⬛DVDオーサリング Adobe Encore映像ファイルについて 覚え書き 2021
AdobeのPremiereという映像編集ソフトについているEncoreというDVDのオーサリングソフトについて他メーカーで作成したファイルとの連携について覚え書き。
■大前提と基本
EncoreはCS6というバージョンで開発が終了していて、Adobeのサブスクリプションでは使えなくなりました。2021年6月頃までは使えたはず。もっというと2019年6月あたりで下位バージョンを切り上げたことによりCC契約でCSが使えなくなっています。
さて、DVDオーサリングソフトであるEncoreは編集ソフトのPremiereのDVD書き出し機能としてバンドルされてるソフトなので、基本的にはPremiereで編集した映像をMediaEncoderという動画変換ソフトを介して使うことが前提として作られています。
1.Premiere
映像編集ソフト:映像を切ったりつなげたり、効果音をつけたりします。
2.MediaEncoder
エンコーダーソフト:映像を使用するソフトの形式に変換します。
3.Encore
DVD(Blu-ray)デッキで再生出来るような機能をつけます。
ということで、この2つのソフトを介してDVDを作るためのソフトなのですが、他の編集ソフトで作った完成動画があればMediaEncoder+EncoreでもDVDは作れます。
■Encoreのみを単体で使用するときに注意点がいくつかあります。
1.DVD形式の映像ファイル以外を使用すると著しく画質の汚いDVDが出来上がります。
この状態はEncoreが映像のエンコーダー機能を最小限のものしか持っていないためと思われますが、DVDとしてはかなり汚い部類の画質になってしまいます。
2.他メーカーでエンコードした映像データで読み込み不具合が起こる。
映像がうまく再生出来ない、音が若干長めになる。などの予測不能な状態になることがあります。
音声はAC3がおかしくなるのでEncoreの解釈に問題があるような気がしますが、サポートも開発も終わったソフトですので修正は期待できません。
TMPGEnc Video Mastering Works 7(画像変換ソフト)との連携については音声はLPCMにすると不具合が解消します。ただし、PCM音声はデータサイズがAC3より大きいため映像のビットレートを最大まで上げたい場合(きれいにしたい場合)は向いていません。
ということで、TMPGEnc Video Mastering Works 7で生成したDVDの映像を使用して音声だけMediaEncoderで分離したAC3を使う。こちらでAC3のDVDが作成できました。
理論値としては最高画質のDVDが出来ることになります。
今回ペガシス社に問い合わせをして教えて頂いたこと。
Adobe Encoreが取り扱うファイルは.m2vという映像ファイルと.wavというオーディオファイルであるべきということだそうです。たしかに、PremiereでもMediaEncoderでもDVD書き出しをするとこの2つのファイルが出来ます。
■まとめ
・Adobe Encoreが取り扱うファイルは映像.m2vと音声.wavが望ましい
・他ソフトの映像ファイルを使う場合、Mpeg2でオーディオ形式はLPCMを選択すると不具合が起きにくい
・どうしてもAC3を使いたい場合はMediaEncoderで生成したAC3を使う。
この3つが解決方法の糸口になりそうです。
■おまけ情報
チャプターについて
Adobe Encoreは映像終わりに必ずチャプターポイントを打ちます。ということで、例えば5つの映像頭にチャプターポイントを入れた場合、エンドチャプターが追加され、6チャプターという状態になります。
これはメニューを作る場合、5番目のチャプターからメニューへ飛ばす場合の選択点としてダミーのポイントを打っているのですが、ソフトによっては邪魔になる場合もあります。
クレームになった実話
サイバーリンクのPowerDVDはチャプターポイントを自動で読み込み簡易メニューとして動かせる機能があります。Encoreで作成した上記の例の場合は5つのチャプターは問題ないのですが、エンドチャプターである6番目は何も映像の無い飛べないポイントになります。これがおかしいというクレームになったのですが、それはサイバーリンクが勝手にやっていることであって、個別のソフト上の問題ということなのですが、クライアント激おこでつくりなおしという・・
また、PowerDVDはキャッシュの機能があり、過去映像でチャプターと同じ時間があると表示を早めるためにキャッシュを写します。ということで、全く関係無い画像がチャプターリストとして表示されることがあるようです。
こちらはソフトのキャッシュをクリアすることで直ります。
変な画像を入れたのではとあらぬ疑いをかけられました・・
ところで、DVDのメニューにはポスターフレームというサムネイル画像としてメニューに使える画像を自由に選択できます。このあたりが、画像がDVDのチャプターとして入ってると誤解されたのだと思われますが、PowerDVDのチャプタービューワーとポスターフレームは連動していません。あくまでもPowerDVDのチャプタービューワーは映像の頭らへんの情報を適当にメニューとして使いまわす機能になります。
つらつらと書きましたが、Encore久しぶりに使ったけど困ったわ!って方がこの記事にたどり着き、もしかしてと思うポイントがあれば幸いです。
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