LUNAR ETERNAL BLUE「ロンファが逃げ出した理由」

ゲーム本編中でははっきりと語られなかったロンファがマウリから逃げ出した件についての設定です。一応、こんな風に考えていました。公式なものではありません。


【ロンファ過去】
  1993/12/02
重馬 敬
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※ロンファというキャラの理解の為に、彼の過去の事件を書いておきます。これは、 今の所ゲーム中では出てこないと思います。
※この内容はサンプルなので、実際のゲーム中では変更されます。


 それは、2年前のペンタグリアから始まる。
 当時ロンファは、将来を嘱望される優秀な神官見習であった。
 彼は、幼なじみのマウリ、レオらと共にアルテナの理想を信じ、その実現のために厳しい修業に耐えていた。
 彼がアルテナの理想を信じるのには、大きな理由がある。3年前、彼らの住む辺境の村を魔獣が襲った。村は壊滅。かろうじてレオとロンファは生き延びたが、レオの妹であるマウリは、帰らぬ人となってしまった。
 そこへ現れたのがアルテナであった。彼女は、マウリを蘇らせてくれた。そして、この混乱した世を正すために、力をかしてほしと彼らに頼んだ。
 伝説にしかすぎないと思っていた女神アルテナ、それが、こうやって再び人の世に転生し、マウリを救ってくれたのだ。レオもロンファもマウリも、アルテナのために働くことを名誉と考え、村を後にした。

 そして今、マウリもレオもそれぞれの任務を与えられ忙しい毎日が続いている。ロンファがレオやマウリに会えるのは、月に1回ぐらい。だが、レオとの友情は変わらないし、マウリとの初雪のような淡い恋も変わってはいない。ロンファはそう信じていた。
 そのマウリが、アルテナさまのためにがんばり、大きな功績を上げているという。
それをロンファは単純に喜んでいた。
 だが、ある日、ロンファはとんでもない噂をきいてしまった。それは、”マウリの仕事”というものの実体であった。マウリの仕事……、それは、無抵抗の村人を魔法で残酷に殺しているという忌まわしいものであった。
 否定するロンファ。しかし……。
 夜、宿舎にレオをたずねるロンファ。歓待するレオであったが、話題がマウリの任務と行動になると言葉をにごす。苦悩しているかのようなレオの様子。そして、彼はその話題を避けるのだ。
 まるで、そこに触れたら最後何もかもがおしまいになると知っているかのように、かたくななレオの態度。
 ロンファの疑惑と不安はふくらむ。
 そんなくだらん噂なぞ忘れろ! と叫ぶレオの声をを背にして、彼の宿舎を後にするレオ。自分でもそうしたほうがよいと思っていても、だが、ロンファの足はマウリの部屋へと向かってしまうのだった。

 しばらくぶりに会うマウリは、やはりいつもと変わらず美しくやさしかった。
 自分を温かく迎えてくれるマウリのかいがいしいようすを見て、くだらん噂にふりまわされた自分の愚かさを恥じるロンファであった。
 ロンファは、笑い話として自分がきいた噂を話す。
 少しも顔色を変えることもなく、笑みを浮かべたままマウリは、その噂を肯定する。
だって、どうしていけませんの? アルテナさまの御威光を恐れぬものたちに神罰を与えることも必要ですわ。
 愕然とするロンファ。
 わたくしだって辛いのです。でも、ひとつの村に神罰を与えることによって、10も20もの村がアルテナさまに従うようになるのですよ。これは素晴らしいことではないのでしょうか?
 言葉とは裏腹に、マウリの顔には少しも後悔や苦汁の色は浮かんではいなかった。
いや、それどころか……。
「お、おまえは誰だ!?」
 ロンファは、悲鳴に近い声を出して椅子から立ち上がる。
 窓から差し込む蒼き星の光に照されたマウリの顔は、まるで人形のように見えた。
「いやですわ、ロンファさま。ご冗談ばかり……」
 後ずさるロンファに抱き付くマウリ。
「……おしたいもうしあげております」
「は、はなせ!」
 ロンファは思わずマウリを突き飛ばし、彼女の部屋から逃げ出した。
 その後ろ姿を、マウリは変わらぬ笑顔と美しさで見送っていた。だが、その瞳は、ガラスの輝きをたたえるだけであった。
 数日後、ロンファの姿はペンタグリアから消えた。


 その後ロンファは、神官としての自分の力を捨て、バクチ打ちとして辺境の村で暮らしていた。
 すべてを忘れ、アルテナ神団も神官も人助けも、なにもかも忘れて、いや、忘れたふりをして……。
 だが、彼の心の奥底には、大きく重い何かがしこりとなって残っていた。
 そんなある日、彼の目の前に瞳を輝かせたひとりの少年が立った。常に前を見つめているかのような明るい少年の心に、ロンファは、自分でも驚くほど衝撃を受ける。
 自分の中で長い間死んだと思っていたものが、ただ時を待ち、眠っていただけだと知ったのだ。
 ――その少年の名は、ヒイロという。


・ロンファを最初バクチ打ちとして登場さえることによって、その後の会話などで個 性を出す。
 不利なボス戦の前なんかで、「負けると分かっててもハラなきゃいけねい時はあるんだ。だがな、そこで、千にひとつ、万にひとつの勝機を呼び寄せるのが、本当の勝負師ってもんだぜ、ヒイロ」とか、レオにむかって「おまえ、背中がすすけてるぜ」とか。(^_^;)

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