自分史的なクリッピング史料

昨日のメッセージに続いて、今日は若干広告的と言うか、新聞社の意気込みを感じる特集記事から。新聞PR特集記事だから、これもバイアスがかかっているのかも知れないけど、プレーンに読んで感じたことを。

2023年4月6日 朝日 きょうから春の新聞週間 知る喜び 人生のヒント

この記事では、3人の著名人のコメントが掲載されている。タレントのスザンヌ、ボクシングの元世界王者の村田諒太、そして、お笑いタレントのもう中学生。

まずはスザンヌさん。彼女は本は大好きで人生の指針にしていると始まる。紹介されている本は、「女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと」(西原理恵子)、「宙ごはん」(町田そのこ)が挙げられている。また新聞は身近な存在であったとも。会う機会もない人の言葉を与えてもらえることに意義があるという認識。地元・熊本地震の際(2016年)には、SNS上でライオンが動物園から逃げたなどのフェイクニュースが拡散されたことに、いいことも悪いことも直ぐに拡散されてしまうSNSの信頼性に疑問を感じたらしい。それと比べれば紙のメディアの方が信ぴょう性は高いのかもしれないと。速報性と確実性は必ずしも同居しない。結局そのニュースを字面だけでなく、個々に ” 知ろう " という姿勢を堅持しなくてはというまとめ。

次に元世界王者・村田さん。2012年、金メダルを獲得し、ピークをつかみ取った後には、充足感が続くものだと思っていたけど、そうではなかったとの回顧で始まる。プロになって勝利こそ成功の証と思っていたけど、成功すればするほど傲慢になり、そのひずみを感じるようになった。そこで読書に救いを求めた。ここで紹介されている本は、「夜と霧」「死と愛」(ビクトール・フランクル)。「夜と霧」は高校時代に課題図書であったので自分も読んだ。ナチスの強制収容所の残虐さは今でも脳裏に焼き付いている。村田さんはこうした事実をベースとした書物に生き方や人間性を汲み取ろうとしたらしい。彼が別のメディアで紹介していた神谷恵美子の「生きがいについて」は電子書籍を購入してキンドルに格納されている(まだ未読)。

村田さんは、自分だけの選書では偏ると思い、他の人から薦めてもらった本もバランスよく読書していると。そうバランスが大事、自分もついつい偏っているのではと思うことがたびたびあるのでジャンルにこだわらず常に乱読中だ。でも限られた時間にそのバランスをどう取るかの工夫が必要だけど。一方新聞は一覧性もあって自ずと興味のない記事でも目には入るので、都度都度その取捨選択することで自身の判断力は鍛えられるとも。彼は、今後深堀した記事の掲載や専門性を打ち出した紙面づくりを期待している様子。

最後はお笑いタレントのもう中学生さん。かの芸風で一発屋なのだろうかと思ったけど、最近リバイバルして何かとメディアの露出は多い。彼は未だに故郷の地方紙を購読していて、その地域のニュースに安らぎや安心感を求めていると。お笑い界の浮き沈みの激しさにさらされながら、そうした地元の特化した記事に癒されると。

子どもの頃は大好きだった野球の記事を読む為にスポーツ面から目を通したとあるので、自分もそうだったなぁと回顧。当然子どもだからテレビ欄も確かめるとあるのも全く同じ態度だ。新聞の良さは毎日届くこととしているのも、今ではどちらかと言えば避けられない日常なのかなぁと受容しているのが実際。今の若者たちはネットニュースが中心だと思うけど。

自分も毎回新聞をまとめてすてるのに労力もかかるし、デジタルに変えちゃおうかなと思いつつ、手触りなどの触感やにおいから離れられないでいる。もう中さんは、地方紙面上で都会にはない掲載記事(農作物の収穫の始まりなど)からネタのヒントにすることもあるという。他者との違いをハッキリさせなければいけないという芸人ならではの切迫感もあるようだ。

PR特集記事でもあるから、この記事内容をどう受け取るかは、読み手次第でもあるけど、少なくとも3人の著名人の意見を読んだという事実は残る。さて各コメントから自分は何を感じるだろうか。きっとその時々によって違う感想を持っていたし、今後も持つだろう。自分の関心事にたいする他者コメントを拝察するという態度こそ大事なような気がする。それが、同化読みでも批判読みであったとしても。


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