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博物ふぇすてぃばる!2023展示内容

博物ふぇす開催まで2日切りました。

僕は6回目の参加となります。博物クリスマス入れると7回目かな。
僕にとっては多くの人に研究を知ってもらう良いイベントなのですよ。
(アニメーション協会のイベントは内輪感が強く、顔ぶれも同じ感じ…)

僕がずっと研究しているテーマは
「昔の映像玩具を現代にアレンジして、一つのジャンルとして確立するにはどうしたらよいか」です。
新しいデザイン、心地よいインターフェイス、独自性などに挑戦しつつノスタルジックな雰囲気を備え、それが自然に発明者のもとへと興味の導線が伸びていく。そんなおもちゃを目指しています。

今年は視覚玩具とその発明者を合わせて紹介する展示となります。


①ソーマトロープ

残像という概念を人類が手にいれるきっかけとなった玩具です。
当時「二つの絵を脳内で合成する」という考えは心理学に近い分野で検証されていたようです。
もちろんこれが発明される前でも人々は無意識に近い状態で体感していたはずなので、あらためてそれを表に引き上げた功績は大きいですね。


②フェナキストスコープ

機構だけで言うとスリット穴で残像のつながりを断つことで
瞬間を切り出すという装置です。
瞬間の絵と次の瞬間の絵を脳が自動的に補完し続けることで絵が生命を持って動いて見えます。
当時の人が「絵が動く」ということを「絵に命が宿る」と評していたのが面白いですね。(現在ではアニメーションにおいて絵が動くのは当たり前ですが、【絵】が【動く】という概念のない時代では【命が宿る】と表現するくらい異常なことだったのでしょう。)

ソーマトロープで残像の概念が発見され、今度はそれを取り除いてみようという発展の仕方が興味深いです。


③ゾートロープ

仕組みはフェナキストスコープと同じですが、
複数人が同時に体験できるということで爆発的に広まった視覚玩具。
いつの時代も「体験の共有」がバズるきっかけなんでしょうなぁ……


④プラクシノスコープ

一体どうやって思いついたんだこんなの!? っていつも思う。
鏡の反射がずっと象を追い続け、次の絵に切り替わる……
言葉で説明しにくい……
と、とにかくスリット穴使わないから鮮明に見えます。
(スリット使うと光量が少なくて暗くなる→見えにくい)
作るには精度の高さが要求されるため”オモチャ”としては安価なゾートロープのほうが広まったと思われます。


と、今回の博物ふぇすでは4タイプの視覚玩具を用意いたしました。
もちろん触って遊べます。
また、自作のオリジナルプラクシノスコープを今年も販売します。
是非あそびに来てください。


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