忍殺TRPGソロリプレイ【レッツゴー! ブラインド・エクスペディション!】後編

◇簡単な前置き◇

 ドーモ。しかなです。当記事はしかながソロシナリオを遊んだ結果を元に書き上げたテキストカラテ……一般的にはリプレイと呼ばれるものとなります。気楽に読めるよ。

 そして続き物でもあり、前回のエピソードはこれです。

 ではいってみよう。よろしくおねがいします。



◇これまでのあらすじ!◇


「それでこのスカイフィッシュを調査したいんだよ!」

「成る程」

「あ、あの、なんで私連れてこられたんですか……?」

ブラインド隊長の発案! 共感し、集う隊員たち!


「ほれ、コイツをやるからとっと帰んな」

心を閉ざす現地住民との交流!


「キィキィキィキィ!」「ンアーッ!?」

襲来する密林の洗礼!


「ジェロニモーッ!」

突如出現した謎のニンジャ!


「マテ……サワタリ=サン……」

混迷する事態の中、ブラインド探検隊の前に姿を現した存在とは!?



◇迫られる選択!◇


 枝葉を踏みしめながらエントリーしたその存在に、ブラインド探検隊は驚愕に目を見開いた! おお、ナムアミダブツ……! その姿を一体どのようにお伝えしたらよいものだろうか。それは一人のニンジャであった。だがその頭部は肉でできた樹木めいた質感と形状を備えており、どこに目耳鼻口があるのかすら判然としない。そしてところどころに開いた洞から出入りするのは……ブラインド隊長が先ほど発見したスカイフィッシュなのだ!

「ドーモ。スカイフィッシュ、デス」

「……ドーモ。スカイフィッシュ=サン。オーキッドです」「アイエエエ……チ、チェインドッグです……」

「スゲエー! スカイフィッシュ! 本当に居たんだ! エヘヘ!」

 アイサツする異形ニンジャ……スカイフィッシュに、オーキッド隊員とチェインドッグ隊員がオジギ! ブラインド隊長はスカイフィッシュの実在を確信し満面の笑み! よかったね!

 オーキッド隊員が不機嫌そうに唸る。

「……バイオニンジャ。ハント重点?」

「オ、オーキッド=サン! あんまり刺激するようなこと言っちゃダメです……!」

 チェインドッグ隊員が慌ててその口を塞ぐ! 彼女が警戒しているのは相対している危険バイオニンジャ戦闘集団サヴァイヴァー・ドージョーの大将格、フォレスト・サワタリだ。だがサワタリはオーキッド隊員の言葉よりスカイフィッシュへの叱責を優先した!

「なにをしているスカイフィッシュ=サン! 作戦行動中だぞ!」

「サワタリ=サン、ソノコトダガ……」

 見た目に似合わぬ冷静な口調……どこから声を出しているのかもわからないが……でスカイフィッシュがなんらかの報告を行おうとした、そのとき! 


KABOOOOM! KABOOOOM! KRA-TOOOOM!


「アイエエエエ爆発!?」「何?!? 何なの!?」「……新手?」

「ヌウーッ……! キタゾ、サワタリ=サン!」「シマッタ! 既に掃討作戦は始まってしまっていたのか!?」

 連続する爆発音! 巣をつつかれたハチめいて激しく飛び回るスカイフィッシュ! 密林の一部を炎が包む! ブラインド探検隊の面々もサヴァイヴァー・ドージョーのニンジャたちも慌てふためく! 混乱する状況の最中、更にエントリー者が一人!

「ついに追い詰めたぞ愚かな実験動物め……! ドーモ! タンクアームです!」

 燃える密林をバックに現れたのは、右腕を戦車の砲口めいたサイバネに置換した巨漢ニンジャだ! スカイフィッシュとフォレスト・サワタリへ侮蔑的視線! サワタリが睨みとアイサツを返す!

