接攻撃ダイス+2、回避ダイス-2

 おお、ナムサン……! その顔が樹皮めいた硬質の殻に覆われていく! バキバキと音を立てながらその身体が伸長! 同じく長く伸びた腕は奇妙にねじ曲がり、ふしくれ立ち、奇妙な長柄武器めいた有様へと変化していく!

 ヘンゲヨーカイ・ジツ。ディスグレイスの額に汗が滲む。こうしたジツの使い手とは何度か戦ってきた。しかしチーフオフィサーのそれは並のものとは比較にならぬほど高度なものだ。一瞥するだけでわかる。

MYAAAH!

 チーフオフィサーが枯枝めいた腕を振るう! 異様なリーチをもったカラテが、手前ブンシンのみならず奥二つのブンシンをいともたやすく消しとばした!

チーフオフィサー:集中ヘンゲ→ディスグレイス
(1,2,3,4,6,6)(1,2,2,2,4,5)(3,4,5,5,6,6,6)
ブンシン三体消滅!

MUUUU……弱敵。残念だ、ディスグレイス=サン。貴女とはよいパートナーになれそうだったが」

「立場の違いというものですね。ですがその判断は時期尚早……!」

イヤーッ!」「「アバーッ!?」」

 睨み合う両ニンジャの真横、二体のクローンヤクザが緑の血を撒き散らし死亡! キールバックの投擲したクナイ・ダートに頭部や無防備股間を破壊されたのだ!

キールバック:集中通常スリケン→クローンヤクザ×2
(5,5,6,6,6) 急所破壊! クローンヤクザ死亡!
残虐ボーナス1d3 → 2 【万札】0→2
(1,2,3,5,5) クローンヤクザ死亡!

「ンー……あたしもやるー! イヤーッ!

 楽しげに弾んだブラッディリリーが着地と同時に球体じみた姿へ変形! そのまま猛烈な勢いで転がり「「アバーッ!?」」不幸なクローンヤクザたちの肢体をバラバラにした。無惨!

「「ザッケンナコラアバーッ!?」」

 ぐねぐねと元の姿を復元し始める異形ゾンビーニンジャにヤクザスラングを投げかけたクローンヤクザがさらに死! 飛来した拳大の光球に心臓部を撃ち抜かれたためだ!

「まずはクローンヤクザの数を減らさないとね。面倒臭くてしかたない」

 セイケン・ヅキの姿勢を保っていたシャープキラーがぼそりと呟く。カラテミサイルによる射撃を終えた彼女は、いそいそと荷物のカバーを取り始めた。

ブラッディリリー:連続側転
【精神力】7→6 自動成功
ブラッディリリー:移動後カラテ→クローンヤクザ2体
(2,3,6,6)
サツバツ! 4 脚粉砕! クローンヤクザ死亡!
残虐ボーナス1d3→1【万札】2→3
(2,6,6,6)
サツバツ! 5 両腕破壊! クローンヤクザ死亡!
残虐ボーナス1d3→2 【万札】3→5

シャープキラー:カラテミサイル
【精神力】5→4
(2,4,6,6,6) クローンヤクザ二体狙撃。死亡!

「スッゾ「アバッアババーッ!?」グワーッ!?

 BLAM! 無防備なシャープキラーに銃口を向けたクローンヤクザが横合から撃たれ死亡! ディスグレイスのジツ影響下にある別クローンヤクザによるものだ。

「「「スッゾコラーッ!」」」

 BLAMBLAMBLAM! 生き残りクローンヤクザたちが掃射開始! 巻き込まれたディスグレイスの身体が宙に消える。ブンシンだ。

「よっと……イヤーッ!」

 一方、狙われていたシャープキラーはようやく取り出した得物を振り回し無造作に弾丸を叩き落とす! 身の丈ほどもあろうかというノダチ・ケン・カタナだ!

