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【ゲスト紹介#8】龍治玲奈(りゅうじ れな) 日本マイクロソフト株式会社 政策渉外法務本部 社会貢献担当部長

Profile
東京外国語大学卒業後、日本企業の国際営業部門、外資系企業でのCSR立上げを経験。その後、企業全体で社会貢献に取り組む姿勢に惹かれ、2007年に日本マイクロソフト株式会社に入社。以来、同社の渉外・社会貢献担当として「empower every person and every organization on the planet to achieve more~地球上のすべての人、すべての組織に関わる人たちが、より多くのことを達成する力になる~」をミッションにプロジェクトに従事。女性・若者の就労支援、東北・熊本/九州復興支援など、産官学NPO連携を通じての社会貢献を目指す。

~シゴトカイギご参加の皆様へ~
この度は、皆様との貴重なお時間をどうも有難うございます。仕事をしている中で、自分自身もキャリアの形成については、今も模索最中で(これほど急激な仕事の変化がおきている、「第四次産業革命」の真っただ中では、恐らく当然なことだと思います)、このような皆様との貴論の場はとても有り難いです。
お仕事させて頂く中で「軸」となっていることは、「Collective Impact」です。世の中を形創る行政・NPO・企業、それぞれが然るべき“役割”を話しながら共通目標としている「安心・安全な社会」に向かっていかれたらと思っています。この“役割”は、企業の中でも当然同じように考えられると存じます。一つエピソードをご紹介いたします。
東日本大震災発災後、東北の被災地地域の学校が被災し、授業の再開が課題となっていました。文部科学省は、「学びの支援ポータル」という企業からの支援と学校とを繋ぐプラットホームを立ち上げて下さりました。私どもマイクロソフトに求められた事は、OS(Windows)とソフト(Office)の支援でした。
ただ、学校は通常多くの企業が経済活動(雇用を生み出すビジネス)としてサポートする先です。弊社がOS・ソフトを無償提供することは、自社のみならず、他企業様の経済活動にも影響するところでした。そこで私どもは、期間と数量とを文科省の皆様と合意して、「学びの支援ポータル」に寄付を行う旨を発表しました。
この時、仕組み創りから文科省との協議、そして最後の社内発信をサポートしてくれたのは、文教部門の(営業数値責任を持つ)同僚でした。彼は、社会貢献担当からこの発信がもし社内に行われたら、例えばパートナー様のサポートを行う部門をはじめ、多くの部署から疑問が投げかけられる事を察知してくれていたのだと思います。全社に発信された彼のメールの最後には「そして私は、このような支援が出来る企業に勤められていることを誇りに思います」という文章が記載されていました。社会貢献部(私)への批判のメールは一本もありませんでした。
しばし「社会貢献部にいなければCSRはできないのでは?」と特に学生さんから伺います。この事例からも解って頂ける通り、決してそのような事は無いと思います。一人ひとりが得意とする専門性を生かし、社会の中で役割を果たしていく。そしてその専門性をお互いに尊重(Respect)出来たらと思います。
当日、シゴトカイギにご参加の皆様と、色々なお話しが出来ます事を楽しみにしております。
龍治玲奈

経歴
1996年 モスクワ大学交換留学・語学コース終了
London School of International Business studies ・Certificate in International Business取得
1997年 東京外国語大学・ロシア東欧語学部卒業
1997年-1999年 日本系自動車業界にて海外部門の企業連携を支援
1999年-2002年 外資系ソフトウェア会社 社長秘書
2002年-2007年 同企業のアジア太平洋本社にてアジア14か国のCSR立ち上げ 
2007年~ 現職 当初企業市民活動の政府発信を担当。
2009年~NPOと連携した社会課題解決やNPOのITによる基盤強化を担当。


以下プロジェクト詳細
・ 女性UPプロジェクト(シングルマザーやDV被害女性の社会参画)
・自立UPプロジェクト(児童養護施設の子供たちの就労支援)
・ 東日本大震災復興支援(業界連携した避難所、仮設住宅へのパソコン支援・NPO連携した就労支援)その後、広島県土砂災害、熊本地震、福岡豪雨支援
・若者UPプロジェクト (ニート・ひきもり等、無業若者の就労支援)
・Programming for all(障がい・地方・女性)へのプログラム機会提供
・ NPO基盤強化プロジェクト (ソフトウェア・クラウド寄贈・事例展開)

研究調査・政策提言・委員会
<協働調査>
2011年 「ITを活用した若者就労支援プロジェクト」 に係る評価調査 (公共経営・社会戦略研究所)
2012年 「自立UPプロジェクト」に係る第三者評価調査報告 (公共経営・社会戦略研究所)
2013年 東北被災地支援事業に関してSROI評価 (ビズデザイン株式会社)
2014年(9月発表予定);「ITを活用した若者就労支援プロジェクト」 に係る評価調査 (公共経営・社会戦略研究所)
2016年 熊本市震災支援の社会的インパクト調査 (日本ファンドレイジング協会)
<政策提言>
2012年:震災復興とICT http://download.microsoft.com/download/D/D/0/DD0E12B9-5836-4E6C-BE26-3C48D51EFAA4/disasterrelief_ict_conference.pdf 
2015年:若者としごと:http://www.wakamono-up.jp/top/pdf/shigoto-to-wakamono.pdf 
2015年:若者・地域・しごと:http://www.wakamono-up.jp/top/pdf/1704_report.pdf 
上記他、慶応大学ネットビジネスイノベーションフォーラム(NBI)を通じた遠隔教育の制度化、地理的差異無く、全ての子供達の教育可能性について継続して提言を行っている。
<委員>
2014年~ 「教育における ICT の利活用促進をめざす超党派国会議員政策勉強会」アドバイザリー
2016年~ 釜石市復興まちづくりアドバイザー

発表・執筆の実績
2012年・2013年 岩手県事業 企業・NPOパートナーシップ交流会 基調講演・パネル登壇
2012年発行 書籍社会貢献によるビジネス・イノベーション 「CSR」を超えて ・四章執筆
2014年 経団連社会貢献担当者懇談会においてCSRの活動評価事例(SROI)を発表


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