「ドーモ、タンクアーム=サン! フォレスト・サワタリです!」「スカイフィッシュ、です」

「ブラインドでーす」「……オーキッドでーす」「アイエエエ……チ、チェインドッグです……」

「………………ム? 皆様方はいったい?」

 おそらくはその見た目からサヴァイヴァー・ドージョーと無関係と判断したのであろう。タンクアームは怪訝な目でブラインド探検隊を見やる! 一斉にオーキッド隊員へ振り返るブラインド隊長とチェインドッグ隊員! やや鼻白みつつも、一歩前へ出るオーキッド隊員。

「私たちはスカイフィッシュハントのためにここを訪れた通りすがりのニンジャです。このバイオどもとは無関係」

「……エッ、スカイフィッシュを狩るつもりだったんですか?」「ンー? どうだっけな」

「ナルホド、そういうことでしたか」

 ブラインド隊長とチェインドッグ隊員の会話を一旦聞き流したらしいタンクアームが、サイバネ砲口をサワタリらに向けつつブラインド探検隊を見やる。

「スカイフィッシュのハントということでしたら是非ご協力を。あなたがたが探すスカイフィッシュなる生物はこの実験動物のクズ共が由来なのですから! 無論、謝礼もお支払いします」

「……そもそも、あなたは何?」

「私はゴイリヨウ化学に所属するニンジャです。この地域のジアゲを担当しております」

「ジアゲ……」

 顔を青ざめさせながら呟いたのはチェインドッグ隊員だ。彼女は一人引きこもっていた屋敷ごとソウカイヤにジアゲされ、ソウカイニンジャとして活動することになった経緯を持っている。人一倍その言葉には敏感なのだ!

 オーキッド隊員は彼女を一瞥し、またタンクアームへと視線を戻して先を促す。

「そのスカイフィッシュとかいうカスはヨロシサンからの脱走バイオニンジャでしてな。ちょうどこの地に逃げ込んできたため、ヨロシサンに対する交渉カードとして先んじて処分しようとしておるのです。しかし」

 と、タンクアームは砲口をフォレスト・サワタリへ。

「そこの胡乱な狂人に邪魔されておりまして。私単独でもそれほど難しいビズではありませんが念には念を入れておきたい。社には私から口利きをします。いかがです?」

「……ベトコン舞台の強襲を受けた! 至急援軍を……!」

 熱に浮かされたようなサワタリの呟きが耳に届く。彼が話しかけるIRCインカムはしかし、ザリザリとしたノイズを返すのみ。もはやアトモスフィアは張り詰めており、いつイクサが始まってもおかしくない状況! だがそれが起こらないのは……ブラインド探検隊がいるからだ! サヴァイヴァー・ドージョーもゴイリヨウ化学も、我々の出方を伺っているのである!

 オーキッド隊員はチェインドッグ隊員を振り返る。ビクリと震えたチェインドッグ隊員は、逡巡した様子でフォレスト・サワタリの方を見やり、再びオーキッド隊員を見つめ返した。

 オーキッド隊員はブラインド隊長を振り返る。隊長は緊張したアトモスフィアなどものともせぬ豪胆な態度で言った!

「ンンー……どうしよっか?」

 オーキッド隊員は頷き、己自身を見た。そのぶかぶかとした迷彩ミリタリーコートの中に収められたタッパー。その中にあるダイコン・スシを。

「わかった」

 彼女は決断し、ショットガンを抜いた。そして……BLAKKA!


選択肢2:フォレスト・サワタリ達に味方する


「イヤーッ!?」

 タンクアームは驚愕しつつも散弾を連続バック転回避! IRCインカムに呟き続けていたフォレスト・サワタリが顔を上げて目を見開く。その狂気に冒されたニューロンでも、オーキッド隊員の行動の意味は明らかであった!



◇芽生える友情!◇

「お前達は……ベトコンではなかったのか!」

「私たちはハンター。……罠を除けば、お前は現地の人間に迷惑をかけてない。けどそこのニンジャは違う。明白に生活を脅かしてる」

 淡々とオーキッド隊員は言った。危険生物ハンターの時分、もっとも重要なのはその危険にさらされる住民たちを守り抜くことだった。無論、オーキッド隊員が個人的にバイオニンジャないしバイオサイバネに不信感と嫌悪感を持っていることは事実である。だが彼女は個人的感情よりかつての行動理念を優先した!

