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⑦「1円の重み」を大切にする

「自腹でもやるか?」という自問自答で向き合った仕事の話です。


今から15年以上前のことです。

当時、テイクアンドギヴ・ニーズで仕事をしていたのですが、結婚情報誌の九州版が各県版に分冊化された時のことです。当時は、福岡に2店舗、熊本、鹿児島、大分、長崎にそれぞれ1店舗、合計6店舗がありました。

分冊化される前は、その情報誌の九州版に6店舗分の広告を出稿していました。それが分冊になると、福岡版、熊本版、鹿児島版、大分版、長崎版にそれぞれの広告を出稿しなくてはなりません。それだけでも大幅なコストアップなのですが、なぜか、福岡版と他の県版の料金の差が人口の差分ほど大きくはなかったのです。販売部数は結婚適齢期の人口に比例するはずですから、広告料金もそれに比例すべきだと考えました。

参考:九州の人口分布(2019年)

私は、福岡版の料金を基準にして、各県の20代30代の人口を比率で各県版の広告料金を決めることを提案したのですが、その情報誌の役員さんはその話に耳を貸してくれませんでした。理由は、「同じぐらい売れている」というものでした。

そこで、私は、熊本版がどの程度売れているのか?ということを調べるために、熊本で一番に客数の多い書店に行き、金曜日の朝から日曜日の夜まで、何冊売れるのかを見ていました。また、そこの店員さんとも仲良くなり、ちょうど月末だったことも重なり、その月に熊本版が何冊売れたかをこっそり教えてくれました。

やはり、

20代30代の人口の数の差分ぐらいの差が福岡版と熊本版にはありました。日曜日の最終便で東京に戻り、月曜日にその情報をもとに交渉をしました。「熊本版、おっしゃるほど売れていないようですね。何冊か当ててみましょうか?」と切り出して、「自腹でもやりたい」と思えるような金額で、熊本版、鹿児島版、大分版、長崎版の広告出稿をすることになりました。

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