「よーし! 少し動きやすくなったかな」

「得物くらいテキパキと出しなさい、テキパキと」

 横合から飛ぶキールバックの小言めいた叱責を、しかしシャープキラーは気にする様子もなかった。


◇2ターン目◇

画像3

「イヤーッ!」「アバーッ!?」

 ようやっと痙攣のおさまった元操りクローンヤクザを、ディスグレイスは無造作に一瞥し睨み殺した。そしてその死骸を乗り越え「イヤーッ!」枯れた大樹めいた異形のチーフオフィサーへバイオ触手を振るう!

ディスグレイス:カナシバリ→クローンヤクザ
(1,1,1,2,3,4,4,4,5,5,5,5,6,6,6,6)
クローンヤクザ死亡!
チーフオフィサー回避
(6)
ディスグレイス移動後バイオサイバネ→チーフオフィサー
(2,4,5,6)(1,2,2,4)
チーフオフィサー回避
(2,6)(2,2) 【体力】14→12
ディスグレイス:ブンシン・ジツ
【精神力】12→11
(1,1,1,1,1,2,3,3,4,5,5,5,5,6,6,6)

「グワーッ!」

 巨体からは想像もつかぬ俊敏な動きでバイオ触手を弾いたチーフオフィサーはしかし苦悶の声をあげる。わずかな防御の隙間から潜り込んだバイオ触手の突きがその胴を強かに打ったためだ!

 単眼めいた緑の光がディスグレイスを見据える。明らかに致命傷からは程遠い。

「この程度で私を殺せるとでも?」

「まさか!」「そこまで軟弱でないことは重々承知ですとも」

 返事は方々から戻ってきた。チーフオフィサーは低く唸る。ディスグレイスの幻が既に周囲を取り囲んでいた。

 彼女たちは一斉に微笑を向けた。

「カラテだけならばわたくしは貴女に及ばない」「ですがそれも当たらなければ無意味」「貴女一人ではわたくしは倒せません」

「MYYYAHHH!」

チーフオフィサー:ヘンゲ
→ディスグレイス
(2,3,5,6,6,6)(2,3,4,5,5,5) 
ブンシン二体消滅
→ブラッディリリー
(2,2,3,3,4,6,6)
ブラッディリリー回避
(1,1,1,1,2,2,4,4,4,5) 

 ボッ、ボッ! チーフオフィサーの両横に展開していたブンシンが同時に頭部を射抜かれ消滅! そしてそれだけではない!

「……! ブラッディリリー=サン! アブナイ!」

「エッ? ウワッ、イヤーッ!」

 細部の復元を終えようとしていたブラッディリリーは再び身体を変形! 生者では到底不可能な位置まで身体をねじ曲げる。その頭部があった場所を、ヤリめいて鋭いチーフオフィサーの腕が穿った。

「成る程。認めよう、ディスグレイス=サン。私一人で貴女に勝つのはなかなか骨が折れそうだ」

 ミシミシと身体を軋ませ、伸長した腕を戻したチーフオフィサーがザンシンする。その目は油断なくディスグレイス以外のニンジャに注がれていた。

「だがそれは貴女も同じこと。いかにこちらをジツで出し抜こうと、一対一であれば私が上回るぞ」

「故にわたくしの部下から潰す、と?」「まあコワイ」「ですがその判断は……」

「イヤーッ!」

 会話とブンシンの隙間を縫うように、クナイ・ダートが飛来! 「アバーッ!?」クローンヤクザの額を撃ち抜く! チーフオフィサーは舌打ちし、自ら目掛けて飛んでくる別のクナイ・ダートを叩き落とそうとし、

「MMHHHH!?」

 即座に状況判断、ブリッジ回避! 身体すれすれを見えないスリケンが通過した。優れたニンジャ動体視力をお持ちの読者であればこの正体を看破したかもしれない。キールバックの口内に仕込まれたバイオサイバネから放たれた生体弾! クナイ・ダートとともに射出していたのだ!

