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⑪お客様から教えていただいた「目には見えない大切なもの」

新しい市場を創るとうことは、言葉になっていない潜在的ニーズを掘り起こすことでもあります。テイクアンドギヴ・ニーズ社で仕事をしていた私は、とある地方会場のお客様対応から、共感の連鎖が、新しい市場を創る鍵になる、と考えるようになった話をします。


とある地方会場のお客様対応の時のことです。

新婦のお父様に教えていただいたことがあります。「美濃部さん、どうして私が娘と息子に結婚式をちゃんとやってもらいたかったかわかる?それはね、じいさんとばあさんの冥土の土産にしてもらいたかったからなんだよ。じいさん、ばあさんの喜ぶ顔を親戚みんなでみてやりたかったんだよ。」というようなことでした。

「家族との絆をとても大切にする新郎・新婦様とその後両親、そして、おじいちゃん、おばあちゃん。大切な人との絆を確認し合え、そして、それがさらに深まる。両家のそのシーンを見ることによって、両家の距離も近づく日。そして、そこに居合わせた友人との絆も深まる日。そのシーンがあったからこそ、大切な人との絆が深まる貴重な1日が結婚式なんだ。」

お客様にお話を聞かせていただく度に、

そのような実感が深まっていきました。一方で、ある地方会場で結婚式に参加したおじいちゃんに「これまで生きてて本当によかった。」と言っていただいたことがあります。

それは、結婚式をしていなかった娘さん(つまり、新婦のお母様)が、新婦(おじいちゃんの孫娘)のお色直し入場の際に、新婦のお母様が真っ白なウエディングドレスを着て入場してきたのです。結婚式をしていなかった新婦のご両親に、新郎新婦からの結婚式のプレゼントでした。お父様はびっくりして立ち上がり、それを見ていた会場のゲストの皆さん、新婦様側の親戚はみんな大笑いしながら涙を浮かべ、新婦のおじいちゃん、おばあちゃんは、実の娘さんのウエディングドレスを見て、もう、涙が止まらなかったのです。

絆が深まるシーンとはどうしたら生まれるのか?

それは、30歳の新郎様が生まれてから生きてきた30年間の中にある家族のエビソード、27歳の新婦様が生まれてから27年間の中にある家族とエピソード。そこからどのような演出を盛り込んで絆が深まる瞬間が生まれるようにしていくか。そこがウエディングプランナーの腕の見せ所になっていました。だからこそ、1組の新郎新婦に1人のプランナーが最初から最後まですべての打合せを行い、その中でご家族や友人との絆が深まるようなシーンが生まれるように、記憶の中になるご家族との思い出のエピソードを聞いていったのです。


「大切なものは目には見えないんだよ。心で見なくちゃ。」
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