 あとは多数決の問題だ。ブラインド隊長は中立的立場を選んだ。となれば残るはチェインドッグ隊員である。そしてオーキッド隊員は彼女の瞳からタンクアームに対する反発感を読み取っていた。フェイス・トゥ・フェイスは重んじられるべきだろう。

「あそこの人にはスシをもらった。その分の恩義は返す。お前たちへの協力はそのついで」

「……すまぬ! 友軍の協力に感謝する!」

「ヌウゥーッ! 人が下手に出ていれば! トチ狂いおって損得勘定もできん脳味噌足らずのチンピラめがーッ!」

 怒りに目を血走らせたタンクアームから懐からIRCインカムを取り出し、叫ぶ!

最終兵器投下せよ!

 バラバラバラ……! 空中から聞こえてきた音にブラインド探検隊およびサヴァイヴァー・ドージョー連合軍は空を見上げる! 枝葉の間から見えるはヘリコプター! そしてそこから投下された……ヒュウウウウ……DOOOOM! 大質量!

 その正体は禍々しき鋼鉄の鬼! 八つの腕それぞれに武器を構え、四本の脚でその巨躯を支える対ニンジャ殺戮兵器!

『ドーモ、モータードクロ、デス。モータードクロはヨロシサンの手先であり、ゴイリヨウとは無関係』

◆モータードクロ (種別:戦闘兵器、大型2x2)	
カラテ		8	体力		25
ニューロン    	2	精神力		ー
ワザマエ		12	脚力		4
ジツ		ー	万札		30
							
◇スキル
 『連続攻撃2』、『ゼンメツ・アクション・モード』、『ダメージ軽減1』
 『戦闘兵器』:
  このルールを持つキャラに「カナシバリ・ジツ」などの精神攻撃は作用しないが、
  『電磁ショック』のダメージは2倍となってしまう。

◇装備
 オムラ・ガトリングガン:遠隔武器、連射3、ダメージ2、範囲攻撃2x2、重火器
 オムラ・バズーカ:遠隔武器、爆発(カトンLV2)、小銃
 アンタイニンジャ・ライフル:遠隔武器、ダメージ1、小銃、対ニンジャ仕様
 ヨロシ・デコンタミネイター型火炎放射器:遠隔武器、火炎放射器(カトンLV1)、小銃
 オムラ・マシンガン:遠隔武器、連射3、ダメージ1、小銃
 オムラ・マシンガン:遠隔武器、連射3、ダメージ1、小銃
 オムラ・ショットガン:遠隔武器、ダメージ2、小銃
 オムラ・ショットガン:遠隔武器、ダメージ2、小銃
 エイトウェポン・アームズ:近接武器、ダメージ2

ゼンメツ・アクション・モード:
  1回の手番で「移動」→「近接攻撃」→「遠隔攻撃」→「遠隔攻撃」が可能。

「コイツで貴様らを密林と村ごと焼き尽くして証拠隠滅! 罪は全てヨロシサンに被せ、ジアゲを完遂してボーナス重点! 完璧なプランよォーッ!」

ジェロニモーッ!

 勝ち誇るタンクアームへ、フォレスト・サワタリが斬りかかる!「サイゴン!」「イヤーッ!」「ホーチミン!」「イヤーッ!」たちまち始まるニンジャ同士のイクサ! 

 眼前のデカブツをどうハントしたものか。無表情にモータードクロを見上げるオーキッドの横に並んだのは……スカイフィッシュであった!

