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neutral19ベーブルース

 ベーブルースが何故短期間であったとしても二刀流が実現できたのか、彼はアメリカ生まれ、アメリカ育ちのアメリカ人ではなかったのか。
 答えは孤児院の中にあるだろう。親が居たにも関わらず孤児院に入れられてしまった、という契機。これは見過ごせないのだ。
 オタクという語を生み出した中森明夫に『寂しさの力』(新潮新書、2015)という著作がある。その中で酒井法子をしてアイドルに最適化された出自・育ちだったというのだ。幼くして親戚をたらい回しにされて育った経歴が、周りの人々に気に入れられようという術を自ずと身につけた、それが要因だったという。孤児院でもそうであろうが、真の保護者を失った子供は親以外の大人にすがりつき、気に入られてはじめて人かどの暮らしが得られ幸せさえ手に入れることが出来る。自ずと媚を売る能力が身につくのである。それはアイドルの資質そのものを体現していると云っても過言ではない。場の空気が人一倍読めるということだ。
 ベーブルースという愛嬌たっぷりのニックネームがその証しにも思えてしまうのだ。
 しかしそれも仮の姿、野球人として実績を積み、自己同一性を確立してからは子供の頃から芽生えていた身勝手さ、つまりは我を貫き、二刀流を辞め打者に専念し大成功を収めた。大谷翔平選手のユニークさは我を通さずの方向性に(逆説的に)我を通したことだろう。頑なに二刀流を貫いたのだった。自我が未熟だった少年時に固執していること。つまり少年の夢こそが出発点であり、利害の天秤にかける大人を拒否しモラトリアム(ニュートラル)を貫いているという分けである。そこに日本人の特異性が大きく関わっている。ベーブルースとの違いも如実に現れているのだ。
 他の事例で例えてみるなら、芸能人として半人前、従って何でもやって、それをキャリアとして積み重ねたり、複数人で一つのパフォーマンスを仕上げることによってはじめて芸能界でサマになるアイドルが、一人前の芸能人の能力を複数のジャンルで超えてしまい、芸能界で無双している状態を想定してみよう。AKB48には見当たらず、元乃木坂46の生田絵梨花がそのイメージに近い。
 ミュージカルの主役級をこなし新人賞(第8回岩谷時子賞奨励賞)、ピアノでは東京代表になった経歴を持ち(プロ級の腕前)、ダンスは目立たなかったが、歌も斉藤由貴の「卒業」のカバー(「筒美京平SONG BOOK」2021年春にリリースされた筒美京平追悼盤トリビュートアルバム所収)などプロが認める歌唱力を持ち併せていた。機転が効き太田プロ所属でお笑いの才能にも長けている。
 本物の無双状態の大谷翔平と比べれば小粒だが、これからの期待を込めて取り上げてみた。
 イクタリアンというキャラクターも面白かった。
 オタクの間では「イクタソ」あるいは略して「タソ」と親しみを込めて呼ばれている。「タソ」は「タン」をずらした言い換えである。翔平をSho-Time というが如き!?。

 画像は Era という白人美人女性のフィギュアを私がレンダリングしたものです。日本人には浅丘ルリ子さんにしか見えない。Daz studio のオフィシャルも度々使っているお気に入りのフィギュアらしく、まだ間に合うかも知れませんが、浅丘さんがハリウッドに腰を据えれば女優として成功するのではないか、と思われるのです。
 芸能ニュースだけでは分からない美人像の定番や、その変遷も3DCGからある程度知ることも可能です。美形女性のフィギュアというジャンルでは日本を含むアジア系が最近多くなってきたのは実感していましたが……。
 2024/08/14

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