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「俄然」は「断然」ではないし、「断トツ最下位」もおかしいのです

音が似ている言葉は混同しやすいですね。私もよく間違えて使っていることがあります。

たとえば「俄然」と「断然」

以下はある人たちのブログですが、「俄然」の使い方が「断然」と混同されていますね。

1日は朝から日本酒で乾杯し、おせちというほどでもないけど普段よりは俄然豪華なお正月料理(筑前煮、かまぼこ、だし巻き卵、イクラ、お雑煮あたり)を食べ。

個人のブログより

指先のがさつきは俄然セラムをオススメ致します‎( ㆆ ㆆ)و✧

個人のブログより

トイレに行ってファスナーを下ろして、などが面倒で(汗)
なので今は俄然サロペット派です!

個人のブログより

自分への期待値が下がるからか、諦めがつくことが多いのか、若い頃より俄然生きやすい。

個人のブログより

いずれも個人のブログなので出典は明らかにしません。

俄然」の意味は、物事がにわかに起こるさまで、急に一変した状態になるさまですね。

たとえば「あなたの言葉を聞いたら、俄然やる気が出てきました」など。

俄然」の「(にわか)」は突然の意味で、「俄雨(にわかあめ)」などと使いますよね。

一方、「断然」の意味は、断じて、きっぱり。あるいはははっきり、段違いにです。

たとえば「何があっても、断然として酒を断つ」や「理科のテストでは彼が断然優秀だ」などと使います。

ちなみに「断トツ」は「断然トップ」の略なので、「断トツの一位」は重複表現となるので本来はおかしいですね。

以下は経済アナリストの中原圭介氏の記事ですが、タイトルでやってしまっています。

日本、じつは「先進国で断トツ最下位」に…!

出典:『日本、じつは「先進国で断トツ最下位」に…! 日本人は知らない「ヤバすぎる日本経済」の真実(中原 圭介) | マネー現代 | 講談社』

断トツ最下位」は「断然トップの最下位」となるのでおかしな表現ですね。

しかし、このように使ってしまいたく気持ちはよ-く分かります。

私も気をつけなければ。

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