◆スカイフィッシュ (種別:ニンジャ/バイオニンジャ)
カラテ          7   	体力	9
ニューロン       4	精神力	5
ワザマエ       4    	脚力	4
ジツ          4         万札	0
近接攻撃ダイス:9
遠隔攻撃ダイス:6

◇装備や特記事項	
装備:▲▲バイオサイバネヘッド(重度):近接攻撃ダメージ2
                             【体力】+1、『近接攻撃』ダイス+2個、
                   『遠隔攻撃』ダイス+2個、『●不屈の精神』自動取得
    △バイオ脳内物質分泌:【体力】+1、【精神力】+2
    ▽ジツ拡張サイバネ:【ジツ】+1	

スキル:『連続攻撃2』
    ●『不屈の精神』:【精神力】+1。
             抵抗のために【ニューロン】判定を必要とするようなあらゆる攻撃に対して、
             抵抗判定の難易度を−1できる。

狂気:バイオインゴット欠乏症(1段階目):
   消費アイテムによる【体力】および【精神力】の回復量が−1される(最低値は回復量0)。
   ZBR蘇生は例外。							

★スカイフィッシュ・スウォーム・ジツ
自分の手番で『近接攻撃』の代わりに発動を試みられる。
【精神力】を1消費し、発動難易度はNORMALである。
効果は通常の『スウォーム・ジツ』と同様だが以下の点で異なる。
・効果範囲が3×3でなく、5×5マスである。
・この範囲内にいる敵全員についてそれぞれD6を振り、
 出目が1~3だった場合、その敵に1ダメージを与える。(回避難易度:HARD)。
 出目が4~6だった場合、その敵に1ダメージを『時間差』で2回与える。
 これはまとめて回避ができない。(回避難易度:HARD)。

「ワタシハ、オマエタチヲ、エンゴ、シヨウ」

「……助かる。アリガト」

 短く礼を言ったオーキッド隊員は、手振りでブラインド隊長らに散開するよう提案した。眼前のデカブツはどうあっても大規模破壊兵器を所有している。まとまっていれば巻き込まれゼンメツは必至!

 その意を汲み取り大きく横手へと離れていくチェインドッグ隊員! ブラインド隊長はサイバーカリブーから降り「ちょっと向こう行っててね」「GUUUU」非戦闘カリブーを安全地帯に避難させ、大きく伸び。そしてあっけらかんとした様子でモータードクロを見上げる。

「ンンー……ヨッシャ、やろっか!」

『ニンジャソウル検知……ゼンメツ・アクション・モード起動!』

 その言葉が皮切りであったかのように、モータードクロのボディが展開! あからさまに過剰な重火器の数々を曝け出す! そして咆哮めいた稼動音を響かせたのだ!


◇そして激闘!◇

手順は以下
ブラインド→オーキッド→スカイフィッシュ→チェインドッグ→モータードクロ

 ブラインド隊長はのんびりと歩き出した。スカイフィッシュはもちろん、今まで行動を共にしていたオーキッド隊員やチェインドッグ隊員から見てもあっけにとられるほどに普段通りの仕草。

 モータードクロのカメラ・アイが彼女を捕捉しようとした、その時!

「ヨイショーッ!」

 一定距離まで接近したブラインド隊長は急加速! モータードクロの脚を、その胴体を風めいて駆け上がった彼女は「みっけ」殺戮兵器の首筋に目当てのものを発見し、懐から取り出した直結用LANケーブルを無造作に突き刺した。そして!

「ヌンヌンヌンヌン……」

「……? !? ピガガーッ!?」

 KABM! 突如モータードクロのボディから小規模爆発! ブラインド隊長決死のLAN直結攻撃がその回路の一部を破壊したのだ!

「ンンー? ちょっと浅かったかな」「ピガ、ピガガーッ!」「オットット! ヨイショーッ!」

 小首を傾げるブラインド隊長は、暴れ始めるモータードクロの背を蹴り離脱! そこに、BLAKKA! オーキッド隊員の無慈悲なショットガン射撃!「ピガッ」散弾を叩き込まれたモータードクロがややよろめいた。だが致命的ダメージでないのは明らか!

 キュイイイイ……カメラアイがオーキッド隊員に照準を合わせんとす! そのときだ! そのカメラアイを無数の棒状の影が遮った。それはスカイフィッシュ頭部の洞からスクランブルした小型スカイフィッシュの群れ!