キールバック:集中フェイント
フェイント→チーフオフィサー
投擲
→クローンヤクザ
(1,1,4,5,6) クローンヤクザ死亡!
→チーフオフィサー
(1,3,4,4,6)
チーフオフィサー回避
(3,4)

 そこへブラッディリリーが重心移動、ワン・インチ距離に

「ストップ! ブラッディリリー=サン、ちょっとそこで待ってて!」

「エエーッ?」

 滑り込もうとしたところをシャープキラーに制止される。不思議そうに見返した彼女は、相手の構えを見て即座に行動方針を変えた。説明を求める必要もない。

「イヤーッ!」

 長い右腕をスリングショットめいて振り回しスリケン投擲!「MYAAHH!」しかしチーフオフィサーは回避すらしない。強烈なカラテでスリケンを粉砕する!

イヤッハー!

 そこへ一陣の風が飛び込んだ。シャープキラー。ノダチを肩に担ぎ、ディスグレイス(のブンシン)の頭上を飛び越える。ドウ! そのサイバネ脚に仕込まれたブースターユニットが火を吹いた。彼女は極限まで身体を捻り……カラテを解放!

ブラッディリリー:集中スリケン→チーフオフィサー
(1,2,3)
チーフオフィサー回避
(4)

シャープキラー:移動後一掃
(1,3,3,3,3,3,4,5,5)
クローンヤクザ二体死亡!
ブンシン二体消滅!
チーフオフィサー回避
(1,1,3,3,4,6)

「MMMMH!」

 チーフオフィサーはいち早くブリッジ回避! ミキサー刃めいて振るわれたノダチはディスグレイスのブンシンごと「「アバーッ!?」」生き残っていたクローンヤクザたちをネギトロへ変えた!

「チィーッ! 目障りな!」

「まったくです! というかシャープキラー=サン、今わたくしを巻き込みましたね!?」

「エッ? ディスグレイス=サンがあれくらいでどうにかなるわけないじゃない。さ、それよりカラテしようか」

 両ニンジャの非難などどこ吹く風。シャープキラーはノダチを構えなおし、朗らかに笑った。


◇3ターン目◇

画像4

「まったく……! イヤーッ!」「ヌゥッ」

 ディスグレイスが苛立った様子でチーフオフィサーを睨む! 金の妖光に撃たれ、巨体が少し揺らいだ。それだけだ。怯んだのは一瞬だけ。チーフオフィサーはすぐに緑に燃える単眼で睨み返す!

 かなりのセイシンテキを積んでいる。いいじゃじゃ馬だ。本当に……手加減できないのが惜しい。「イヤーッ!」「MYYYAHHH!」両者のカラテが激突する。

ディスグレイス:カナシバリ
(1,1,1,2,2,2,3,3,3,4,5,5,5,5,5,6)
チーフオフィサー回避
(1) 【精神力】12→11
抵抗
(1,1,1,3,4,6,6,6)
ディスグレイス:移動後バイオサイバネ
(1,4,4,6)(2,3,5,5)
チーフオフィサー回避
(1,5)(3,5)
ディスグレイス:ブンシン
【精神力】11→10
(2,3,3,3,4,4,4,4,4,4,5,5,6,6,6,6)

画像5

 衝突、反発。短いカラテ交錯にも関わらず、ディスグレイスはまたもブンシンを展開していた。デコイと見做されなくともそれでよし。敵の動きはこれで制限された。あのヘンゲは強大な力をもたらす代わりに、精密さを犠牲にしている。抜け出すことなどできまい。

MYYYAHHH!

チーフオフィサー:集中ヘンゲ
→ディスグレイス
(3,4,4) ブンシン消滅
→シャープキラー
(3,3,5,5,5,6,6)
シャープキラー回避
(1,3,5,6)
→ブラッディリリー
(2,3,4,5,5,6,6)
ブラッディリリー回避
(1,2,2,3,3,4,4,6)

 チーフオフィサーは鬱陶しげにブンシンを蹴散らす。そしてシャープキラーとブラッディリリーへ同時にその魔手を伸ばした!

