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ムビマスの北沢志保が可愛いという話

1.はじめに

本日19時からBS11にて「THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!」通称ムビマスが放送されるとのことで、
本作品に登場する北沢志保というアイドルについて、少し書きたいことがあるなとふんわりした感じで筆を取った次第です。

残り2時間で放送が始まるので非常に焦っております。ネタバレも含みますので初見の方は視聴後にさらっと目を通して頂けたりしたら僕が喜ぶと思います。

約9年程前に本作品のリバイバル上映にて強く感銘を受けた当時そのままの感想と今の視点が混在しているかもしれませんが、悪しからず。
ではそろそろ本題に入っていきましょう。

2.ムビマスの北沢志保はとびきりに可愛い

単刀直入に言ってしまうとこれに尽きます。

志保さんはいつも可愛いよねってのは置いておきましょう。本作品の彼女は、とびきりに可愛いのです。

詳細情報は省きますが、彼女はアイドル候補生のバックダンサーとして登場します。

感想を語る上で、バックダンサー組の話になると避けられないのが可奈と志保の話でしょう。
一番分かりやすい形で出番がありましたからね。

この作品における2人は、
「心の底から大好きな憧れで一度折れてしまっても、そこから立ち直ることのできる強さ」

「本音を隠してしまって伝えられないいじらしさ、可愛さ。それでも前へ進もうとする直向きさ」

が何よりも魅力的に写っているなと思います。

初めて見た時、この北沢志保って子は本当に可愛いらしいなって思ったんですよね。

具体的にどこが可愛いかって?そりゃあもう。

3.北沢志保はアイドルに憧れていた

バックダンサーとして、765プロの先輩と同じステージに立つ。その事実に他の候補生は目を輝かせ、少し浮き足立ってみたり、憧れをあらわにすることがありましたね。志保さんはどうでしょうか。

スマホをいじってみたり(弟くんにこまめに連絡してて優しい)興味がないのではないかと言わんばかりのあっさりとした反応。

一見すると可愛げない後輩に見えますが、彼女は心の底で彼女なりの青い憧れがあるわけです。

「765プロの先輩」ではなく、
「プロのアイドル」に対して。

同じ舞台に立つからには彼女の拘りとして、同じプロでありたいという思いがあります。(候補生なのに)

対等で臨みたいという気持ちは、正直なあの段階では背伸びでしかありませんが、
それでも彼女はそうしたかったんです。

作品冒頭部で、これから皆で一緒に頑張ろう!という言葉に対して顔を曇らせたのも、
「プロのアイドルってもっとドライなのかと思ってた」この言葉の通りです。

競い合って誰にも負けないくらい本気で……
そういったクールで格好良いプロ像を思い描いていたんですね。多分、志保さんの思っていたものは大方間違ってはいません。765プロがここに関しては逆に異質であると僕は思っています。

勿論あの場所にいた765プロの先輩は誰一人として手を抜いてなんていないし、本気だったでしょう。

でも志保にとっては和気藹々としている様に見えてしまって、それに困惑していたわけです。

伊織さんから、そうは見えない子もいるかもしれないけど私は今でも皆をライバルだと思っている。という言葉を受けた時には、ちょっと嬉しかったんじゃないかなと。

あの場所にいるアイドルで一番志保の考えに近しく、寄り添って気に掛けてくれた人ですからね。素敵なシーンだったと思います。

閑話休題

興味がないように見えて、思い描くプロ像に対して強い憧れと尊敬がある。そんなところが可愛らしく、その感情をあまり見せようとしないところもいじらしいなぁという話でした。

4.抱えた不安が可愛い

可愛い という表現は少し違うかもしれませんが、物語中盤にかけての志保を初めて見た時に僕はそんな感情を抱きました。

本当に素直じゃなかった。
素直すぎて素直じゃなかったと思います。

ダンスが不安だと溢す可奈に対して放った
「出来ないなら、出来るようになるまでレッスンすればいいじゃない」

この台詞って本来、きちんと出来ている子が投げかける言葉なんですよね。
ここで驚きなのが志保も全然出来てないんですよ。
バックダンサー組で、振付を変えたい子とこのままでいきたい子に分かれるシーンがあります。

志保は勿論このまま変えずに頑張りたい側に立ちますが、練習背景を良く見てみると奈緒さんや美奈子さんに比べて動きがワンテンポズレていたり、ダンスが終わった後も振付が苦手な子同様に中々立ち上がれずにいます。

自分自身も出来ていないのに偉そうに……ではなく、可奈に投げた台詞が全部自分に返ってきていると言った感じでしょうか。

更に言うならば、ここは本当に只々、志保自身の本心です。出来ないことは出来るまでやるしかない。そうじゃないと追いつかない。それだけ焦っているし、だからこそ少し楽観的な様子だったバックダンサー組に余計に焦りを感じてしまったのでしょう。