「スカイフィッシュ・スウォーム・ジツ……! イヤーッ!」

 ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン! もはや小型スカイフィッシュの数はカメラアイを覆い尽くさんばかり。そのうちの何体かは果敢にもモータードクロへ体当たりを仕掛けるものの、オムラの開発した巨大質量兵器を傷つけるには至らない。だが撹乱には成功している!

「い、イヤーッ!」「ピガッ!」

 エイトアームズを振り回しスカイフィッシュを追い払おうとしていたモータードクロがややバランスを崩しかけた。その四本脚の一つにチェインドッグが噛みついたからだ。彼女の口内に仕込まれた自衛用バイオサイバネ牙はニンジャのカラテとの相乗効果により鉄板に穴を開ける!

「ウウーッ硬い……」

「あんまり無理しちゃダメだよチェインドッグ=サン。ヨイショーッ!」

「ンアーッ!?」

 涙目になるチェインドッグ隊員の横に着地したブラインド隊長が優しく彼女を突き飛ばした。直後、彼女のいた場所にめり込む巨大質量! モータードクロの振り下ろしたハンマーだ!

「ゼ、ゼンメツ!」「ヨイショーッ!」

 残り七本の腕で振り回される巨大武器の数々を、ブラインド隊長はひょいひょいと回避! まるで攻撃軌道がわかっているかのような最小限の動作!

 その間にもモータードクロは小型スカイフィッシュ群の向こう側にゼンメツすべきニンジャたちの影を捕捉! ボディから展開したガトリングガンとバズーカを向ける!

「ゼンメツ! ゼンメツだ!」

 BLATATATA! KABOOM!

「「イヤーッ!」」

 弾丸の雨! 爆風! 狙われたスカイフィッシュとオーキッドは連続側転で回避! 

「そっちは平気?」「モンダイナイ。シカシ、ヤッカイナ!」

 木々の間から言葉を交わし、互いの無事を確認する。「ゼンメツだ! ゼンメツだ!」4人のニンジャが相手にも関わらず、モータードクロいまだ健在! 危うしブラインド探検隊!

『1ターン目』
ブラインド:直結攻撃
3, 6, 6, 6, 6
電子戦開始!
ブラインド:
1, 1, 1, 1, 2, 2, 2, 2, 3, 3, 3, 4, 4, 5, 5, 6 成功数5
モータードクロ:
3, 5 成功数1
モータードクロ【体力】25→21
オーキッド:ショットガン
2, 2, 3, 5, 6, 6 モータードクロ【体力】21→20
スカイフィッシュ:スカイフィッシュ・スウォーム・ジツ発動
2, 2, 3, 4, 4, 4, 6, 6, 6 成功
チェインドッグ:バイオサイバネ
2, 4, 5 モータードクロ【体力】20→19
モータードクロ:アームズ→ブラインド
(1, 3, 4, 6)(1, 5, 6, 6) 成功・サツバツ
ブラインド回避
(2, 2, 5, 6)(3, 4, 5, 5, 5, 6)
モータードクロ:ガトリング→スカイフィッシュ
(1, 2, 5, 6)(1, 3, 4, 5)(3, 4, 6, 6) 成功3
スカイフィッシュまとめて回避
2, 2, 2, 4, 5, 6, 6
モータードクロ:バズーカ→オーキッド
1, 1, 2, 4, 4, 4, 4, 4, 4, 5, 6, 6
オーキッド回避
1, 2, 3, 5, 5, 5

「ヨイショーッ!」

 掃射直後のモータードクロへ果敢に取りついたのはブラインド隊長! 慣れた手つきで再びモータードクロと直結!

「ヌンヌンヌンヌン……」「ぴ、ビガガガーッ!?」「ヨッシャ! 今度はいい感じ!」

 KABM! KABM! 関節部から小規模爆発! 黒煙を履いて痙攣するモータードクロにブラインド隊長は会心のヤッタ・ポーズ! BLAKKA! 「ピガーッ!?」「ヨイショーッ!」さらにボディを揺らすオーキッド隊員の援護射撃! その間にブラインド隊長は離脱!