「「イヤーッ!」」

 両者かろうじて回避! シャープキラーの笑みが一瞬だけ消え、冷徹な眼差しが浮かぶ。

「……アハハ! アマクダリのニンジャって強いんだねぇ!」

「イヤーッ!」

 そこへクナイ・ダートの援護射撃! 「MMMHHH……!」弾き飛ばさんとしたチーフオフィサーが唸る。その身体に小さな穴が穿たれていた。クナイに紛れた水滴スリケン。

 キールバックは冷徹にザンシンする。もはやクローンヤクザの対処は必要ない。あの厄介なニンジャに、彼女は全力を注げるというわけだ。

「「イヤーッ!」」

 わずかにバランスを崩したのを見てとり、ブラッディリリーが、やや遅れてシャープキラーがカラテを挑む!

「MMMHHH!」

 チーフオフィサーはカラテ対抗! ブラッディリリーの長い右腕が、カラテ防御を乗り越えてその顔に傷をつけた。

「ンー……そろそろ不利なんじゃない? 今なら投降すればディスグレイス=サンも許してくれると思うよ? ハトミ=サン、美人だし」

「シャープキラー=サン!」

 ディスグレイスは叱責を飛ばした。シャープキラーは油断ならぬニンジャであるが、往々にして軽口を飛ばす悪癖があるのだ。

 ギシギシとチーフオフィサーが身体を軋ませる。笑っているのだ。

「ググ……そうか。つくづく敵同士となったのが惜しい……」

「……ふーん。こっちに来る気はないんだ」

「侮るなよ、シャープキラー=サン。貴様らヤクザ風情に膝を屈するものか。支配するのは我々だ」

「あっそ」

 シャープキラーの声音が一気に冷えた。


◇4ターン目◇

画像6

 金の妖光がチーフオフィサーのニューロンをわずかに焦げつかせる。ここぞとばかりに侵食しようとするジツを彼女は振り払った。そのマインドセットは完璧といえた。

「「「イヤーッ!」」」

 ブンシンとともにディスグレイスが仕掛ける。チーフオフィサーは冷静にこの幻惑的カラテに対処した。それでも、バイオ触手は着実にその巨体を傷つけていく。

ブンシン消滅
ディスグレイス:攻撃ダイス+3
ディスグレイス:カナシバリ
(1,2,2,2,2,2,3,4,4,5,5,5,6,6,6,6)
チーフオフィサー回避
(3) 【精神力】11→10
抵抗
(1,2,2,2,3,4,5,5)
ディスグレイス:集中バイオサイバネ
(1,2,4,4,6)(3,4,5,6,6,6)
チーフオフィサー回避
(2)(1,2,4) 【体力】8→6
ディスグレイス:ブンシン
【精神力】10→9
(1,2,2,3,4,4,4,5,5,5,5,5,6,6,6,6)

画像7

 またもブンシンがチーフオフィサーを取り囲む。しかしもはや彼女は頓着しなかった。「MYYYAHHH!」枯れ木めいた腕をシャープキラーとブラッディリリーへ振るう。まずこの小賢しい連中から爆発四散させる。

チーフオフィサー:集中ヘンゲ
→シャープキラー
(2,3,4,5,6,6)(2,3,5,6,6,6)
シャープキラー回避
【精神力】4→3
(1,1,5)・自動成功
→ブラッディリリー
(1,1,2,2,3,4,4)
ブラッディリリー回避
(1,1,2,2,3,3,4,5)

「「イヤーッ!」」

 だがそのカラテは空を切った。ブラッディリリーは肉体を崩しこれを回避。シャープキラーは器用にノダチで弾き飛ばす。「MYYYAHHH!」その隙に、チーフオフィサーは容赦なく心臓狙いの一撃を叩き込む!