もっと個人のレベルを上げなくちゃ話にならないと言いながらも、全体の焦りを受けてしまっているのも非情になり切れない。ステージが一人で作るものではないと本心では分かっているからこそ前に進もうと、不安な気持ちをぶつけたんですね。

全体に意を唱える彼女を見た時は、純粋に凄いなと思いました。ある意味で、正しい意見だったと思いますし、そうだったとしてもメタ的な話にはなりますが、リーダー天海春香に喰ってかかる様に見える構図、立ち位置に普通はなれないと思いました。しかも、不安な気持ちを抱えながら。

自分は全力を出し切りたい、貴方達はそうじゃないのか。懸命な投げかけが凄く愛おしく見えたんですね。

話は少し逸れますが、志保を演じて下さっている雨宮天さんも、誤解されやすい子で嫌われないか心配だと本作品について語っていたことがありました。
これに関しては本当に杞憂だと思っています。

こんなにも懸命な姿と、後述する志保が皆に付いてしまった嘘を知って、志保のことを嫌いになる人なんていないはずですから。

5.隠した本音が可愛い

「今進める人だけでも進まないと、みんな駄目になりますよ!」

初めて彼女の口から放たれたこの言葉を聴いた時、本当に驚きました。
一番駄目になりそうなの、自分じゃね?って
何度も言いますが、不安だったんでしょうね。
本当に良く頑張っていました。

全力を出し切りたい、先輩達は違うのか?と投げかけた時も、「私たち」と志保は言っていました。

これは、ただ不安で怖かったのかなと。
冷静に考えてみれば、志保だってまだ候補生。
アリーナライブにいきなり立つなんて、万全に万全を重ねたって怖いはずです。

不安な気持ちを、志保自身の主張として私はこう思う!と堂々と発言しているように見えて、彼女が一番気にしていない様に見せていた「みんな」「私たち」といった全体を巻き込む様な言葉遣いになってしまっているんですね。

個の意見としてぶつけ切れなかったのは、志保の立場もあってでしょうし、何より、答えを出すのって誰だって怖いものですからね。

だからみんなを巻き込むようにするしかなかったわけです。

僕が良く知り合いに話しているのは、この志保に騙されちゃいけないってことです。そう、騙されちゃね。

見方を変えるだけで嫌ーなやつに見えるんですよ、これが。実際ムビマスの志保は怖いといった声も偶に見かけます。

実際は怖い、のではなく怖がっているだけの一生懸命な女の子です。

だから僕は、ムビマスの志保が苦手って人を見ると少しだけ、しめしめうちの子に騙されてるなぁなんて思ったりしてほくそ笑んでるですね。

締めに入りましょうか。

6.それでも北沢志保は前を向く

リーダー天海春香である前に一人の天海春香であった。が表の命題であるなら、
バックダンサー北沢志保である前に、一人の北沢志保であったという話を先程はしたつもりです。

隠していた想いも不安も乗り越えて彼女は舞台に立ちます。

本番前に皆でアリーナを訪れた際も、ずっと腕を押さえて圧倒されていた顔でしたね。

ムビマスはこういった細かい心情描写が本当に上手いと思うので、何度も見返して欲しいシーンです。

「このステージは、今立っているこの場所は私が思っているよりもずっと重たかったですから」

この後、春香さんに自分が悪かったと頭を下げて、微笑むシーンがあります。

え、この子凄くない?

確かに言い過ぎてしまった部分もあるでしょう。
だけど、あれ程恐れていた他者の価値観を形の上とはいえ受け入れて前に進もうと出来るんですよ。

その後の練習シーンでは休憩時に可奈にボトルを渡しに行ったり、エンドロールでは伊織さんと二人で並んで踊ったりしています。

この子こんな晴れやかな笑顔も出来るんじゃん…
心を打たれたのを今でも覚えています。

そこからはもう、M@STERPIECEの際も僕は北沢志保しか見えませんでした。彼女がどんな顔で、どんな風に踊るのか。片時も目を離したくなかった。

でも、今回の志保はバックダンサーだった。

輝きの向こう側へ!というタイトルもここまで歩んできた765プロのアイドル達が至る場所であって、今の彼女が至れる場所ではまだなかった。

じゃあ、この子自身がこの子だけの輝きを見せてくれる舞台があるとしたら?それは多分、誰にも負けないくらい眩しくて、きっと何より愛しいものになるんだろう。この子が活躍して、笑顔になれる瞬間をただ見ていたいと思い、これから志保をずっとずっと応援していこうと思った瞬間でした。

ムビマスを観たら、もっと志保のことが好きになると思います。もっともっと彼女の道が気になって仕方がなくなると思います。是非、改めて観て志保を好きになってあげて下さい。それじゃ、また。





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