「「イヤーッ!」」「ピガーッ!?」

 そこへ果敢に挑むスカイフィッシュとチェインドッグ隊員! 両名のバイオサイバネが、無敵かと思われたモータードクロのボディを少しずつ削り取っていく!

「ゼ、ゼンメツ! ゼンメツ! ゼンメツだ!」

「イヤーッ!」「イヤーッ!」振り回されるエイトウェポン・アームズをブラインド隊長とスカイフィッシュが回避! BLATATATATA!「イヤーッ!」KABOOOM!「イヤーッ!」過剰なまでに降り注ぐ弾丸の雨をオーキッドが連続側転回避! カメラアイ周囲を旋回するスカイフィッシュが正確な狙いを阻害しているのだ!

「そろそろ決めよっか。ヨイショーッ!」

 ブラインド隊長、三度目の直結!「ピガガガガーッ!?」KABM! KABM! KABOOOM! 無視できぬ破綻がモータードクロの電子回路を襲い、爆発せしめる! ぐらつくドクロにBLAKKA!「ピガガーッ!?」叩き込まれる散弾! そして!

「イィィィィヤァァァァーッ!」「ピガガガガーッ!?

 スカイフィッシュのバイオサイバネが! 鋼鉄の鬼を! 完膚なきまでに破壊する! ゴウランガ! おお、ゴウランガ!

「バ、バカナーッ!?」「ホーチミン!」「グワーッ!? オ、オノレーッ!」

 目を剥いたタンクアームが、一瞬の隙を突かれてその胸を斬り裂かれた。追撃の構えを見せるフォレスト・サワタリを前に彼は状況判断、撤退を選択!「イヤーッ!」連続バック転で密林の奥へと消えていく!

 ザンシンしたフォレスト・サワタリはもはや鉄クズと化した米軍の新兵器と、それを打ち倒した部下と友軍たちを見やって笑みを浮かべた。

「総員、よくやった! 我が隊の勝利だ!」

「ヤッター!」

 ブラインド隊長が喝采! 隊員たちは静かに視線を交わし合い、笑いあった。危機は去ったのだ。

『2ターン目』
ブラインド:直結攻撃
1, 4, 4, 5, 6 成功
電子戦開始
ブラインド
1, 2, 2, 2, 2, 2, 3, 3, 4, 4, 4, 5, 5, 5, 6, 6, 成功数9
モータードクロ
1, 6 成功数1
モータードクロ【体力】19 → 11
オーキッド:ショットガン
1, 3, 3, 5, 5, 6 モータードクロ【体力】11 → 10
スカイフィッシュ:バイオサイバネ
(1, 2, 2, 2, 3)(2, 4, 4, 5) モータードクロ【体力】10 → 9
チェインドッグ:バイオサイバネ
1, 3, 5 モータードクロ【体力】9 → 8
モータードクロ:アームズ→ブラインド、スカイフィッシュ
4, 4, 5, 6 
3, 3, 5, 5
ブラインド回避
1, 1, 2, 2, 3, 4, 4, 5, 5, 6
スカイフィッシュ回避
1, 2, 3, 4, 6, 6, 6
モータードクロ:ガトリング→オーキッド
(1, 3, 4, 4)(1, 2, 4, 4)(2, 4, 6, 6) 成功1
オーキッド回避
2, 3, 5
モータードクロ:バズーカ→オーキッド
1, 1, 2, 2, 2, 3, 4, 4, 5, 5, 5, 6
オーキッド回避
2, 2, 6
『3ターン目』
ブラインド:直結攻撃
1, 2, 3, 4, 5 成功
電子戦開始
ブラインド
1, 1, 1, 1, 2, 2, 2, 3, 3, 4, 4, 4, 4, 5, 5, 5 成功数7
モータードクロ
6, 6 成功数2
モータードクロ【体力】8 → 3
オーキッド:ショットガン
1, 2, 2, 5, 6, 6 モータードクロ【体力】3 → 2
スカイフィッシュ:バイオサイバネ
(2, 4, 4, 6, 6)(1, 3, 4, 6)サツバツ!・成功
1d6 → 1 「死ねーッ!」
モータードクロ【体力】 2 → -1 撃破!