「……イヤーッ!」

 だが、ナムサン。その一撃も虚しく空を切った。シャープキラーが脚部ブースターを全力展開。無理やりに跳躍し回避を行ったのだ。

 チーフオフィサーの主観時間が泥めいて鈍化する。シャープキラーはくるくると回転しながら天井に達し、天地逆さに『着地』。刃物めいた眼差しがチーフオフィサーを射抜いた。

「「イヤーッ!」」

 クナイが、異形ニンジャのカラテが迫る。チーフオフィサーは最低限の防御を強いられる。今最も脅威なのは、カラテを漲らせているシャープキラー。痛手を負おうともオフィスの社員たちから血を啜れば傷は治る。次の一撃、あの致命的カラテを避けなければ。

「イィィィィ……」

 天井に小さな亀裂。チーフオフィサーは頭上を見上げてカラテを構える。シャープキラーと目が合う。彼女は……笑っていた。

イヤッハー!」「MYYYAHHH!」

 ドウ! 圧倒的加速力とともに放たれるノダチの斬撃を、チーフオフィサーはカラテで迎撃した。枯れ木めいた両腕がノダチの刃を掴む。

 ……それでは足りなかった。加速した刃は易々とチーフオフィサーの腕を断ち切る。そしてその肩口へ突き刺さり……その胸元のアマクダリ・エンブレムごと心臓に達し、破壊!

 侮ったのはどちらだったか。チーフオフィサーはわずかに自嘲の笑みを漏らした。

「サヨナラ!」

 チーフオフィサーは爆発四散! 着地したシャープキラーはザンシンし、無造作に刃の血を振るい落とした。

シャープキラー:集中捨て身
(4,5,6,6)(2,3,3,4,5)
チーフオフィサー回避
(1,3)(4,4)
サツバツ! 6 心臓破壊!
チーフオフィサー爆発四散!
残虐ボーナス1d6 → 3 【万札】5→8
ドロップ 【万札】8→48


◇帰還前の探索◇

「何事で……アイエッ」

 オフィスから様子見に来た社員を、ディスグレイスは一瞥して黙らせる。そのまま手振りで室内へと戻らせてから、彼女はシャープキラーを見やる。

 シャープキラーはじっとチーフオフィサーの爆発四散痕を見つめていた。その顔にいつもの笑みはない。

「どうかしましたか? シャープキラー=サン」

「……しくじった」

「というと?」

「力加減を間違えた。腕の一つ……脚でもいい。どれか奪えればあいつ、無理やりにでも転ばせられたのに」

「成る程」

 ディスグレイスは静かに頷く。シャープキラーはこちらを見ようともしない。手振りでキールバックを重要書類回収に向かわせつつ、彼女は部下のもとまで歩み寄った。そして。

「イヤーッ!」「ンアーッ!?」

 その頭を思いっきりはたく! 驚いたように見上げてくるシャープキラーに、彼女は顔をしかめた。

「たらればをいつまでも引きずるんじゃありません! そもそもチーフオフィサー=サンは強力なニンジャでした。勝利できただけでも御の字と思いなさい!」

「エ、ア、ゴメンナサイ……えと、怒ってないの?」

「貴女が妙なことに頭を悩ませてるのに苛立ってるだけです。……あのカラテは見事でした。お手柄ですよ」

 微笑を向け、頭を撫でてやる。ぽかんとしていたシャープキラーがくすぐったそうに笑った。

 そしてディスグレイスは物欲しげな顔をしているブラッディリリーを見やる。

「キールバック=サンが重要書類を回収でき次第帰投します。それまでブラッディリリー=サン、貴女はシャープキラー=サンと一緒に接収できそうな物資を探してください」

「ハーイ。……ママはどうするの?」

「このオフィスの社員全員にジツをかけて騒ぎを防ぎます。面倒ですけどね」

 ディスグレイスは溜息とともに、オフィスへと向かっていった。


■探索結果■
・倉庫
コモントレジャー回収
(1,3,6)
 【万札】48→52
『UNIXデッキ』獲得
・応接室そ
『見事なボンサイ』獲得(中の人々はディスグレイスがぼんやりさせた)
・社長室
アンコモントレジャー獲得
(3,5,6,6) 【万札】52→62
レアトレジャータイム!
(2,3,6)
▲バイオサイバネ脚(鳥)
*タカハシ・マスターツールキット*
*グレーター・マキモノ・オブ・シークレット・ニンジャアーツ*
獲得!

【ヘッドハンティング・ウィズ・クロスカタナ】後編終わり。報酬編に続く




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