おばあちゃんとわたし①

なぜ突然わざわざnoteにまで登録してこんな文章を書いているのかというと、おばあちゃんへのお手紙の内容を考えながら遺品を整理していたら、なんだかもう胸がいっぱいになっちゃったから。心の整理、大事だね。


生前に利用していたデイサービス用のカバンの中身を覗いたら。おばあちゃんったら私が今まであげたものたくさんデイサービスに持って行ってた。

ずっと縫製工場に勤めていて、お裁縫が得意だったおばあちゃん。そんなおばあちゃんの手先を見て育った私が、初めてミシンで作った巾着袋。そんな巾着袋に吊り下げられた、歪なつまみ細工。歪すぎてところどころ解れてきていて、ちょっと恥ずかしい。

おばあちゃんに似合う紫色の和布で作ったつまみ細工が揺れる巾着袋の中には、私があげた御守りがじゃらじゃら。信仰心の厚かったおばあちゃんらしい。でもこんなにたくさんだと、神様も仏様もぎゅうぎゅうで苦しかったんじゃないかな(笑)

そして、何故か3枚も入ってるハンカチ。どれも私があげたもの。「ピンクなんて、おばあちゃんには似合わへんわ。」「こんなレースの高いハンカチ、使うところあらへんわ。」なんて言っていたけれど、どういう気持ちで持ち歩いてくれていたんだろう。

その巾着袋を入れていたのは、私が北海道で買った白くまのカバン。縫製からプリントまで全部手作業で作られた、すごく丈夫なトートバッグ。いつも私のお土産にケチをつけてたおばあちゃんだけど、これをあげたときだけは「たくさん入るわ。どうもありがとう。」とお礼を言ってくれたっけ。

白くまを選んだのは、おばあちゃんと一緒に北海道に行ったときに見た白くまが忘れられなかったからなんだよ。お土産屋さんで白くまのぬいぐるみをねだって、「なんでここまで来て白くまなん。」と言われたことを思い出すなぁ。

こうして遺品を整理していると、私はいつもおばあちゃんと一緒にいたんだな、としみじみ思う。そりゃぁおばあちゃんの知り合いの方々に「あぁ、よく話に出てくるお孫さん!」って言われるわけだよね。いったいどんな話をしてたんだか(笑)

私を見れば口癖のように「あんたはうちの家系の誰にも似てへん、へちゃむくれのちんちくりんやなぁ。」と呟いていたおばあちゃん。そんなへちゃむくれのちんちくりんの私があげたものでカバンの中をぱんぱんにしていたおばあちゃん。

見えない愛情って、こういうところにあるのかなぁ、なんて思いながら、少しへたれてきた白くまのカバンの中に、お空に持っていってもらうものを詰めている今なのでした。

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