◇別れ……◇

 ……激戦から数分後! ブラインド探検隊はスカイフィッシュに連れられ、ある場所へと案内されていた。それは周囲の木々と比べてもなお巨大な大樹であった。スカイフィッシュはその木の洞から取り出したものを差し出した。オーキッド隊員が首をかしげる

「……これは?」

「ヨロシサン、ノ、ケンキュウデータ、ダ。……タスカッタ、レイ、ダ。モッテイケ」

 『シャガイ級』とインクでショドーされたフロッピーディスクを、オーキッド隊員が神妙な顔で受け取った。その様子を見守っていたフォレスト・サワタリが声を張り上げる。

「では我々は本隊と合流する! お前達の健闘を祈る!」

「サラバ、ダ」

 その言葉だけを残し、フォレスト・サワタリとスカイフィッシュは木々を渡り飛ぶように去っていった。あとにはただ、ブラインド探検隊が残されるのみ。

「ンンー……私たちも戻ろっか!」

 そしてブラインド隊長は今回の探検の終了を宣言したのである! オーキッド隊員は静かに頷き、チェインドッグは疲れた顔に微笑を浮かべた。戻ってきたサイバーカリブーが、ツノを器用に使ってブラインド隊長を背中に乗せる。

 ブラインド隊長は懐から剥き出しの万札を取り出し、隊員達に配布した。謝礼金!

「今日はアリガト! これお礼ね!」

「……ウン。狩りじゃなくなったけど、もらっておく」

「……元から狩りじゃなかったですよね? スカイフィッシュを探しに来ただけですよね……?」

 チェインドッグ隊員の声に、答える者はいない。三人はそのまま、サイバーカリブーの賑やかなイルミネイションを頼りに元来た道を戻るのだった。

オーキッドとチェインドッグ、【万札】 5を獲得
モータードクロ撃破と合わせ、
オーキッド:【万札】4 → 19
チェインドッグ:【万札】7 → 22



◇エンドロールな◇

 スカイフィッシュ探索から数日後、トコロザワ・ピラー! ブラインド、オーキッド、チェインドッグの三名は今、スカウト部門反省室のタタミの上に揃って正座させられていた!

「報告書は読ませていただきました。なにをやっているんですかあなたたちは!」

 その前に仁王立ちするのは改造ミコー装束の女。右腕がないものと見え、その右袖はむなしくはためいている。彼女のバストは豊満であった。この者の名はディスグレイス。

 のほほんとしているブラインド、渋面を作るオーキッド、そして涙目で震えるチェインドッグ……それぞれの顔を見渡してから、ディスグレイスは眉間にしわを寄せ彼女らを見下ろす。

「事の発端はまあよしとしましょう。この手のレポートはそう珍しいものではありません。結局はヨロシサンの関与ということもよくわかりました」

「でもいたんだよ! スカイフィッシュ!」

「そこは論点ではないですよブラインド=サン。問題なのは! その道中でゴイリヨウ化学のニンジャとことを構えたことです! 先方からクレームが来ています!」

「……向こうが悪い」

 ぼそりと呟いたオーキッドに、ディスグレイスが怒りの眼差しを向ける。それに臆することもなく、迷彩ミリタリーコートの少女はミコーを睨み返した。彼女は知っている。このニンジャは右腕を邪悪なバイオ触手に置換したニンジャであり、他のバイオサイバネ利用者と比べてもことさらに性質が悪い。

「だいたい、なんでお前が説教するの? こういうの、ソニックブーム=サンがやるものじゃない」

「わたくしが筆頭補佐の一人として任命されたからです。そしてわたくしが管理を任されたニンジャの中にあなたがたの名前がある。つまるところ、上司として言うべきことを言う必要があります。……そもそもあの方がこの場にいないことをまず幸運に思いなさい。蹴りの一つが飛んでいてもおかしくない事態ですよ」

「ア、アイエエエ……」

 チェインドッグの震えがひどくなる。ブラインドやオーキッドと違い、彼女は元来からディスグレイスをメンターとしていたニンジャだ。普段から親身に、優しく接してくれる彼女がここまで怒りを見せているという事実。それが自分のしでかしたことをより鮮明に責め立てているのだ。

 とはいえ、その脅えようがディスグレイスの怒りをやや冷やしたようだった。気を取り直すように咳払いした彼女は、正座する一同をぐるりと見渡した。

「とはいえ……とはいえ、です。今回ゴイリヨウ化学が行おうとしていたジアゲはかなりの無理筋でした。その上、ヨロシサンへ破壊工作の責任をなすりつける偽造行為さえ行っていましたからね」

「あ、私が録音してたやつだね!」

「その通りです。……ときどきあなたのことがわからなくなりますよ、ブラインド=サン。ともあれ、あれがあったおかげで相当に『交渉』がやりやすくなりました」

 アトモスフィアが軟化したことを察知し、チェインドッグがおそるおそる顔を上げる。彼女は知らない。タンクアームとの交渉をブラインドが逐一録音していたことなど。結果的に、それが彼女らの立場を救うこととなった。

「あの場でタンクアーム=サンとやらが行おうとしていた行為はすべて彼の暴走によるもの。ゴイリヨウ化学は無関係……そういうことです。なので、あとはあなたがたがゴイリヨウ化学の『悪評』を意図的に広めなければいい。わかりましたね?」

「ハーイ!」「……わかった」「ハ、ハイ……」

「それはそれとして、今後はこのような軽率な介入は避けること! あまりに問題行為が多いと、わたくしのほうからソニックブーム=サンに報告しなければならなくなりますので。いいですね!?」

「「「アッハイ」」」

 そんなわけで、ブラインド探検隊の冒険は終わったのだ。


◇◆◇◆◇


「あ、そうだ。ハイこれ、オーキッド=サン」

 反省室から退室後、ブラインドは唐突にフロッピーディスグをオーキッドに手渡した。スカイフィッシュより渡された『謝礼』である。分析を頼んでいたのだ。

「エート、スウォ……スモウ? なんかそんな感じのジツの研究結果だったみたいだよ」

「……スウォーム・ジツ」

 オーキッドはぼそりと呟く。あのバイオニンジャ、スカイフィッシュがそのようなジツを使っていたはずだ。今の自分には役立てられそうにない。

「ブラインド=サンは、いいの? これ」

「ンンー? 別にいいや! 面白くなかった!」

「そう」

 確認を終え、オーキッドはそれをポケットにしまいこむ。事前にチェインドッグとは交渉済み。彼女も不要だと言っていたので、ブラインドがいらないのであれば自分のものだ。売ってもいいが……他に必要とするものがいるかもしれない。

「アリガト。それじゃ」

「バイバーイ!」

 賑やかに手を振って見送るブラインドに手を振り返してから、オーキッドはスカウト部門オフィスを後にする。とりあえず、スシを食べに行こう。

オーキッド:『スウォーム研究データ入りフロッピー』獲得


【レッツゴー! ブラインド・エクスペディション!】劇終


◇あとがき◇

 というわけで、オーキッドとチェインドッグはともに生還。モータードクロ戦はやはりブラインド=サンが強かった。やはり電子戦ができるニンジャを育ててみたいものだなあ……

 ヨロシ研究データはオーキッドの手に渡り、いったんは彼女の手で保管してもらおうと思います。そのうち活用できるスウォーム・ジツ使いとタッグを組んでもらうことになるかもしれないね。

 では、ここまで読んでくださった皆様方。そして楽しいシナリオを書いてくださった海中劣=サン! ありがとうございました! 気が向いたらまたやるよ!


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